#形状最適化#進化型計算#電磁界解析#高速数値計算
自動車の電動化が世界的な流れとなっており、さらには飛行機も電動化しようという流れもあります。そして、電気を回転する力に変換するモーターの高性能化が重要になっています。本研究室ではモーター内部の磁界を高速に計算する研究や、生物の進化を模擬した進化型アルゴリズムを使った電磁機器の高性能の研究を行っています。
モータはコイルに電流を流したときに発生する磁界を利用して回転力を発生させます。このモータの設計では、磁石の配置やコイルの形状が性能に大きく影響します。磁界は人間の目には見ることができないため、実際のモータの中で磁界がどうなっているのかを知ることは難しいです。しかし、コンピューターシミュレーションを使えば磁界の様子を可視化することができて、より性能の良いモータの開発をすることができます。下の図は電子回路で使われているコイルの断面とシミュレーションで磁束線の様子を可視化したものです。
シミュレーションでは、寸法などの形状を与えると、その機器がどのような性能を発揮するのかを計算します。逆に、最も良い性能を発揮する形状を見つける計算は苦手です。この最適な形状を見つける方法は様々ありますが、本研究室では進化型計算を基にした形状最適化の研究を行っています。この方法は、単純な形状からスタートして、徐々に形状を変化(進化)させて最適な形状を見つける方法です。特に、生物の進化を模擬した遺伝的アルゴリズムや、生物が外部から侵入する細菌等の異物に対処する免疫抗体反応を模擬した免疫型アルゴリズムと呼ばれる方法を使って、形状最適化を行っています。どちらの手法も、コンピュータの中で何度も何度もシミュレーションを行う必要がありますので、高速な計算方法が重要になります。そのため、高速に計算する手法の研究も行っています。