電気・電子・ 通信

Electric/Electronic/Communication

Seeds
キーワード:赤外吸収分光法、非線形光学顕微鏡、先端計測
革新的な計測・解析システムの創出
もの創造系領域
電気電子工学ユニット
ちょう えつ

趙 越准教授

Phone:0143-46-5676
Fax:0143-46-5676
超高感度の赤外吸収分光法の開発・応用

研究の目的

赤外吸収分光計測は測定対象にどのような成分(分子)が含まれるかを同定することができるため、幅広い分野で威力を発揮しています。当研究室は、赤外帯域の量子もつれ光の性質を利用して、これまでにない高感度の赤外吸収分光手法の開発および応用展開を実現することを目的とします。

左図は赤外吸収分光計測の一例です。可視光では区別できない5種類の試薬を赤外分光計測により、赤外吸収スペクトルの違いから同定・区別できました。(左図はY. Zhao, et al., Nat.Commun. 14, 3929 (2023)より引用し、一部改変)

研究の概要

超高感度の赤外吸収分光計測

当研究室は、分子の微弱な振動を捉えるため、量子もつれ光と分子が相互作用する革新的な手法を開発しています。これにより、分子振動の成分を高感度かつ高分解能で計測することが可能となります。赤外吸収分光法によって分子の振動スペクトルを特定し、ハイパースペクトルイメージングを通じて、複雑な分子の相互作用や化学的なプロセスを可視化できます。この革新的なアプローチは、材料科学から生命科学まで幅広い分野に適用され、分子レベルの理解と新たな発見を促進することが期待できます。

研究(開発)のアピールポイント

研究の新規性、独自性

量子もつれ光と分子振動の相互作用に基づく手法を高感度な赤外吸収計測技術に統合することは、革新的なアプローチです。

研究に関連した特許の出願、登録状況

従来研究(技術)と比べての優位性

量子もつれ光を利用することで、非常に微弱な分子振動を高感度で検出できます。これにより、低濃度のサンプルや微小な変化を検出する能力が向上することによって従来の手法の検出限界を克服します。

研究(開発)のビジョン・ステージ

適応分野

環境分野、医療分野、食品分野、計測分析

研究のステージ

基礎研究応用段階

製品化、事業化のイメージ

ガスセンサー、環境微粒子の計測・分析、腫瘍組織の画像診断

企業等へのご提案・メッセージ

研究(開発)に関連して、あるいはそれ以外に関われる業務

・バイオマテリア(蜘蛛の糸、蜘蛛の巣における粘性物質など)の成分・構造の分析および機能するメカニズムの解析
・マイクロプラスチックの検出・分析手法の開発

利用可能な設備、装置など

ナノ秒パルスレーザー、分光システム、非線形光学顕微鏡

教員からのメッセージ

当研究室は、光工学を中心に非線形光学、分光学、そして量子光学における基礎研究と応用研究を展開しています。光の特性を活かし、新たな分析装置の開発を通じて、革新的な計測・解析システムの創出を目指しています。
ページトップ