参考文献の書き方について
参考文献は自分の文章の中で引用した、他の人の文章や意見、データのこと、文章を書く際に参考にした文献のことです。参考文献は主に以下の役割があります。
- ■ 自身の論文の新規性、独創性、信頼性の明確化
自分の主張が、過去の研究に基づいていることを証明し、正当性を裏付けるため- ■ 出典の明示
著者の主張がどのような根拠(資料)に基づいているのか、読者が検証できるようにする。資料・文献への アクセスを保証する- ■ 読者に対する情報提供
自分の論文の読者が、同じようなテーマの文献調査をする時に役立つため- ■ 先行する著者(先人・先輩)に対する敬意
研究成果を出した先人(過去の研究者)の業績に敬意を示すため
引用した本(論文)などが適切に参考文献として挙げられていない、引用の仕方が不十分であった場合、それは他の人の意見を自分の意見として無断借用したとみなされ、論文の剽窃にあたります。
一方で、参考文献が少なすぎると、 勉強不足、調査不足が露呈します。
1 引用元について
その情報を発信する確かな著者、専門家、公的機関などが公式に発表する情報を引用します。
私たちが書く論文は、報告書や解説論文 (review記事)とは、論調や抱える背景ご異なる場合があります。
書いている内容を丸写しするのではなく、引用する内容を自分の書く論旨と照らし合わせて引用しましょう。
- ■ 本学では閲覧できないジャーナルは、必要な論文を大学図書館に文献複写依頼する。
インターネットの情報について
- ■ 書籍や論文からの情報がなく、ほかに確かな情報として得られない場合のみ(原則として公的機関による公文書、報告書など公開情報、公的団体や民間企業のそこからでないと得られない情報などの引用は良い)。
- ■ 個人の解説ページやまとめサイトのようなページは、出典が明らかでなかったり、情報の転載(二次利用)などの場合があるので引用しない。
2 参考文献リストの書き方
文末の参考文献リストは様々な書き方がありますが、研究室の卒業論文では以下の内容と順番で記載します。(細かい指定は雑誌の投稿規定に違いがあるので、それに従って記載します。記載事項の順番や区切り方に違いはありますが、記載事項は概ね同じです。)
■ 雑誌中の論文
著者名1, 著者名2,・・・: 論文名, ジャーナル名, 巻号, (発行年),はじめのページ–おわりのページ.
例)R. Kataoka, T. Kimura, N. Takeichi, and A. Kamegawa: Stabilization of Face-Centered Cubic High-Pressure Phase of REH3 (RE = Y, Gd, Dy) at Ambient Pressure by Alkali or Alkaline-Earth Substitution, Inorganic ChemistryI, 57, (2018) 4686−4692.
例)亀川 厚則:高性能V系水素吸蔵合金の開発, 月刊機能性材料, 40(8), (2020) 28-36.
■ 書籍
編者名or著者名1, 著者名2,・・・: 書名(版表示), 出版社, (出版年).
例)田村 英雄:水素吸蔵合金~基礎から最先端技術まで~, エヌ・ティー・エス, (1998).
■ Webサイト中の記事(ネット上の情報)
著者名, “ウェブページの題名”, ウェブサイトの名称, 更新日付 or 参照日付,
参照URL.
Webサイトは更新されたり、削除される場合があるので、ページの更新日または参照した日付を入力する必要があります。
例)環境省, “脱炭素化にむけた水素サプライチェーン・プラットフォーム“. (2022年1月30日参照)
https://www.env.go.jp/seisaku/list/ondanka_saisei/lowcarbon-h2-sc/demonstration-business/
- ※更新日付は画面に表示されている場合はなるべく記述する。
- ※ウェブサイトの名称が著者名と同じ場合、略してもよい。
文献の詳細項目の書き方
■ 各事項の区切り記号について
半角カンマ“, ”、半角ピリオド“. ”、半角コロン“: ”などの後右側または、半角左片括弧“(”の前(左側)には、それぞれ半角スペースを入れる。
■ 著者名について
引用元の記載を参照して、論文の場合は著者は全て書く。
の順番で記載する。
- ・和文の場合は、姓 名
- ・英文の場合は、名 (ミドルネーム) 性
※イニシャル表記でない場合は略さず記載、イニシャル表記の場合はピリオドを付す。
※ジャーナルによっては英文でも性名の順番で記載されている場合があるので、名性の順に直して記載する(コピペしたままにしない)。
■ ジャーナル名について
略称を使わず、フルタイトルで書く。
斜字体(イタリック)で記載する。
■ 巻号について
太字にする。
■ ページ番号について 開始ページと終了ページの間は“–(endash)”(マイナスではない”)。
■ 各リストの末尾には半角ピリオド“. ”を入れる。