センターの体制
センターの設立について
航空科学技術は,高い性能と信頼性を追求し,広範な科学技術分野を統合する高度なシステム技術であり,幅広い科学技術の波及効果を生み出す頂点に立つ技術分野の一つであるため,先進各国では航空科学技術を国の戦略分野の一つと位置づけ,未来に向けた科学技術の発展と人材育成の土壌としています.中でも,大気を利用して高速・高々度まで飛行する輸送システムは,地上間輸送及び地球軌道への往還輸送の両方に利用でき,極めて戦略的な基幹システム技術であります.これにより,輸送システムに革新をもたらし,地上及び宇宙における人類の活動が飛躍的に拡大する可能性があります.室蘭工業大学航空宇宙機システム研究センターは2005年3月22日付けで設置され,これらの観点から,同センターの目的は以下の4点に設定されました.
- (1) 大気中を高速・高々度まで飛行するための基盤技術を研究開発し,地上間輸送及び地球軌道への往還輸送システムの革新に資する.
- (2) 具体的な「システム開発研究」を全学横断的な研究体制で実施し,学内の多分野の基礎研究を有機的に連携・融合し,研究者の視野を広げることにより,新産業を創出するための新たな研究分野を開拓する.また,地域産業界と連携することによって,研究成課を直接的に社会に還元することを指向した「ものづくり研究」を促進する.
- (3) 具体的な「ものづくり研究」を実施することによって,大学院生には,研究に対するモチべーションを高め,自発的な研究を促す教育環境を提供する.学部学生には,勉学や将来に対する指針を与え,より高度な研究教育を志向する動機を与える.大学院における研究及び学部の卒業研究を地域企業や学外研究機関で実施することによって,実社会に対応できる人材を育成する.
- (4) 地域産業界に航空宇宙機に関する「高度なシステム技術開発」の機会を提供し,異業種交流,技術移転の促進や新事業の創出及び育成を図る.小規模でも高度なシステムの実用化を目指し,例えば,実用に供せる小型の無人飛行機を研究開発する.