理工学部 創造工学科 航空宇宙工学コース/
大学院 生産システム工学系専攻 航空宇宙総合工学コース

教育・研究Research

准教授 境 昌宏(SAKAI, Masahiro)

准教授 境 昌宏(SAKAI, Masahiro)

居室番号:B307
TEL/FAX : 0143-46-5377
E-mail : msakai@muroran-it.ac.jp

専門 材料・構造工学
出身 九州大学大学院
担当授業科目 学部:フレッシュマンセミナー、材料力学Ⅰ、航空宇宙構造工学Ⅱ 大学院:航空宇宙材料工学特論
研究室名 航空構造工学研究室

航空宇宙機制御研究の紹介

航空構造工学研究室で行っている主な研究

アルミニウムの腐食

・航空機用アルミニウム合金とCFRPとのガルバニック腐食
・アルミニウムの腐食反応を利用した新規水素製造方法の開発
・地熱発電用アルミニウム伝熱管に生じるスケールメカニズム解明

銅の腐食

・伝熱管,冷媒管に生じる蟻の巣状腐食
・建築用銅管や銅製熱交換器に発生する新しいタイプの孔食(マウンドレス型孔食
・吸収式冷凍機用銅管に発生する応力腐食割れ

その他「材料と環境」に関する研究全般に取り組んでいます

航空機用Al合金とCFRPとのガルバニック腐食

(「きちんと知りたい!飛行機メカニズムの基礎知識」日刊工業新聞社(2018), p.135より)

アルミとCFRPとを接して用いると
アルミの腐食が加速される

→ ガルバニック腐食

食塩水中に1週間浸漬したAl
Al単独で浸漬
CFRPと接触して浸漬

防食方法開発すれば,これからのマルチマテリアル化社会に大いに貢献!

蟻の巣状腐食

・空調機用伝熱管や冷凍機用冷媒配管などの銅管に発生する局部腐食の一種

・銅管表面は赤褐色,灰紫色に変色し,腐食生成物は存在しない

・食孔が肉眼で確認するのが困難なほど微小であり,ランダムに枝分かれしながら進行するのが特徴

ギ酸や酢酸などの有機カルボン酸を含む湿った気相中に曝された銅管に生じる場合が多い

メカニズム解明すれば世界初の業績!

銅管に発生した新しいタイプの腐食(マウンドレス型孔食)

マウンドレス型孔食
通常の銅の孔食(Ⅱ型孔食)

メカニズム解明すれば,世界初の業績!

応力腐食割れ(Stress Corrosion Cracking, SCC)

現象

・外部応力あるいは残留応力を受けた材料が,特定の腐食環境下でひび割れを伴いながら腐食する現象
・主に黄銅で生じるが,純銅(リン脱酸銅)でも発生が確認されている
・メカニズムとして,変色皮膜破壊機構(金属自体が直接割れるのではなく,いったん変色皮膜に形を変えてから割れる)が提案されている

要因

・黄銅の場合,亜鉛含有量が増すにつれて感受性大(Zn30%以上で大)
・リン脱酸銅の場合,リン含有量が増すにつれて感受性大
・アンモニア,アミンを含む湿潤環境

対策

・Zn含有量,P含有量の少ない合金を用いる
・SCC発生環境を取り除くあるいは緩和する
・残留応力除去のため,焼鈍を行う

純銅管に生じた応力腐食割れの例