授業情報/Course information

開講学期/Course Start 2024年度/Academic Year   前期/First
開講曜限/Class period 木/Thu 9 , 木/Thu 10
授業区分/Regular or Intensive 週間授業
対象学科/Department 機械航空創造系学科航空宇宙システム工学コース/Department of Mechanical Aerospace and Materials EngineeringCourse of Aerospace Engineering,創造工学科航空宇宙工学コース/Department of EngineeringCourse of Aerospace Engineering
対象学年/Year 4年
授業科目区分/Category 教育課程 創造工学科
必修・選択/Mandatory or Elective 選択
授業方法/Lecture or Seminar 講義科目
授業科目名/Course Title 航空機設計法Ⅱ/Aircraft Design ProjectⅡ
単位数/Number of Credits 2
担当教員名/Lecturer 溝端 一秀 (創造工学科航空宇宙工学コース)
時間割コード/Registration Code J3210
連絡先/Contact 溝端 一秀(教員室: S304
e-mail: mizobata(at)muroran-it.ac.jp
連絡は基本的にe-mailでお願いします。)
オフィスアワー/Office hours 溝端 一秀(特に指定しない。)
実務経験/Work experience 溝端 一秀(航空宇宙研究開発事業を扱う国立研究所において極超音速飛行実験機の概念設計(空力的機体形状設計、空力特性計測評価、飛行性能予測、等)に携わった在職経験を有する。)
更新日/Date of renewal 2024/02/15
授業のねらい
/Learning Objectives
有翼航空宇宙機(飛行機やスペースプレーン)に所要飛行性能を付与するにはどうすればよいかを学ぶ。その基礎知識に基づいて、小型模型飛行機を設計・製作し、飛行させ、その飛行性能および設計の妥当性を検証する。これらのプロセスを通して、航空宇宙機システムに関する総合的な理解を深める。
到達度目標
/Outcomes Measured By:
1)有翼航空宇宙機(飛行機やスペースプレーン)にはどのような性能が必要か、その概略が分かるようになる。
2)模型飛行機に所要性能を付与するために、設計課題をみずから設定することができる。
3)自ら設定した設計課題を達成するために、機体の構成・形状を構想できる。
4)機体の設計・製作・性能推算に、多様な知識や技術を応用できる。
5)機体の設計・製作・性能推算に、他のグループにない独自のアイディア・工夫をこらすことができる(創造力)。
6)法令を遵守すると共に、安全な飛行を実現するために工夫を凝らすなど、公序良俗に即した設計ができる。
7)構想した機体の構成・形状や飛行性能を、図、文章、式、プログラム、等を駆使して表現できる。
8)グループ内あるいはグループ間で、円滑なコミュニケーションを成立させることができる。
9)グループで1つのものを作り上げるためのチームワークを構築できる。
10)限られた製作期間内に模型飛行機が完成し飛行できるように、工程管理を継続的に計画・実施できる。
11)技術的成果およびグループワークの成果を明瞭かつ分かり易くプレゼンテーションできる。
授業計画
/Course Schedule
総授業時間数(実時間):24時間

●ガイダンスおよび班分け
●設計に必要な基礎知識の講義(2週)
翼型、空力諸公式、翼設計、重心位置と縦の静安定、水平尾翼、垂直尾翼、横の制御と安定、張殻構造、降着装置、推進系の選定、等
●設計と設計内容審査(4週)
要求性能や設計方針の設定、機体の構成・形状・諸元の計画と図面作成(CAD)、縮小模型の製作と飛行性の実証、設計内容審査会
●製作実習(8週)
機体の製作、推進器・ラジコンの組込・調整、重心合わせ、耐空性審査、無推力滑空試験、予備的試験飛行と機体調整
●試験飛行、性能評価、および成果発表(2週)

各回の自己学修時間の目安として、事前・事後合わせて4時間以上必要です。
参考書等
/Required Materials
軽飛行機から超音速旅客機の概念設計まで 李家賢一著  コロナ社 2011(ISBN:9784339046199)
飛行機はどのように設計するのか 片柳亮二著  日刊工業新聞社 2009(ISBN:4526063177)
軽飛行機の設計法 L.パズマニー著 ; 阿部郁重訳  日本航空整備協会 1971(ISBN:4930858232)
飛行力学の実際 内藤子生著  日本航空技術協会 1994飛行力学の実際 内藤子生著  日本航空技術協会 1976飛行力学の実際 内藤子生著  日本航空技術協会 1998(ISBN:4930858267)
IHS Jane's all the world's aircraft : Development & production editor-in-chief, Paul Jackson ; deputy ditor, Kenneth Munson ; assistant editor, Lindsay Peacock; assistant editor, Lindsay Peacock ; ・・・(ISBN:9780710632753)
山名正夫・中口博,「飛行機設計論」,養賢堂,1968 (復刻版)(ISBN:4842501693)
教科書・参考書に関する備考 教科書はなし。授業では自作資料を適宜配付します。

上記参考書の補足説明:
1)(李家) 旅客機等の有人飛行機の概念設計に関する最も標準的な教科書であり、飛行機のプロになりたい人にとってはバイブルである。これを読みこなす事を通して、空気力学、姿勢安定、飛行性能、等の基礎知識が実践的に再構築されるものと期待できる。図書館に複数冊在り。
2)(片柳) 空気力学・姿勢安定・飛行性能の観点から飛行機設計の際に考慮すべき要素を例題形式で丁寧に解説している。「飛行力学Ⅰ」「同Ⅱ」で習った知識を実践的に補強するのに役立つ。図書館に複数冊在り。
3)(パズマニー) ある有人軽飛行機の設計・自作プロセスを簡潔・明快に解説しており、初めて飛行機を設計する際におおいに参考になる。図書館と担当教員の手元に在り。残念ながら絶版。
4)(内藤) 飛行機メーカーにおける著者の長年の飛行機設計業務を通して得られた豊富かつ高度なな知見が凝縮されており、プロ志向。図書館と担当教員の手元に在り。
5)(Jane's) その年に世界で生産されている航空機(飛行機、ヘリ、等)の開発経緯、外観、三面図、および性能値を詳しく掲載しているバイブル的大図鑑(年鑑)。色々な実機の成功例を見て美的センスを養うとともに飛行機設計のあるべき姿を分析する目的で極めて有用。必ずしも最新版ではないが、図書館と担当教員の手元に在り。
6)(山名) 飛行機設計の古典的バイブル。大著なので辞書的に読みこなすことが必要。図書館と担当教員の手元に在り。最近復刻版が販売されている。
成績評価方法
/Grading Guidelines
基本的に毎回の授業で作業進捗状況の報告を求めます。
最終授業でパワーポイントを用いて成果発表します。
8月末を目処に、「設計諸元申告表」、「設計計算書」、「機体三面図」、「主翼構造図」、「胴体構造図」、製作された機体実物、飛行映像、および「作業工程記録表」「貢献度自己評価表」の提出を求めます。

到達度目標1~7については、提出された「設計諸元申告表」、「設計計算書」、「機体三面図」、「主翼構造図」、「胴体構造図」、機体実物、飛行映像、および成果発表内容において、設計内容の首尾一貫性および技術水準、創意工夫の内容、機体の完成度(デザイン性、技術性、飛行性能、等)、成因・敗因の分析内容、等を評価します。(65点)
到達度目標8~10については、「作業工程記録表」および「貢献度自己評価表」に記録された工程管理状況、作業進捗報告、およびチームワーク・リーダーシップの状況を評価します。(25点)
到達度目標11については、成果発表プレゼンテーションにおいて、発表内容の技術的水準、発表資料の明瞭さ・完成度、発表方法(声の大きさ、姿勢・態度、ポインターの活用)、および質疑への参加状況を評価します。(10点)
履修上の注意
/Notices
不合格の場合は、翌年度再履修すること。
学習・教育目標との対応
/Learning and Educational Policy
航空宇宙工学コースの学習目標のうち以下の項目に対応します。
C.多様な要素を統合して、高度なものづくりを目指すシステム指向の工学的センスと、
新たな問題点を見つけ、研究の目的・計画を立案し、研究を的確に遂行・評価するた
めの応用力・問題解決能力を修得する。
E.自発的、継続的に学習する能力を修得する。

学生便覧「学習目標と授業科目との関係表」を参照のこと。
関連科目
/Related course
「飛行力学Ⅰ」および「飛行力学Ⅱ」で学んだ知識や、「航空宇宙工学実験」で学んだペーパークラフト飛行機の製作・飛行方法を活用します。
また、3年次の「航空機設計法Ⅰ」における各自の空力設計を元にして、実際に模型飛行機(無線操縦、推進器付き)を作って飛ばします。
実務経験のある教員による授業科目
/Course by professor with work experience
1.関連した実務経験を有している教員が担当する科目
No. 回(日時)
/Time (date and time)
主題と位置付け(担当)
/Subjects and instructor's position
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
該当するデータはありません
Active learning 1-1
/主体的学修(反転授業,小テスト,振り返り 等)
設計・製作作業を自主的・自律的に進めることが肝要です。授業時間だけでは足りないので、適宜時間外に作業することを求めます。
また、試験飛行のために飛行場所を使える日時は非常に限られているので、指定された日時に試験飛行できるよう、計画的に準備する必要があります。

模型飛行機製作に必要な基本的な工具・材料や推進器・ラジコン機器は貸与しますが、各自の創意により必要な機材を自己調達することを妨げません。
Active learning 1-2
/上記項目に係るALの度合い
50%超
Active learning 2-1
/対話的学修(グループ学習,協働,調査体験 等)
数名のグループの共同作業として設計・製作・試験飛行を実施します。
Active learning 2-2
/上記項目に係るALの度合い
50%超
Active learning 3-1
/深い学修(複数科目の知識の総合化や問題解決型学修 等)
座学で学んだ基礎事項を、設計・製作実習を通して深く考察する。
Active learning 3-2
/上記項目に係るALの度合い
50%超