情報・感性

Information/Sensibility

Seeds
キーワード:音声/聴覚情報処理,知覚情報処理, 人間情報学,主観評価,客観評価,官能評価,ユーザセンタードデザイン
工業製品/情報システムの主観/官能評価とそのモデル化
しくみ解明系領域
システム情報学ユニット
こばやし ようすけ

小林 洋介准教授

製品/システムのユーザ評価とその自動化

研究の目的

製造者がどんなに良いと考えて開発した製品/システムであっても,ユーザに受け入れられなければ売れません。一方で,ユーザが真に欲しい製品/システムが開発できるとも限りません。このように,製造者とユーザの双方を満足させることは難しく,なかなかwin-winの関係が作れません。
それでは,どんな対策をすれば良いのでしょうか?私の研究は実利用環境に製品を設置し,ユーザの利用に即した主観(官能)評価を行うことで,真の製品評価を行うとともに,その結果の客観評価(コンピュータ内での計算評価)を設計します。この手法は私が専門とする聴覚だけでなく他の感覚(視覚・触覚・嗅覚・味覚)でも共通するアプローチです。

研究の概要

聴き取りやすさの計測と制御

屋外でのスピーカーの聴こえやすさを改善するために,実際に設置したスピーカーから放送した音声を録音し,防音ブースで多数が参加した聴取実験を行いました。その結果,製品と伝送距離別に聴こえについて定量化でき,新製品が旧製品よりどの程度優れているかを明らかにするとともにその客観評価として計算可能な統計モデルを設計しました。ダミーヘッドを利用すれば,単にマイクロホンを利用するよりも人間の聴取を高度に再現可能です。

研究(開発)のアピールポイント

研究の新規性、独自性

どんな製品やシステムもユーザがいるのであればユーザビリティの主観評価が可能です。まずは,「製品/システムを誰がどのように使うか?」をきちんとモデル化します。そしてその評価を自動化できるメソッドを考えます。例えば機器の正常状態が安定して定義できるならそれと異なる異常の検出といった応用も可能です。

研究に関連した特許の出願、登録状況

配管監視装置、配管監視方法、及びプログラム(特開2022-143651) 他2件

従来研究(技術)と比べての優位性

従来は国際標準になるような⼤規模な実験でしか実現できなかった客観評価モデルの自社製品データからの構築など,製品評価の自動化に貢献します。

研究(開発)のビジョン・ステージ

適応分野

これまでの研究成果を利用するのではなく,これまでの研究メソッドを共同研究に転用することを考えています。このためこれまでの研究成果にとらわれることなく研究を進めることができます。

研究のステージ

基礎研究応用段階

製品化、事業化のイメージ

より実践的な製品評価技術であるので,既存製品も含め製品付加価値向上に寄与したいと考えています。

企業等へのご提案・メッセージ

研究(開発)に関連して、あるいはそれ以外に関われる業務

どんな製品も作る側は専門家の玄人です。素人のユーザが何を評価するかは,多くの場合で玄人には理解し難いことが含まれます。このギャップを埋めるのがユーザセンタードデザインです。貴社の製品開発に新しい目線を追加することに関われれば幸いです。

利用可能な設備、装置など

防音ブース(簡易スタジオ),ダミーヘッド,バイノーラルマイク,騒音計

      

教員からのメッセージ

これまでは音声/聴覚のモデル化研究を中心に画像/視覚のモデル化にも関わりました。今後は人間の五感全てに関わりたいと考えています。人間が関わる製品/システムの評価に関することであればお気軽にご相談ください。
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