ハイフン・マイナス・enダッシュ・emダッシュの違いと使い分け

ハイフン / hyphen(-)  接続して1語をつくる。

 ハイフンは、複数の単語、接頭辞、数字、文字をつないで1語を作る記号です。
 日本語キーボードの[ほ]の位置にあるのは、実はハイフン[-]です。

① 複数の単語をつないで1語を作る
check-in、Shin-Osaka、AB5-type
② 接頭辞all-, ex-, quasi-, self-など
ex-boyfriend(元カレ)、quasi-crystal(準結晶)、
self-assembly(自己組織化)
  ハイフンがないと別の言葉と混同される
re-charge(再請求する)//recharge(再充電する, 再攻撃する)
pre-sent(事前に発送した)//pre-sent(現在)
③ そのほか
 ・1文字を単語に足すとき
X-ray(X線)、T-shirt(Tシャツ)、e-mail(Eメール)
 ・21から99までのアルファベット数字名 (20, 30, 40, 50, 60, 70, 80, 90は除く)
twenty-one、fifty-five、ninety-nine
 ・分数や単位をアルファベット表記する場合
two-thirds(3分の2の分数)、
a 20-centimeter ruler(20cm 定規)
 ・有機化合物で、アルキル基名に置換位置番号をつける
<2-butanol(2-ブタノール)、
4,4'-oxydiphenol(4,4'-オキシジフェノール)
 ・地名や人名をつなげる時
Bosnia-Herzegovina(ボスニアヘルツェゴビナ)、
André-Marie Ampère(アンドレ=マリ・アンペール)
André-Marieで性名の名にあたります。ここでハイフンの部分を日本語で文字表記する場合に、ダブルハイフンという記号(=)が用いられます。ダブルハイフンはイコール(=:等号記号)に似ていて全角の等号記号で代用されますが、半角や全角の等号記号とダブルハイフンは別物です。

複合語でハイフンをつけてはいけない場合

① -lyで終わる副詞「副詞+形容詞+名詞」
 environmentally friendly technology 環境に優しい技術   
 environmentally-friendly technology

 a badly written report 下手なレポート   
  badly-written paper

 a quickly moving insect 早く動く虫   
 a quickly-moving insect
② 名詞が形容詞の前ではなく後にくるとき
little-known facts
   the facts are little known 事実はほとんど知られていない
a well-respected politician
   a politician that is well respected とても尊敬されている
the chocolate-covered raisins
   the raisins are chocolate covered レーズンはチョコレートでくるんでいる
family-owned business
   business is family owned ビジネスは家族経営である
  ハイフンを付けると言葉の意味が異なる
re-charge(再請求する)//recharge(再充電する, 再攻撃する)
pre-sent(事前に発送した)//pre-sent(現在)
③ 固有名詞
 the United States
 the United-States

 the United Kingdom of Great Britain and Northern Ireland
 the United-Kingdom of Great-Britain and Northern-Ireland
④ 化学用語
 carbon dioxide emissions二酸化炭素排出
 carbon-dioxide emissions

 cesium chloride structure塩化セシウム構造
 cesium-chloride structure