Material
超電導や巨大磁気抵抗などのように物性が外部刺激に対して劇的に変化する物質を試料合成・極低温物性測定を通して探索し、産業界で利用し得る材料開発を行う。
結晶構造から設計した物質の試料合成・単結晶育成を試行し、様々な極低温物性を測定する。物質の秘めたポテンシャルを見つけやすい極低温下でデバイス化に有望な物質を探索し、さらなる物質設計によりデバイスとして活用するための物性発現温度等の最適化を図っていく。中でも、新奇な物性の発現が期待される希土類化合物に注力して物質探索をしている。希土類元素の周辺環境を最適化することで、潜在能力を引き出し、有望な材料を開発する。
希土類二元化合物において発見した狭い温度範囲における電気抵抗の急増・急減現象は他に類を見ないほどの急峻さで起こる。他にもこの化合物群で発見した物性応答には特異なものがあり、デバイス材料への展開が期待される。
希土類元素を含む単純組成化合物において、物性研究が十分とはいえない低対称性結晶にはまだ見ぬ新奇物性が潜んでいる可能性がある。低対称結晶の巨大物性応答は、物性の異方性までも含めて利用し得る。希土類化合物における希土類元素、相手元素、組成、結晶構造、添加元素の無数の組み合わせによる物性制御は、デバイスへの応用に有望な材料を生み出し得る。
極低温での磁化・電気抵抗・比熱測定、試料合成・単結晶育成の基礎実験。