機械システム工学コースでは,3年生後期から機械科学トラックとロボティクストラックの2つのトラックを設け,それぞれ特徴のある教育を展開しています.トラック別の授業科目としては,セミナー,演習,設計法があります.特に設計法は与えられた設計課題を満足する機械システムの設計,製作を行い,最後に競技会を実施するPBL(プロジェクト・ベースド・ラーニング)授業です.これにより,プロジェクト遂行能力,設計力,創造性,コミュニケーション能力,プレゼンテーション能力の向上を目指します.
学生は3年生後期にどちらかのトラックに分属されます.4年生の卒業研究では,分属先のトラックの中で研究室配属されます.
機械科学セミナー | 多読による英文読解能力の養成を行います. |
機械科学演習 | 汎用性の高いBASIC言語の文法を学び,それを使用したプログラミングの演習を行います. |
機械科学設計法 | 出前機搭載バギー車の設計・製作をグループプロジェクトとして実施します. |
上図は,機械科学設計法で製作されたバギー車です.
凹凸のあるコースをピンポン球を落とさないようにゴールまで走行します.
ロボティクスセミナー | 一足早く研究室に配属し,研究の基礎的な事項や手法,技術英語について学びます. |
ロボティクス演習 | 計測制御でよく用いられるC言語の文法を学び,プログラミングの演習を行います. |
ロボティクス設計法 | ボーリングロボットの設計・製作,およびコンテストをグループで行います. |
上図は,ロボティクス設計法で製作されたロボットです.
ボールを拾ってピンを倒します.
機械科学トラック,ロボティクストラックにそれぞれ次のような研究室があります. 学部4年生や大学院の学生が配属され各テーマごとに研究を行っています.
機械科学トラック | ロボティクストラック |
---|---|
熱エネルギー工学研究室 | システム制御工学研究室 |
流体工学研究室 | 計測システム工学研究室 |
機械力学研究室 | 機械システム設計学研究室 |
材料力学研究室 | 生産加工学研究室 |
機械製作学研究室 | 精密メカトロシステム研究室 |
研究室名 | 熱エネルギー工学 | |
教員 | 清水教授, 鈴木助教 | |
キーワード | 鋳造、金属組織制御、摩擦摩耗,流体シミュレーション,粒子法 | |
研究内容 |
溶けた金属(熱流体)を型に流し込む鋳造を用いた新素材の研究開発を行っています. 主に,湯流れ凝固シミュレーションによる鋳造方案の検討,金属組織や凝固機構の解析, 耐熱耐摩耗性など実用化に向けた評価を行っています. さらには,製品破損の原因究明のため,材料の強度評価やフラクトグラフィーも行っています. |
|
鈴木助教は,熱移動を伴なう流れの数値シミューレション関する研究をしています. 図は流体を沢山の粒子の集りとして考え,静止した流体のかたまりが重力により崩れ,流れていく様子です.
|
|
研究室名 | 流体工学 | |
教員 | 河合教授, 大石助教 | |
キーワード | 熱流体工学,乱流計測,混相流,乱流制御 | |
研究内容 |
河合秀樹教授は,テーラー渦バイオリアクターの研究・開発やバイオ燃料に関する研究をしています. 図は研究成果によって期待できる効果です. |
|
大石義彦助教は,気泡を使った流体摩擦抵抗低減に関する研究をしています. 図は実用化のイメージ,実験図と実験の結果です. |
|
研究室名 | 機械力学 | |
教員 | 松本講師 | |
キーワード | 音響,振動 | |
研究内容 |
松本講師は機械力学分野の振動と音響に関わる現象を研究しています. 特に風により発生する音の発生原因を探ったり,抑制する方法を考えたり, 振動を利用して機械部品などとして使われる複合材料の特性を測る方法を考えています. |
|
研究室名 | 材料力学 | |
教員 | 藤木教授, 佐々木助教 | |
キーワード | 水素ステーション,ベローズ,機能性材料,腐食反応 | |
研究内容 |
藤木教授は,水素ステーション用の耐水素性金属フレキシブルチューブの開発に関する研究をしています. 現在の水素ステーションにはゴム製のホースが使用されていますが耐久性に問題があり, 今後の水素ステーション普及のためにはより長寿命のフレキシブルチューブが必要です. |
|
佐々木大地助教は,腐食反応を用いた機能性材料の作製に関する研究をしています. 図は作製した材料の電子顕微鏡画像です. 鉄からサビが発生する等一般的に腐食の印象は悪いですが,我々はこの自然腐食現象を逆手に取り, 様々な金属を腐食させて混合し,得られる腐食生成物から光触媒や圧電セラミックス等を合成しています. |
|
研究室名 | 機械製作学 | |
教員 | 長船講師 | |
キーワード | 金属加工プロセス | |
研究内容 |
長船康裕講師は,金属を高温で液化して,新材料の合成や加工プロセスの研究をしています. 右の写真は,金属を1,500℃で溶解している様子です. また,レーザーやアークを使った溶融加工も研究しています. |
|
研究室名 | システム制御工学 | |
教員 | 花島教授, 藤平助教 | |
キーワード | ロボティクス,システムインテグレーション,移動ロボット,点検ロボット,ロボットハンド | |
研究内容 |
花島教授は,主に環境調査用の四輪移動ロボットの自律走行制御(上図), 湿原調査用の二重螺旋移動ロボット(右下図),介護予防を目的とした体操支援システム(左下図)に関する研究をしています. 屋外のフィールドや社会で活躍できるロボットを開発・研究しています. |
|
藤平助教は,柔らかいロボットの指の研究やロボットで柔らかい物体を取り扱うための研究をしています. 図のような,人の指のように柔らかい構造と硬い構造を持ったロボットの指を開発し, その性能評価を通し指の多層構造の効果や役割を明らかにしようとしています. |
|
研究室名 | 計測システム | |
教員 | 相津教授, 湯浅准教授, 船水准教授 | |
キーワード | 生体光センシング,医用診断機器,非接触生体計測,光を用いた生体リズムの改善,3D光センシング技術,細胞診断システム | |
研究内容 |
私たちの研究室では,レーザーなどの光を生体に照射し,吸収や散乱などのいろいろな物理現象を 計測・画像解析する医用診断技術の研究をしています. ヒトの身体の血行状態,生体組織の生理活性状態などをカラー画像で表示し, 医用診断に役立つ新技術の開発を企業や他大学,海外の研究者と共同してグローバルに進めています. |
|
湯浅友典准教授は,カメラで撮影した画像から皮膚直下の状態を推定する研究や, ある色と照度の光を目に照射することで, 睡眠障害などの生体リズムの改善を図る装置の開発などの研究をしています. 左の写真は,ロボットアームに取り付けた生体計測装置で, 右側の写真は,商品化された生体リズムの改善を図る装置です. |
|
|
船水准教授は,新しい3D光学顕微鏡に関する研究をしています. 図は3D光学顕微鏡による細胞イメージングの概略です. 顕微鏡で撮影した動画を解析して,流路内を流れる血球の3D分布や軌跡追跡, 個々の血球形状などの情報をリアルタイムかつ3次元的に取得できます. |
|
研究室名 | 機械システム設計学 | |
教員 | 風間教授, 成田准教授 | |
キーワード | フルードパワー,トライボロジー,機械要素,動力伝達 | |
研究内容 |
風間俊治教授は,フルードパワー(油圧・空気圧と呼ばれる,流体の圧力を利用した(建設機械など)機械システム)や トライボロジー(機械や身の回りで重要な,潤滑や摩擦)に関する研究を主に行っています. 図はキャビテーション壊食(液体中の気泡が固体を破壊する現象)の装置と噴流と実験前後の試験片の写真です. |
|
歯車,ベルト,チェーン,トラクションドライブ等の動力伝達要素は, 機械装置の中で運動と力を伝える最重要部品の一つです. それらの性能向上や新しい動力伝達装置の考案などに取り組んでいます. 性能評価用試験機を設計・試作して実験を行ったり,シミュレーションプログラムを 構築して性能の予測をしたりしています. |
|
研究室名 | 生産加工学 | |
教員 | 寺本教授 | |
キーワード | デジタル技術を駆使した高精度部品加工 | |
研究内容 |
寺本教授は,デジタル技術を駆使して,単品でも高精度に部品を加工をするための加工技術に 関する研究をしています.図は実際に加工するまえに, 加工誤差をシミュレーションにより予測した様子です. この予測結果をもとに,高精度な自動加工を実現します.
|
|
研究室名 | 精密メカトロシステム研究室 | |
教員 | 水上教授 | |
キーワード | マイクロメカトロニクス,システムインテグレーション | |
研究内容 |
水上教授は,微小で狭い領域で活躍できるマイクロロボット構成技術や, 広大なフィールドを効率よくセンシングするための通信ネットワークとロボットの 統合化技術に関する研究をしています.図は研究分野のイメージです. |
|