導波路突き合わせ接続の解析法(伝搬演算子法)

目的

異なる導波路が突き合わせ接続された境界における光の透過・反射を解析する.

概要

下図左に示すように,異種の光導波路が突き合わせ接続された場合を考える. このとき,左側から導波路に光が入射すると,下図右に示すように導波路境界面を通って透過する波と境界面で反射する波が生じ, さらにそれらは導波路のモードとして伝送する成分と導波路から外向きに放射していく成分を含む. 実際の光回路の設計においては,こうした異なる導波路が接続されたときの透過率・反射率を知ることが重要である.
fe-bpm    fe-bpm
それぞれの光導波路中の光波の伝搬を伝搬定数演算子[Q]を用いて

fe-bpm

と近似すると,境界条件から反射波は以下のように算出される.

fe-bpm

ここに [Z_i]はインピーダンス演算子もしくはアドミタンス演算子と考えられる.
この解析では,3次元構造の解析を行う必要ははなく,断面2次元の解析のみで透過・反射を計算できるため計算の効率化が図れる.

数値計算例

自由空間への光の放射

誘電体導波路から自由空間に光が放射する界面における光の反射と透過の解析結果を以下に示す. 下図右はTE基本モードが入射したときの境界面での電界振幅を入射波,透過波,反射波を表している. 図中に挿入されている動画は有限要素法(FEM)解析により求まる電界であり,この境界面での振幅を比較のため図中ににより示している. 両者の結果が良く一致していることがわかる.

fe-bpm fe-bpm fe-bpm


他の計算例はこちら.