当研究室について

研究室概要

 「知能電機システム研究室」では、発電機やモータなどの電気機器の高度化に関する研究を行っています。これらの研究では、所望の性能を持つ機器設計を導くため、コンピュータ上で性能を評価する数値シミュレーション技術や、自動的に設計を導出するための最適化技術やAI技術を駆使します。今後、企業での設計ではこのような自動設計技術が普及していくと考えられ、電機メーカへの就職を希望する学生は就職活動の際にアピールできるでしょう。
 また、本研究室名に「知能」と付くように、自動設計に限らず、AI(機械学習)技術を電気分野に応用するための研究を行っています。例えば、機器設計をみただけで特性を予測するAI、シミュレーション結果を自動で導くAIや、機器の状態異常を検知するAI、などです。人口減少が進む現在、AIを用いたスマート化は重要な技術ですので、AI関係の技術を修得すれば、今後広く応用できるでしょう。
 さらに、シミュレーションだけでなく、当研究室では、自然エネルギーや身近な微小エネルギー源から電力を回収する「エナジーハーベスト」に関する研究も行っています。例えば、車が橋を通った際の振動から電力を得たり、海の波から発電する波力発電機器などの、エネルギー機器に関する開発を進めています。このテーマでは、発電機の特性を計算するシミュレーション技術のほか、実際に発電機を作って動作実験も行いますので、ハードの知識も身につけることが出来ます。ソフトを駆使して設計を行い、自ら設計した機器の試験検証をする作業は、大変ですが非常に面白くて貴重な体験です。
 ぜひ一緒に研究を行い、電気工学・AIの新しい技術を創って世界に貢献して行きましょう!

研究室の基本方針

 研究室の生活は基本的に自由です。コアタイムなどは設けていません。研究ゼミを週1で開催します。そこで研究進捗を報告してもらうので、毎週報告できるように研究を進める必要は当然ありますが、それが出来れば各自のスタイルに任せます。しかし、「自由」だといっても何もせずに研究が進むことはありません。onとoffの切り替えを適切に管理して研究していきましょう。せっかくの大学/大学院での研究生活、ぜひ精力的に取り組んで、自らで道を切り開いていく感覚を身につけていってください。

 研究ではシミュレーションをベースに進めていきます。配属後はシミュレーションソフトを開発するためのプログラミングを1から学習してもらいます。当研究室で利用する言語はC++とPythonです(AIの研究テーマを担当する場合は特にPythonが重要です)。研究テーマによっては、市販のソフトウェアを利用する場合もあり、ソフトを使いこなすために基礎理論の勉強やマニュアルを熟読していきます。電磁界解析ソフトウェアや、システム解析用のMatlab-Simulinkなどを使います。エナジーハーベスタの研究では、シミュレーションを駆使して設計したデバイスを試作して実験も行います。デバイスを作るためのCADソフトウェアの利用法や、試験装置の使い方も学ぶ必要があります。
 このように、本研究室では、プログラミング技術やソフトウェア(CAD/CAM/CAE)技術、ハードウェアの技術などを広く駆使して研究を進めていきます。自身の努力次第ですが、研究を進めていけば色々な知識を修得でき、成長を実感できるでしょう。

[当研究室で学ぶことが(直接的に)役立つ就職先]

・電機メーカ(CADソフト、電気機器シミュレーション技術)

・自動車メーカ(電気自動車用システム)

・ソフトウェア会社(プログラミング、AI)