授業情報/Course information

開講学期/Course Start 2026年度/Academic Year   後期/Second
開講曜限/Class period 金/Fri 7 , 金/Fri 8
授業区分/Regular or Intensive 週間授業
対象学科/Department 応用理化学系学科応用物理コース/Department of Applied SciencesCourse of Applied Physics,システム理化学科物理物質システムコース/Department of Sciences and InformaticsCourse of Physics and Materials Sciences
対象学年/Year 3年 , 4年
授業科目区分/Category 教育課程 システム理化学科
必修・選択/Mandatory or Elective 必修
授業方法/Lecture or Seminar 講義科目
授業科目名/Course Title 量子力学B/Quantum Mechanics B
単位数/Number of Credits 2
担当教員名/Lecturer 小野 頌太 (システム理化学科物理物質システムコース)
時間割コード/Registration Code J4083
連絡先/Contact 小野 頌太(居室:K702
メール:shotaono@muroran-it.ac.jp
)
オフィスアワー/Office hours 小野 頌太(いつでもどうぞ。)
実務経験/Work experience
更新日/Date of renewal 2026/02/09
授業のねらい
/Learning Objectives
量子力学は、物質を構成する原子や電子に対する力学であり、化学・固体物理学・量子情報科学など広範な分野に応用される。これらの「量子力学的粒子」の運動は、シュレーディンガー方程式により記述され、ニュートン方程式が予測する「古典的粒子」の運動とは全く異なる。本授業では、簡単な系に対するシュレーディンガー方程式を解くことで、量子力学的粒子の性質を理解する。
到達度目標
/Outcomes Measured By:
1. 原子のシュレーディンガー方程式を書くことができる。(知識力)
2. 量子力学と古典力学との対応関係を理解している。(計算力、論理力)
3. 井戸型ポテンシャル中の電子の問題を解くことができる。(理解力)
4. 調和振動子の問題を解くことができる。(計算力)
5. 水素原子の問題を解くことができる。(計算力)
6. 摂動論と変分法の近似計算手法を用いて、量子力学の問題を解くことができる。(計算力)
授業計画
/Course Schedule
総授業時間数:2時限×15回 = 22.5時間

01. ガイダンス、古典力学の復習
02. シュレーディンガー方程式
03. エーレンフェストの定理
04. エルミート演算子
05. 不確定性原理
06. 井戸型ポテンシャル
07. 調和振動子1
08. 調和振動子2
09. 水素原子1
10. 水素原子2
11. 水素原子3
12. 摂動論1
13. 摂動論2
14. 変分法1
15. 変分法2
16. 期末試験

※毎回、自己学習により復習すること。
各回の学習時間の目安は,事前・事後合わせて4時間必要です。
参考書等
/Required Materials
「現代の量子力学(上・下)」J. J. サクライ、吉岡書店(ISBN:9784842703640)
「鏡の中の物理学」朝永振一郎、講談社学術文庫(ISBN:9784061580312)
「量子革命 〜 アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突」マンジット・クマール(青木薫 訳)、新潮文庫(ISBN:9784105064310)
教科書・参考書に関する備考 【教科書に関して】
以下のような条件を課して適切な教科書を探した。

(1) 半期の限られた時間で読み通すことのできる教科書
(2) 量子力学を正確に厳密に説明するよりもむしろ、簡潔に説明する教科書
(3) 物理物質システムコースが物性物理学や物質材料科学に関連した研究室で構成されていることから、物質を構成する原子の電子状態を説明する教科書(最近では、水素原子を省略し、量子情報などに紙数を割くものもある)
(4) 摂動論と変分法を説明する教科書(これらは厳密に解けない問題に対して近似解を求める手法であり、難問に屈せず工夫する力を育むための教育的な項目である)

2024年度は「工科系量子力学」(椎木一夫著、裳華房、2003)を教科書として採用した。
2025年度は、講義ノートを作成して授業を行った。
2026年度は、講義ノートをわかりやすく改訂し授業を行う。

なお、(1-2)の条件を外すと、世界的名著「現代の量子力学(上・下)」(J. J. サクライ、吉岡書店)が文句なしで選ばれるが、これは大学院〜研究者向けの本である。

【参考書に関して】
基礎学力を身につける方法は「読書」をすることです。漫然と講義を聞いて、試験に出るところだけ勉強しているようでは、学力の飛躍的な向上は期待できません。共感して頂けたら、以下の2冊を読んでみてはいかがでしょう。いつでも読めるように、本に書き込みできるように、身銭を切ることも重要です。

・「鏡の中の物理学」
著者の朝永振一郎は、量子力学の基礎的研究により1965年にノーベル物理学賞を受賞した日本を代表する物理学者である。本書に収録される「光子の裁判」は、被告(波乃光子)、検察官、弁護人(物理学者)らが繰り広げる論争を描いたノンフィクションとして、物理を学ぶ人達に長く読まれ続けている。
検察官「その部屋には二つの窓が前庭を向いて並んでいる。被告はそのどちらの窓から侵入したのか?」
被告「私は二つの窓の両方をいっしょに通って室内に入ったのです。」
君はこの謎を解けるか?
本書を読めば、波と粒子の二重性についての理解が深まります。

・「量子革命 〜 アインシュタインとボーア、偉大なる頭脳の激突」
量子論を解説する一般向け書籍は、相対論の解説書と同じくらい数多く出版されている。しかしその多くは、量子の不思議な世界を淡々と説明するだけであり、量子論の教科書のようなものである。一方、本書は「偉大なる頭脳の激突」する様子を映画を見るように味わうことのできる量子論に関する最高の一般書である。文庫本で約700ページと大著であり、量子論の考え方をしっかり学ぶことのできる科学書として、また量子論の発展史を記した歴史書として、そしてタイムマシンに乗って量子論の創始者達の議論に立ち会えるフィクションとして読むことができる。訳者あとがきのタイトル「良質の歴史小説のような物理学史」という表現が本書にはぴったりである。
成績評価方法
/Grading Guidelines
100点満点中60点以上が合格。各到達目標に関して、期末試験によりその達成度を評価する。
履修上の注意
/Notices
・各回の授業は過去の授業内容を踏まえ進行するので、毎回の内容をよく復習すること。
・必要に応じて理解を深めるための演習問題を出題します。
・授業中やオフィスアワーでの質問は大歓迎。
・授業の変更や緊急時の連絡は授業中または掲示板で通知する。
・不合格者は再履修とする。
教員メッセージ
/Message from Lecturer
「教科書・参考書に関する備考」参照
学習・教育目標との対応
/Learning and Educational Policy
学生便覧「学習目標と授業科目との関係表」参照
関連科目
/Related course
「力学B」「振動・波動論」「量子力学A」「統計力学」「固体物理学A, B」「物理数学」「物理数学演習」