研究室配属希望の学生の皆さんへ
私たち研究室を運営する側にとって、少しセンシティブな内容です。私たちの思いを全て書こうとすると、研究室選びをする皆さんは返って構えてしまいます。理工系の研究室にとって重要なのはコミュニケーションとチームワークです。だから、是非研究室の実際の雰囲気を見学に来たり、亀川と合って話しをするのが、研究室を知るとても良い方法と思います。
我々のところに来る前に、少し知っておこうと思う方に、以下で少しだけ水素機能材料学研究室について紹介します(それぞれ全部は書き切れないので、部分的に・・・)。
研究活動(卒業研究など)について
本学を卒業・修了した皆さんは、技術者・開発者としてチームや個人で活動し、時にはリーダーシップを発揮する場面もあるでしょう。その時必要な能力は,単にテストでよい点を取る学力だけではありません。問題解決能力、プレゼン能力、日本語力、英語力、調整力、統率力、対応力...などいろいろです。
研究室で行う研究活動では、誰も答えを知らない研究課題に取り組み、その解決方法の立案、準備、実施、研究発表を通して、技術者・開発者として必要な技術・能力を養います。
■ 一人に1つの研究テーマ
それぞれに1つのほぼ独立した研究テーマを割り当てています。卒業研究は、これまでの学生実験と異なり、これまでに誰も行ったことのない課題に取り組みますので、当然どのような結果が得られるのかは分かりません。自ら責任をもって取り組んで欲しいと思います。
■ 研究活動はチームワーク
テーマは一人1つですが、研究は一人ではできません。実験手法、データの解析方法、プレゼン、卒論のまとめ方など、先輩や研究室スタッフの時間を割いて教えてもらうことも多いと思います。決して自分のペースでは何事も進んできませんので、相手を思いやりながら研究活動を行って欲しいと思います。
■常に考える
研究は仮説と実証をしばしば繰り返すことで結論へと導いていきます。私たちはいわゆる実験系の研究室ですので、例えば新物質が合成される条件や材料高性能化のための物理的パラメータが何か論理的な仮説をたてて、それを実験などで実証していきます。卒業研究を取り組み始めたころは、何をやっているのか分からない事が多いですが、常に自分で考えることを続けて結論を導いて欲しいと思います。
指導のポリシーについて
研究指導は学生を締め付けるタイプのものではありません。私たち独自の発想で新しいことを成し遂げる為に、それぞれが自分の好奇心を原動力として能力を発揮し、互いが共同研究者である関係を目指しています。
学部(4年生) 研究活動を通じて獲得して欲しい能力は次のようなものです。
・答えに至る道筋はある程度付いているが答えは未知である問題に取り組むことができる。
・実験装置の原理・操作方法を正しく理解し、自ら操作できる。
・既知の事実や先行研究などを調査し、整理する。
・第三者が読んで理解できる文章が書ける (テクニカルライティング)。
・国内学会での発表ができるプレゼンテーションレベル
・安全衛生教育
研究室生活の心得
研究室は、皆さんにとっては学生生活最後の関門(?)、私たちにとっては社会に送り出すための最後に教えられる機会と思っています。最近の学生の気風として、友人など周囲の人の言動の間違いを指摘しない、されたくない人が多いように思います。社会人になると恥ずかしくて聞けないことや、指摘されないことで、学生のうちにかける恥はかいておいた方が良いものもあります。気づいた事で、社会人として活躍するために必要と思うことは遠慮せず伝えるようにしています。
■ 報告・連絡・相談は常にする。
研究室活動をお互いが気持ちよく行うだけでなく、怪我をしたり (させたり)、事故を起こさないためにも、研究室内外で起こったことは密に報告をしてください。事後報告であったり、事前に分かっている予定を直前に伝えるなどないようにしましょう。
■ 優先順位を決めて計画的に行動する。
企業の採用活動においてもポイントの一つです。限られた時間の中では優先順位を決めることが必要です。学生生活は研究室活動だけでなく、課外活動、バイト、休養、帰省などがあるでしょう。研究室活動は、講義や試験にかわる学校活動で、社会人になれば仕事そのものです。よほどの事情が無い限りバイトや帰省が仕事(研究室)より優先されることはないと思います。また、チームワークにおいては周囲の時間を共有していることも忘れないで下さい。教えてもらったり手伝ってもらう時間、実験装置のマシンタイム、提出物をチェックしてもらう時間など、すべて自分の思うようなペースでは進みません。物事に計画性をもって取り組みましょう。
■ お客さんではない。
研究室配属した学生はお客さんではありません。配属当初は分からない事も多いとは思いますが、研究室を共に運営する意識を持って欲しいと思います。改善提案はウェルカムです。教えてもらったことを鵜呑みにせず、常にWhy?の意識を持つなど研究室をより良くするにはどうしたらよいかを一緒に考えましょう。
研究活動(卒業研究など)について
配属後の[研究室生活の心得とルールはこちら]。