居室番号:S304
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専門 | 空力設計・飛行力学 |
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出身 | 東京大学大学院 |
前職 | 旧科技庁航技研、東北大学 |
担当授業科目 | 学部:飛行力学Ⅰ・Ⅱ、航空宇宙工学実験、航空宇宙機設計法Ⅰ・Ⅱ 大学院:飛行力学特論 |
研究室名 | 高速空気力学研究室 |
大気中を高速飛行するための革新的基盤技術を研究し、小規模ながらも実際の高速飛行環境において実証することを目指しており、そのためのフライングテストベッドFlying Test Bedとして小型超音速飛行実験機(愛称:オオワシ)を研究開発しています。オオワシに適切な飛行性能を与えるための空力設計と、その特性を調べるための空力評価を、種々の手法を駆使して実施しています。
飛行機を始めとする有翼飛行体は、高速で飛びながら周囲の空気流から上手に力(空気力)を受けて、これを利用して飛行します。空気力を上手に利用できるかどうかは、機体の形にかかっています。
空気力を利用するための機体形状を「空力形状」、その設計を「空力設計」と呼びます。
小型超音速飛行実験機(オオワシ)では、離着陸からマッハ2.0程度の超音速までの一連の飛行を目指していますので、低速(亜音速)飛行と高速(超音速)飛行を両立させる空力形状が必要です。そのような空力形状として、主翼の平面形状(上から見た形)をクランクトアローCranked Arrow(折れ曲がりのある矢じり)、主翼・尾翼の翼型(断面形状)をダイヤモンドDiamond(菱形)とする空力形状を提案しています。
提案された空力形状に周囲の空気流からどのような空気力がはたらくか(空気力学的特性:「空力特性」)を調べています。その手法としては、地上で高速空気流を作り出す装置である「風洞Wind-tunnel」に機体模型を設置して、実際に高速空気流を当てて空気力を計測する「風洞試験:風試」が重要です。また、コンピューターで空気流を模擬計算する数値流体力学(Computational Fluid Dynamics:CFD)解析も併用しています。
提案された空力形状の空力特性・飛行特性を実際の飛行に近い環境で調べるために「飛行試験」や「高速走行試験」を実施します。そのために予備的な機体を製作しています。
2010年度には、第1世代実験機の実物大機体(オオワシ1号機)を用いて、白老滑空場で飛行試験を実施しました。機体に搭載した加速度計・角速度計・GPS等の機器で飛行状態を記録し、空力特性・飛行特性を把握しました。
第2世代実験機については、1/3スケールの縮小機体を製作し、高速走行試験を実施しつつ、飛行試験の準備を進めています。
提案された空力形状の飛行特性を、コンピューター上で飛行運動を模擬計算(シミュレーションSimulation)することによっても調べています。機体を質点として扱う簡易な3自由度飛行シミュレーションと、機体の姿勢変化(回転)運動も解く6自由度飛行シミュレーションを併用して、種々の飛行性能を予測しています。