高圧電子物性研究室

研究概要

当研究室では, 熱電変換・超伝導・半導体分野において, 電子が関わる物質が圧力-温度変化ででどのようにふるまうか研究を行っています.
近年は長距離秩序に特徴的なRTSi(R=希土類, T=遷移金属)の圧力下の物性やX線測定をおこなっています.

マルチフェロイック

マルチフェロイック物質とは, 強磁性, 強誘電性, 強弾性のうち2つ以上の性質を有する系のことを指し, 近年では強磁性強誘電性の両方の性質を有する物質に関しての研究が盛んになっています. 通常, 磁性は磁気, 誘電性は電気によって制御していますが, マルチフェロイック物質は, 電場による磁化の制御や, 磁場による電気的性質の制御を行うことが可能です. この物質を用いた記録素子が実現すれば, 磁気記録, 電気記録を同時に行うことが可能となるため, 記録素子の大容量化などが期待されています.

超伝導電線

ある温度以下で電気抵抗が突如ゼロになる現象を超伝導現象といい, 多くの単体金属や合金でも確認されてきました. この現象を活用したものを超伝導線材といい, 送配電分野では電力損失大幅な低減が期待されています. 特に, ビスマス系高温超伝導体Bi2Sr2Ca2Cu3O10+λの発見以来, 物質改善の研究開発が行われていますが, 現時点では数kmが限界であり, 将来的な実用化には10 km以上が必須条件となっています. そこで高圧電子物性研究室では, 本学の金沢先生の研究室と共同してビスマス系超伝導線を使用して, 接合法とその評価を行っています.
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