Biotechnology
アルツハイマー病をはじめとする神経変性疾患にはアミロイドペプチドの異常凝集と蓄積が関与している。 新規量子ドットナノプローブによるアミロイド凝集阻害物質の微量スクリーニングシステムを用いて、神経変性疾患の予防・治療薬となりうるアミロイド凝集阻害成分を網羅的にスクリーニングする。
アミロイドの凝集を蛍光顕微鏡下で直接可視化できる量子ドットナノプローブを開発し、それを用いた凝集阻害物質のスクリーニング法を提案。 この手法は、凝集初期のオリゴマー形成から線維形成に至る全ての凝集過程を継時的に可視化でき阻害の様子を定量化できる。 また、顕微鏡観察に必要な数μLの容量で観察が可能なことから、試料が微少量でも阻害効果を検証できる。新規量子ドットナノプローブを用いてポリフェノールをはじめとする植物由来成分に注目し、高いアミロイド凝集阻害活性を持つ成分を網羅的に探索する。
アミロイド凝集阻害活性を持つ物質の構造は多彩で凝集阻害メカニズムも多様であることから新規阻害物質を発見するためには量子ドットナノプローブを用いた網羅的スクリーニング法が有用である。
量子ドットは抽出用溶媒の組成に関係なく阻害実験に用いることが可能であり、固定化や染色等が不要で大量のサンプルを同時に処理することが可能。 また数μLの微量でも試験が可能なため低コストで評価できる。
たんぱく質の自己集合、溶融スラグの生物学的有効利用分野など。