Information/Sensibility
「手書き文字入力」はアプリケーション開発者が手軽に利用できる「文字認識エンジン」が普及しているので比較的簡単に実現できる。しかし、「手書き図形入力」となると、途方に暮れるのが現状である。私たちは15年以上の基礎研究を積み重ねて、汎用的に利用できる「手書き図形認識エンジン:FSCI」を開発してきており、これが手書き図形入力の真の実用化のためのブレークスルーとなると考えている。
「文字」は「形」で区別できるように人がデザインしたものであるから、「形」の類似性で認識できる。だが、「図形」はその例ではない。たとえば、「楕円弧」といっても実に多様な「形」の楕円弧がある。私たちは、曲線の「形」の幾何学性質を解析しつつ、さらに描写スピードなど「動作」の特徴を捉えることで手書きの曖昧さからユーザーの意図を読み取る、全くユニークな図形認識エンジンFSCIを実現している。
手書き曲線の曖昧さの程度をユーザーの意図表現として積極的に活用するファジィ理論に基づいた幾何線認識法。
従来の手書き図形認識システムは作図アプリケーションと一体で開発されていて、他への転用が困難だったが、FSCIは図形認識エンジンとして独立しているので既存の作図アプリケーションとのリンクが可能。また、FSCIは2次元でも3次元でも動作するアルゴリズムなのでスマートフォンからバーチャルリアリティシステムまで幅広いプラットフォームで利用可能。
オンライン手書き図形認識のコア・アルゴリズムに関する技術提供、実用作図ソフト開発企業との連携で「図形認識」と「図形処理」の専門家による「実用性の高い手書き作図システム」を実現、3次元CG分野。