Construction/Infrastructure
建設作業現場での熱中症対策として,2016年頃からファン付き作業服が着用されるようになった。その後,急速に普及してきたが,暑熱環境における人体の生理心理反応にどのように影響を及ぼすのかは明らかにはなっていない。そこで,暑熱環境にてファン付き作業服を着用させた建設作業員に作業させ,ファン付き作業服着用の有無が快適性の向上や皮膚温の低下などに影響を及ぼすか評価するために,人工気候室や実際の建設現場にて実験を行った。
型枠大工や鉄筋工を対象とし,34℃,50%に設定された人工気候室での型枠組立や配筋等の模擬作業や建設現場での実測の結果,以下の結果が得られている。
ファン付き作業服を着用した方が,
・背部や腹部の皮膚温は低下し,快適である。
・汗の蒸発量に差は見られなかったが,シャツに残った汗の量は少ない。
・飲水量は変わらないが発汗量の増加が抑制されるので脱水量も低減した。
建設現場でのファン付き作業服の着用は,脱水量の低減に効果があるため,作業中の飲水量を増やす工夫を行えばより効果的な熱中症対策になる。
これまで評価されていなかったファン付き作業服の人体への影響を評価した。汗の蒸発量を増やすイメージがあったが,蒸発量は変わらず発汗量が減ることで脱水の低減につながることが示された。
サーマルマネキンや学生被験者の実験が多いが,実際の建設作業員を被験者としたところに優位性がある。
建設現場だけでなく製造現場での温熱環境評価の研究経験もあります。環境測定のみならず,その環境にいる人体の生理反応(皮膚温や心拍数など)や心理反応(暑さ感,快適感など)を測定したい場合はご相談下さい。
人工気候室:暑熱・寒冷環境の各種対策が有効か否か被験者実験を行うことができます。
温熱環境計測器:気温,湿度,風速,熱放射を測定する機器があります。
生理量計測器:皮膚温や深部体温,心拍数,体重等を計測する機器があります。
空気質関連:炭酸ガスを用いた換気量の計測が可能です。