地盤力学研究室では,構造物の基礎となる地盤材料の強度・変形特性の解明とその安定性を評価する方法の提案を目指しています。特に建設現場で発生する地盤材料の再利用や鉄道に用いられているバラスト材の力学挙動の解明,及びジオテキスタイルフィルターの性能評価,構造物支持地盤の堆積構造異方性と側方変形挙動,地震動や降雨による斜面崩壊,海岸侵食による斜面崩壊に関する研究を行っています。
主なテーマは以下のようになっています。
研究内容
種々の載荷及び地盤条件下にある構造物-地盤系の力学挙動に関する研究
構造物支持地盤の強度・変形挙動は,外力の作用条件や地盤の堆積条件によって変化します.しかしながら,それらの影響因子が複雑に絡み合うため,強度・変形挙動を正確に把握することは非常に難しいといわれています. 本研究では,波浪場にある構造物のように,鉛直力,水平力,正弦波荷重が加わるような支持地盤に着目し,構造物-地盤系の安定性評価法の確立を目指しています.特に,地盤の堆積構造の違いや載荷方法の違いによって地盤の強度・側方流動変形特性がどのように変化するのかを模型実験により明らかにしています.また,得られた結果より,側壁及び矢板による合理的な地盤破壊防止法の提案を行っています.
降雨による火山灰質土斜面の崩壊現象に関する研究
北海道は,国内の他地域に比べ,降雨履歴が少ないため,本州地域で見られる激しい雨や融雪期における多量の融雪水によって斜面災害が生じやすい自然環境にあるといわれています.本研究では,北海道特有の斜面崩壊現象に及ぼす降雨履歴の影響を調べることを目的として,一連の斜面崩壊模型実験を実施し,火山灰質土斜面の崩壊に関する基礎資料を収集しています.
降雨による火山灰質土斜面の崩壊現象に関する研究
全海岸域の80%を占めると言われている海岸崖の侵食及びそれに起因する被害が世界的にも数多く報告されています.特に,英国やアメリカ,カナダに分布するSoft cliffでは,海岸侵食によりslumpingやlandslipが生じており,重要課題として取り沙汰されています.本研究では,主に地盤工学の視点に基づいてSoft cliffの侵食に起因する斜面崩壊の可能性を検討しています.