電気・電子・ 通信

Electric/Electronic/Communication

Seeds
キーワード:電磁界シミュレーション、ビーム伝搬法、最適設計、有限要素法
ビーム伝搬法を活用した効率的な光回路要素の最適設計
もの創造系領域
電気電子工学ユニット
いぐち あきと

井口 亜希人助教

Phone:0143-46-5519
Fax:0143-46-5519
快適な通信環境を支える光素子の高速設計

研究の目的

爆発的に増大する通信トラヒックに対応するため、通信システムの基幹である光信号処理システムのアップデートが要求されている。光信号の処理に利用される光回路とその回路要素の性能を予測するには数値シミュレーションが欠かせない。ビーム伝搬法は光の波長に対して千倍以上大きい大規模な回路素子を現実的な時間内で効率的に解析可能な手法である。本研究では、ビーム伝搬法を活用した効率的で自由度の高い最適設計手法の構築を目的としている。

研究の概要

ビーム伝搬法を活用した効率的な設計

光信号の処理に利用される光回路を構成するためには多様な要素の設計が必要になる。光波の伝搬追跡手法であるビーム伝搬法は本質的に近似解析手法であるが、厳密な数値シミュレーション手法では計算コスト上取り扱うことができない問題を効率的に解析することが可能である。本研究では、ビーム伝搬法を活用して、素子形状や材料分布そのものを自動で最適化するソルバ―を開発している。

研究(開発)のアピールポイント

研究の新規性、独自性

従来から光回路の要素回路設計に広く利用されてきたビーム伝搬法を活用して、光線路の材料分布(屈折率分布)の微小変化に対するデバイスの性能変化を計算する手法を新たに開発した。これにより、要素回路の形状、穴の数まで含めた自由度の高い構造最適設計が効率的に実行可能。

研究に関連した特許の出願、登録状況

なし

従来研究(技術)と比べての優位性

近似制約の範囲において、波長に対して非常に大きな回路要素でも、現実的な時間内で効率的に所望の性能を満たす素子形状を探索可能な点。

 

研究(開発)のビジョン・ステージ

適応分野

情報通信分野、生体分野

研究のステージ

基礎研究応用段階

製品化、事業化のイメージ

光通信用受動デバイス、屈折率センサ、波長カプラ
ビーム伝搬法により設計した試作光回路

企業等へのご提案・メッセージ

研究(開発)に関連して、あるいはそれ以外に関われる業務

ビーム伝搬法や有限要素法を活用した光波伝搬解析、有限要素法に基づく固有伝搬モード解析、電磁波伝搬シミュレーションに基づく電磁波・光回路要素の理論面からの設計や自動最適設計

利用可能な設備、装置など

 

教員からのメッセージ

光信号の処理に利用される光回路は、レンズ等を使用した大きな光学系をワンチップに集積できるポテンシャルがあることから、通信用途以外にも、生体センサ等の様々な分野への応用が期待されています。電磁波・光回路要素の設計に関して、主に数値的・理論的な側面で社会に貢献したいと考えております。
ページトップ