材料

Material

Seeds
キーワード:新物質開拓、極低温物性、希土類カルコゲナイド、巨大物性応答
新奇物性を発現する希土類化合物の探索
しくみ解明系領域
物理物質科学ユニット
えびす しゅうじ

戎 修二教授

Phone:0143-46-5620
Fax:0143-46-5620
希土類元素の潜在能力を引き出す

研究の目的

超電導や巨大磁気抵抗などのように物性が外部刺激に対して劇的に変化する物質を試料合成・極低温物性測定を通して探索し、産業界で利用し得る材料開発を行う。

巨大物性応答の活用による産業シーズ創出

研究の概要

デバイス化に有望な物質探索

結晶構造から設計した物質の試料合成・単結晶育成を試行し、様々な極低温物性を測定する。物質の秘めたポテンシャルを見つけやすい極低温下でデバイス化に有望な物質を探索し、さらなる物質設計によりデバイスとして活用するための物性発現温度等の最適化を図っていく。中でも、新奇な物性の発現が期待される希土類化合物に注力して物質探索をしている。希土類元素の周辺環境を最適化することで、潜在能力を引き出し、有望な材料を開発する。

研究(開発)のアピールポイント

研究の新規性、独自性

希土類二元化合物において発見した狭い温度範囲における電気抵抗の急増・急減現象は他に類を見ないほどの急峻さで起こる。他にもこの化合物群で発見した物性応答には特異なものがあり、デバイス材料への展開が期待される。

研究に関連した特許の出願、登録状況

なし

従来研究(技術)と比べての優位性

希土類元素を含む単純組成化合物において、物性研究が十分とはいえない低対称性結晶にはまだ見ぬ新奇物性が潜んでいる可能性がある。低対称結晶の巨大物性応答は、物性の異方性までも含めて利用し得る。希土類化合物における希土類元素、相手元素、組成、結晶構造、添加元素の無数の組み合わせによる物性制御は、デバイスへの応用に有望な材料を生み出し得る。

研究(開発)のビジョン・ステージ

適応分野

極低温での物性研究において利用し得る温度や磁場・対象物の姿勢の検出、温度や磁場で物性を制御し得るデバイス、重希土類元素の磁気相転移に伴う大きな比熱変化を利用した蓄冷や磁気冷凍。

研究のステージ

基礎研究応用段階

製品化、事業化のイメージ

磁気・温度・姿勢センサー/スイッチ、磁場・温度制御素子、蓄冷材料・磁気冷凍材料。

企業等へのご提案・メッセージ

研究(開発)に関連して、あるいはそれ以外に関われる業務

極低温での磁化・電気抵抗・比熱測定、試料合成・単結晶育成の基礎実験。

利用可能な設備、装置など

教員からのメッセージ

希土類元素に関しては調達難等の問題から、脱希土類化の動きにあり、代替材料へ転換する技術の開発も進んでいます。一方で、希土類元素をバランスよく使用することの重要性も説かれています。希土類元素の構造に起因して希土類元素だからこそ発現し得る物性もあります。希土類元を利用することによる負の要素を補って余りあるだけの効果を、エネルギーや環境面において発揮し得る有益な電子デバイスにつながる材料が開発できれば嬉しい限りです。
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