Research Activities研究活動

プラズマエレクトロニクス研究室

#放電プラズマ#モンテカルロシミュレーション#機械学習

川口悟 助教
川口 悟助教

研究内容

 気体に高い電圧を印加すると,気体中の分子の一部が電子とイオンに分かれた状態を作り出すことができます。この状態はプラズマとよばれ,固体・液体・気体に次ぐ物質の第4の状態といわれています。スマートフォンなどの電子機器で使われる集積回路の製造においてはプラズマを用いた超微細加工技術が必須になっています。さらに,プラズマは殺菌,環境汚染物質の分解,機能性材料の合成などにも応用されています。私たちは,応用にあわせて最適なプラズマを自在に作り出すために,計算機シミュレーションや人工知能(機械学習)を活用してプラズマの性質の解明に取り組んでいます。

研究テーマ

計算機シミュレーションによる
プラズマ中の電子のふるまいの解明

川口 悟 助教

 私たちは,プラズマのなかに存在する電子に注目して研究を行っています。電子の重さは気体分子と比べて非常に軽量であり,電界によって容易に加速されて高エネルギーとなりやすく,高エネルギー電子と気体分子の衝突がプラズマ内で生起する化学反応やプラズマの生成・維持において重要な役割を担っているためです。乱数を用いてプラズマ中を動き回る電子の運動をシミュレートすることで,気体の種類,電界の強さなどが電子のふるまいに与える影響を調べています。

プラズマの性質解明を目的とした人工知能(機械学習)の活用

 近年,音声認識,機械翻訳,商品や動画のレコメンダシステムなど,私たちの身の回りにおいて人工知能(AI)の活用が急速に広がっています。私たちは,AIをプラズマの性質を解明するために利用することを目指した研究を行っています。例えば,プラズマ中の電子が従うルール(微分方程式)をAIに学習させることで,電子の速度分布や時空間分布を得ることができます。