開講学期/Course Start | 2024年度/Academic Year 後期/Second |
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開講曜限/Class period | 水/Wed 1 , 水/Wed 2 |
授業区分/Regular or Intensive | 週間授業 |
対象学科/Department | 応用理化学系学科応用物理コース/Department of Applied SciencesCourse of Applied Physics,システム理化学科物理物質システムコース/Department of Sciences and InformaticsCourse of Physics and Materials Sciences |
対象学年/Year | 2年 , 3年 , 4年 |
授業科目区分/Category | 教育課程 システム理化学科 |
必修・選択/Mandatory or Elective | 必修 |
授業方法/Lecture or Seminar | 講義科目 |
授業科目名/Course Title | 力学B(後半8週)/Mechanics B |
単位数/Number of Credits | 1 |
担当教員名/Lecturer | 小野 頌太 (システム理化学科物理物質システムコース) |
時間割コード/Registration Code | J4052 |
連絡先/Contact |
小野 頌太(居室:K702 メール:shotaono@muroran-it.ac.jp ) |
オフィスアワー/Office hours | 小野 頌太(いつでもどうぞ。) |
実務経験/Work experience |
更新日/Date of renewal | 2024/08/06 |
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授業のねらい /Learning Objectives |
力学は物理学における基本であり、量子力学や統計力学の根幹をなす。力学には、ニュートン力学、ラグランジュ力学、ハミルトン力学の3つがあり、特に後者の2つは「解析力学」と呼ばれる。本授業では、ベクトルを多用するニュートン力学とは異なるラグランジュ力学とハミルトン力学を学ぶことで、力学の運動方程式を「解析的に導出する理論」の習得を目指す。 |
到達度目標 /Outcomes Measured By: |
1. ラグランジュ力学とハミルトン力学に基づき、質点の運動方程式を導出することができる。(知識力) 2. 一般化座標の考え方を理解し、質点の運動方程式を導出することができる。(理解力) 3. ラグランジュ力学を用いて、微小振動の問題を解くことができる。(計算力) 4. 変分法を理解し、解析力学の背後にある数学を説明できる。(論理力) |
授業計画 /Course Schedule |
総授業時間数:2時限 × 8回 = 12時間 11/27 直交座標と極座標(第1章) 12/04 ラグランジュ方程式(第2章) 12/11 一般化座標(第3章) 12/18 保存量(第4章) 12/25 微小振動(第8章) 01/15 変分原理(第9章) 01/22 ハミルトンの正準方程式(第10章) 01/29 定期試験 毎回、教科書の該当部分を予習・復習すること。 各回の学習時間の目安は、事前・事後合わせて4時間必要です。 |
教科書 /Required Text |
「解析力学 (講談社基礎物理学シリーズ 5)」伊藤克司、講談社(ISBN:9784061572058) |
参考書等 /Required Materials |
「力学 (増訂第3版) ランダウ=リフシッツ理論物理学教程」東京図書(ISBN:9784489023866)
「力学(三訂版)」原島鮮、裳華房(ISBN:4785320206) 「解析力学」原島鮮、裳華房(ISBN:9784785322731) |
教科書・参考書に関する備考 |
伊藤克司著の教科書を用いて、他大学応用物理系2年生に対して「解析力学」の講義と演習を担当した経験がある(2017〜2022年度)。学生の理解度(試験の点数)も良く、担当者(小野)は本書が解析力学の入門書として最適であると考えている。以下、その理由を述べる。 解析力学の本と言えば、ランダウ・リフシッツの理論物理学教程「力学」やゴールドシュタインの「力学」が有名である。しかし、初学者がいきなり最小作用の原理から出発するランダウの力学や長大なゴールドシュタインの力学を読み始めるのは、秀才や忍耐強い人でない限り賢明ではない。原島鮮著の「力学」も有名であるが、ニュートン形式の力学の説明が第9章まであり、その後、仮想変位の原理(第10章)、ダランベールの原理(第11章)などが説明された後、ようやく第13章でラグランジュ方程式が導入される。力学の問題にすぐに「使える」ラグランジュ方程式までの道のりが長いことが欠点である。 一方、本書では第1章での直交座標と極座標に関する数学的準備を済ませた後、第2章ですぐにニュートン力学から解析力学に移行する。変分法などの高度な数学を使うランダウの力学と異なり、初等的な微分積分だけを使ってニュートン方程式からラグランジュ方程式を「ひねり出す」。この方程式をとりあえず受け入れて、一般化座標、保存量、束縛条件、加速度系、剛体、微小振動などを議論する(剛体の力学については別の本で学んでおく必要あり)。特に第4章の保存量において、エネルギー保存則、運動量保存則、角運動量保存則を対称性から導出する議論は簡潔で明快である。保存則と対称性を結びつけるネーターの定理に言及されている点も大変よい。なお、最小作用の原理を使った通常のラグランジュ方程式の導出法は、第9章において丁寧な変分法の解説とともに記述されている。第10章〜第12章では、ハミルトン形式の力学が解説される。各章の末尾には豊富な練習問題があり、さらに解答も簡潔に記されているので、本書は演習書または自習書として使用することもできる。 教室で泳ぎ方を覚えてからプールに飛び込むか、それともまずはプールに飛び込んでから泳ぎ方を覚えるか。もちろん後者であろう。同様に、解析力学の理論を完全に習得してから力学の問題に取組むか、それとも具体的な力学の問題の解き方を理解しながら解析力学に関する理解を深めるのか。学ぶ人の立場によってこの答えは異なるが、少なくとも工学部で物理学の習得を目指す学生にとっては、この場合も後者の学び方がよいと思う。素粒子論を専門とする著者(伊藤)も、本書のまえがきで次のように述べている。「まずラグランジュ形式を十分に活用できるまで説明を行った後で、変分法、ハミルトン形式という方法をとった。これは、まずラグランジュ形式という、比較的扱いやすい方法をマスターして解析力学の有用性を納得してもらうのがよいと考えたからである。」本書のような入門書を読んだ後でランダウの力学を紐解くと、解析力学についての理解がさらに深まるであろう。なお、ランダウスタイルの最近の本として畑浩之著の「解析力学」(東京図書、2014)があり、式変形や解説が丁寧で大変良い。 ※複数の本を読み異なる考え方を学ぶことで、物事の理解を深めることができます。学生時代にたくさんの本を読み、多様な考え方を学んでください。 |
成績評価方法 /Grading Guidelines |
・定期試験とレポートにより評価する。100点満点中60点以上が合格点である。 ・各到達目標に関して、定期試験とレポートによってその達成度を評価する。 |
履修上の注意 /Notices |
・各回の授業は過去の授業内容を踏まえ進行するので、毎回の内容をよく復習すること。 ・授業中やオフィスアワーでの質問は大歓迎。 ・授業の変更や緊急時の連絡は授業中または掲示板で通知する。 ・不合格者は再履修とする。 |
教員メッセージ /Message from Lecturer |
「教科書・参考書に関する備考」参照 |
学習・教育目標との対応 /Learning and Educational Policy |
学生便覧「学習目標と授業科目との関係表」参照 |
関連科目 /Related course |
・「物理学A」「物理学B」「統計力学」「量子力学A」「量子力学B」 ・「力学演習」(担当:宮崎正範先生、金曜5,6時限)の後半で、解析力学の演習が実施される。本授業内容の理解を促す問題が多数出題される予定であるので、同時受講が望ましい。 |
No. | 回(日時) /Time (date and time) |
主題と位置付け(担当) /Subjects and instructor's position |
学習方法と内容 /Methods and contents |
備考 /Notes |
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該当するデータはありません |
Active learning 1-1 /主体的学修(反転授業,小テスト,振り返り 等) |
授業中に小テストや発問を行う。 |
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Active learning 1-2 /上記項目に係るALの度合い |
15%~50% |
Active learning 2-1 /対話的学修(グループ学習,協働,調査体験 等) |
think-pair-share法によりグループ学習を行う。 |
Active learning 2-2 /上記項目に係るALの度合い |
15%未満 |
Active learning 3-1 /深い学修(複数科目の知識の総合化や問題解決型学修 等) |
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Active learning 3-2 /上記項目に係るALの度合い |
該当なし |