Information/Sensibility
安全安心、省エネ快適な交通社会には、高度道路交通システム(ITS)の構築が課題とされている。 現在実現されているITSとしては、カーナビやETCがあるが、近年注目の車両ネットワークでは、車両に無線装置やセンサを搭載することで、車両による周辺観測や車両間・車両路側機間通信によるデータ共有を実現する。 また、電気自動車の蓄電機能と可動性を利用したスマートグリッドシステムを構築することにより、総電力量の削減と電力需要のピークシフトも期待できる。 これらの車両ネットワーク・スマートグリッドシステムを有する次世代ITS構築の実現を目指す。
車両ネットワークでは、道路上に設置される路側機から情報をダウンロードしたり、バケ ツリレーのように車両間でデータを送受信したりできる。 しかし、これらの通信は車両 の高可動性から非常に不安定であり、安定した通信制御技術の開発が必要である。 一方、今後は電気自動車の利用が予想され、その蓄電池は移動電源としての価値が増々高まるとみられる。 そこで、コミュニティ間の電気転送最適化などの問題を解決し、電気自動車を利用したスマートグリッドシステムの実現を図る。
上海交通大学との研究協力で貴重な実データを解析することにより車両ネットワークに特化したデータ転送アルゴリズムの創出及びスマートグリッドシステムの最適化問題を解決する日本国内でも数少ない例である。
実データを用いることによって、提案アルゴリズムを実機実験と同じような条件で検証できる。
データ解析、通信アルゴリズム設計。