Construction/Infrastructure
我が国では、地球温暖化などに起因する異常気象によって、竜巻、土石流あるいは落石などの多くの災害が毎年頻発しています。これに伴い、過大な偶発(衝撃)荷重によって社会基盤施設の損傷、交通網の寸断、最悪の場合には国民の命が失われる事例が生じています。本研究では、既設構造物の効率的かつ合理的な補修・補強対策として、高強度で軽量かつ人力施行が可能なFRP材の接着工法に着目し、最終的に適切な耐衝撃設計法の確立を目指しています。
本研究ではFRPシートを用いて補強した鉄筋コンクリート梁を対象に、重錘落下衝撃荷重載荷実験を実施します。また、数多くの計測機器を用いて、その耐衝撃挙動を解明するとともに、3次元弾塑性衝撃応答解析を実施し、精度の高い数値解析手法についても検討しています。実験的・数値解析的にFRP材料を用いて補強した構造部材の耐衝撃性能を評価します。
FRP材料は橋梁やトンネルなどの社会基盤施設の補強方法としては既に広く使用されています。しかしながら、「耐衝撃性向上法」としての補強については、まだまだ未検討な部分が多いのが現状です。本研究では、より高度で専門的な技術や知識を駆使し実験や解析を行い、FRP材料を用いて補強した構造物に関する耐衝撃挙動を検討しています。
FRP 材料は軽量であることより死荷重が増加しない、耐食性に優れている、人力による施工も可能(特別な重機を必要としない)などのメリットがあります。
三次元弾塑性衝撃応答解析を用いた社会基盤施設の耐衝撃挙動の検討、新規工法の開発や施工の安全性評価など
デジダルレコーダ、レーザー式変位計、加速度計、各種汎用解析コード(LS-DYNA, ABAQUS)