日時

令和5年3月27日(月)-3月29日(水)

場所

室蘭工業大学 教育・研究2号館(Q棟)4階 数学ゼミナール室(Q402)
住所:室蘭市水元町27-1

講演者&講演要旨

講演者: 高津飛鳥 氏 (東京都立大学)
講演題目:有限集合上の最適輸送問題とBregman divergence 正則化の誤差評価

講演要旨

大雑把にいうと、有限集合上の最適輸送問題は“凸多面体上で線形関数を最小化する” 問題である。 そして最小化因子を近似的に速く求めるアルゴリズムのために、凸関数による正則化を考えることがある。例えば、相対エントロピー(Kullback–Leibler divergence)による正則化は成功を収め、最適輸送理論による応用面が注目を浴びた。本講演では、 Kullback–Leibler divergence のどのような性質が成功の鍵を握っているのかを考察し、Bregman divergence の枠組みでどのように拡張できるかを説明する。本講演は榊原航也氏(岡山理科大)と保國惠一氏(筑波大学)との共同研究に基づく。

講演者:三石史人 氏 (福岡大学)
講演題目:(測度) 距離空間のp ラプラシアンと無限大ラプラシアンの固有値について

講演要旨

1999 年, Juutinen-Lindqvist-Manfredi およびFukagai-Ito-Narukawa は, 独立に, ユークリッド空間のドメインの p ラプラシアンのディリクレ第一固有値の(1/p) 乗は, pを無限大に送ると, ドメインの内接半径の逆数に収束する事を示した. 彼らは更に, 固有関数の収束についても論じており, 極限関数が満たす微分方程式も得ている. 本講演では, 主に二つの内容について話したい. (1) 固有値の極限問題. (2) 固有関数の極限が満たす方程式の問題.
(1) は閉リーマン多様体の場合にGrosjean によって拡張されており, 更にHonda や Ambrosio-Honda によって(リーマン幾何の観点から十分良い) 特異空間に拡張されている. 我々は(特異空間上で) 問題(1) の「第 k 固有値版」について論じたい. ただし, p ラプラシアンの非線形性から, そもそも「第 k 固有値」という概念が存在しない. この様な事情から, 問題を適切に解釈する必要がある. それを適当な幾何学的背景を用いて説明する.
(2) の方程式は「無限大ラプラシアンの主固有値方程式」と呼ばれる. 講演者と沖縄科学技術大学院大学のLiu 氏によって, この方程式の「距離空間」上での定式化を与える事ができた. 講演ではその解説と距離空間上の無限大ラプラシアンの持つ基本性質について論じたい.

プログラム

3月27日(月)

 14:00-15:00 高津氏 -- Overview (兼 室蘭工大数理科学談話会)
 15:15-16:15 三石氏 -- Overview (兼 室蘭工大数理科学談話会)

3月28日(火)

 10:00-11:30 高津氏 -- Part 1
 (昼休み)
 13:00-14:30 三石氏 -- Part 1
 15:00-16:30 高津氏 -- Part 2

3月29日(水)

 10:00-11:30 三石氏 -- Part 2
 (昼休み)
 13:00-14:30 高津氏 -- Part 3
 15:00-16:30 三石氏 -- Part 3


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本研究会は

  室蘭工業大学研究ユニット予算

の援助を受けて開催されます.


世話人
可香谷隆,加藤正和,高橋雅朋,内免大輔
(室蘭工業大学ひと文化系領域数理科学ユニット)

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