Environment/Energy
日本のエネルギーの約50%を占める石油系燃料には硫黄化合物が含まれ、燃焼させると酸性雨の原因となる硫黄酸化物(SOx)が排出され、自動車の排ガス浄化触媒の性能低下の原因にもなる。硫黄分はCoMo系触媒を用いた石油精製プロセスで除去されているが、不完全である。さらなる硫黄分の低減の為、新しい高性能触媒の開発し環境負荷の低減を図る。
石油中の硫黄化合物の除去のため、リン化および硫化した貴金属を用いた高性能な水素化精製触媒の開発を行っている。石油中には窒素化合物も含まれており、これが硫黄分の除去を阻害する。 そのため脱硫性能の評価に加えて脱窒素性能の評価も行っており、これらの結果から開発した水素化精製触媒の性能評価をしている。水素化精製触媒として開発した貴金属リン化物や硫化物を他の反応に用いた場合の触媒特性についても検討している。
貴金属リン化物触媒の調整と水素化精製プロセスに用いた場合の特性の研究。
貴金属を使用した触媒にリン化および硫化処理をすると高い脱硫性能を有する。
工業的に水素化精製プロセスに使用されているCoMo系触媒よりも高性能である。
環境触媒の開発と性能評価、硫黄が関連する反応、次世代エネルギーとしての水素の製造、
貴金属系触媒による環境汚染物質の浄化など。