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近年、孤立した1つのナノグラファイトの電子状態の理解は急速に進んだが、そのナノグラファイトがネットワークを組んだナノグラファイトネットワークの電子状態の研究はあまり進んでいない。しかし、グラフェンを用いた次世代半導体素子の開発にはナノグラファイトネットワークの電子状態に関する知見が必要である。このナノグラファイトネットワークの電子状態を電子輸送現象の観点から明らかにする
電子輸送現象、比熱、磁化の測定からナノグラファイトネットワークの電子状態の研究を行い、伝導キャリアとナノグラファイトに特有なπ電子エッジ状態との相互作用を明らかにする。また、このエッジ状態はフェルミ準位に存在するため外来分子と大きな相互作用を持つ。この特性を利用し、気体吸着センサー等への応用も目指す。
『巨大分子』とも『微小なグラファイト』とも見なせるナノグラファイトにおいて、分子にもグラファイトにも現れない『π電子エッジ状態による磁性』を世界で初めて実験的に見出したこと。
『炭素材料』という観点からの研究が多かった物質に対して、物理学、特に『乱れの物理』や『ナノサイズ効果』という観点から電子物性を評価・解釈している点。
試料の電気物性の測定、測定装置の開発、測定結果の解釈、その他低温物理学に関わる実験的な研究・相談。