授業情報/Course information

開講学期/Course Start 2020年度/Academic Year  後期/Second
開講曜限/Class period 金/Fri 7,金/Fri 8
授業区分/Regular or Intensive 週間授業
対象学科/Department 機械航空創造系学科
対象学年/Year 3年,4年
授業科目区分/Category 教育課程 主専門教育科目
必修・選択/Mandatory or Elective 選択
授業方法/Lecture or Seminar 講義科目
授業科目名/Course Title 航空機設計法Ⅱ
単位数/Number of Credits 2.0
担当教員名/Lecturer 溝端一秀
時間割コード/Registration Code B2346
連絡先/Contact 溝端一秀(教員室: S304
電話: 外線からは0143-46-5368(直通)、または0143-46-5316(航空宇宙機システム研究センター、呼び出し)。
内線からは5368(直通)、または5316(航空宇宙機システム研究センター、呼び出し)。
いずれもファックス兼。
e-mail: mizobata(at)mmm.muroran-it.ac.jp
(教員室が留守の場合はe-mailで連絡ください。) )
オフィスアワー/Office hours 溝端一秀(毎週木曜日13:30~14:30)
実務経験/Work experience 溝端一秀(宇宙航空開発事業を扱う研究所において極超音速飛行実験機の概念設計に携わった在職経験を有する)
更新日/Date of renewal 2020/09/14
授業のねらい
/Learning Objectives
有翼航空宇宙機(飛行機やスペースプレーン)に所要飛行性能を付与するにはどうすればよいかを学ぶ。その基礎知識に基づいて、小型模型飛行機を設計・製作し、飛行させ、その飛行性能および設計の妥当性を検証する。これらのプロセスを通して、航空宇宙機システムに関する総合的な理解を深める。
到達度目標
/Outcomes Measured By:
1)有翼航空宇宙機(飛行機やスペースプレーン)にはどのような性能が必要か、その概略が分かるようになる。
2)模型飛行機に所要性能を付与するために、設計課題をみずから設定することができる。
3)自ら設定した設計課題を達成するために、機体の構成・形状を構想できる。
4)機体の設計・製作・性能推算に、多様な知識や技術を応用できる。
5)機体の設計・製作・性能推算に、他のグループにない独自のアイディア・工夫をこらすことができる(創造力)。
6)安全な飛行を実現するために工夫を凝らすなど、公序良俗に即した設計ができる。
7)構想した機体の構成・形状や飛行性能を、図、文章、式、プログラム、等を駆使して表現できる。
8)グループ内あるいはグループ間で、円滑なコミュニケーションを成立させることができる。
9)グループで1つのものを作り上げるためのチームワークを構築できる。
10)限られた期間内に模型飛行機が完成し飛行できるように、工程管理を継続的に計画・実施できる。
11)技術的成果およびグループワークの成果を明瞭かつ分かり易くプレゼンテーションできる。
授業計画
/Course Schedule
授業はおよそ次の目安で進める予定であるが、設計・製作作業の進み具合に応じて臨機応変に対処する。

総授業時間数(実時間)24時間
●ガイダンスおよび班分け
●設計に必要な基礎知識の講義(2週)
翼型、空力諸公式、翼設計、重心位置と縦の静安定、水平尾翼、垂直尾翼、横の制御と安定、張殻構造、降着装置、推進系の選定、等
●設計進捗の講評と討論(4週)
要求性能や設計方針の設定、機体の構成・形状・諸元の計画と図面作成(CAD)、縮小模型の製作と飛行性の実証、設計内容審査会
●製作進捗の講評と討論(8週)
機体の製作、推進器・ラジコンの組込・調整、重心合わせ、耐空性審査、無推力滑空試験、予備的試験飛行と機体調整
●試験飛行、性能評価、および成果発表(2週)

設計・製作作業は授業時間外の自己学習として実施し、授業時間中は設計製作の進捗状況について講評および討論を実施します。
また、試験飛行のために飛行場所を使える日時は非常に限られているので、指定された日時に試験飛行できるよう、計画的に準備する必要があります。

模型飛行機製作に必要な基本的な工具・材料や推進器・ラジコン機器は貸与しますが、各自の創意により必要な機材を自己調達することを妨げません。

新型コロナウイルス感染症の流行状況に伴い、学生への十分な周知のもと、授業計画・授業実施方法は変更する可能性があります。
参考書等
/Required Materials
李家賢一著、航空機設計法 : 軽飛行機から超音速旅客機の概念設計まで、コロナ社,、2011.12(ISBN:9784339046199)
飛行機はどのように設計するのか, 片柳亮二著, 日刊工業新聞社,2009(ISBN:4526063177)
軽飛行機の設計法,L.パズマニー著 ; 阿部郁重訳,日本航空整備協会,1971(ISBN:4930858232)
飛行力学の実際,内藤子生著,日本航空技術協会,1998(ISBN:4930858267)
Jane’s ALL THE WORLD’S AIRCRAFT
山名・中口,「飛行機設計論」(養賢堂、1968)
教科書・参考書に関する備考 教科書はなし。授業では自作資料を適宜配付します。

上記参考書の補足説明:
1)旅客機等の有人飛行機の概念設計に関する最も標準的な教科書であり、飛行機のプロになりたい人にとってはバイブルである。これを読みこなす事を通して、空気力学、姿勢安定、飛行性能、等の基礎知識が実践的に再構築されるものと期待できる。図書館に複数冊在り。
2)空気力学・姿勢安定・飛行性能の観点から飛行機設計の際に考慮すべき要素を例題形式で丁寧に解説している。「飛行力学Ⅰ」「同Ⅱ」で習った知識を実践的に補強するのに役立つ。図書館に複数冊在り。
3)ある有人軽飛行機の設計・自作プロセスを簡潔・明快に解説しており、初めて飛行機を設計する際におおいに参考になる。図書館と担当教員の手元に在り。残念ながら絶版。
4)飛行機メーカーにおける著者の長年の飛行機設計業務を通して得られた豊富かつ高度なな知見が凝縮されており、プロ志向。図書館と担当教員の手元に在り。
5)その年に世界で生産されている航空機(飛行機、ヘリ、等)の開発経緯、外観、三面図、および性能値を詳しく掲載しているバイブル的大図鑑(年鑑)。色々な実機の成功例を見て美的センスを養うとともに飛行機設計のあるべき姿を分析する目的で極めて有用。種々の版が図書館と担当教員の手元に在り。
6)飛行機設計の古典的バイブル。大著なので辞書的に読みこなすことが必要。図書館と担当教員の手元に在り。残念ながら絶版。
成績評価方法
/Grading Guidelines
基本的に毎回の授業で作業進捗状況の報告を求めます。
最終授業でパワーポイントを用いて成果発表していただきます。
2月末を目処に、「設計諸元申告表」、「設計計算書」、「機体三面図」、「主翼構造図」、「胴体構造図」、製作された機体実物、飛行映像、および「作業工程記録表・貢献度自己評価表」の提出を求めます。

到達度目標1~7については、提出された「設計諸元申告表」、「設計計算書」、「機体三面図」、「主翼構造図」、「胴体構造図」、機体実物、飛行映像、および成果発表内容において、設計内容の首尾一貫性および技術水準、創意工夫の内容、機体の完成度(デザイン性、技術性、飛行性能、等)、成因・敗因の分析内容、等を評価します。(65点)
到達度目標8~10については、「作業工程記録表・貢献度自己評価表」に記録された工程管理状況、普段の作業進捗報告、およびチームワーク・リーダーシップの状況を評価します。(25点)
到達度目標11については、成果発表プレゼンテーションにおいて、発表内容の技術的水準、発表資料の明瞭さ・完成度、発表方法(声の大きさ、姿勢・態度、ポインターの活用)、および質疑への参加状況を評価します。(10点)
以上を合計して100点満点中60点以上を合格とします。

新型コロナウイルス感染症の流行状況に伴い、学生への十分な周知のもと、成績評価方法は変更する可能性があります。
履修上の注意
/Notices
ステップ履修の観点から,「航空機設計法Ⅰ」に不合格の者は原則として「航空機設計法Ⅱ」を履修できない。
教員メッセージ
/Message from Lecturer
グループで設計・製作・飛行の実習をしますので、授業に欠席したり長期不在すると仲間に多大な迷惑がかかります。就職活動等のためにどうしても欠席・不在になる場合は、作業の進捗に差し支えないよう、グループのメンバーと良く相談し、「時間差分業」に努めること。
学習・教育目標との対応
/Learning and Educational Policy
航空宇宙システム工学コースの学習・教育目標のうち以下の項目に対応している。
(B) 航空宇宙システムエ学分野に必要な様々な知識、技術の習得
(C) 多様な要素を統合して、高度なものづくりを目指すシステム指向の工学的センスと、新たな問題点を見つけ、研究の目的、計画、遂行、評価を的確に行うための応用力、問題解決能力を修得
関連科目
/Related course
「飛行力学Ⅰ」および「飛行力学Ⅱ」で学んだ知識や、「航空宇宙工学実験」で学んだペーパークラフト飛行機の製作・飛行方法を活用します。
また、3年次前期の「航空機設計法Ⅰ」における各自の空力設計を元にして、実際に模型飛行機(無線操縦、推進器付き)を作って飛ばします。
実務経験のある教員による授業科目
/Course by professor with work experience
1.関連した実務経験を有している教員が担当する科目
No. 回(日時)
/Time (date and time)
主題と位置付け(担当)
/Subjects and instructor's position
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
該当するデータはありません
Active learning 1-1
/主体的学修(反転授業,小テスト,振り返り 等)
受講生が電動模型飛行機の空力形状設計を実施し,実際に機体を製作・艤装して無線操縦で飛ばして,設計の妥当性を検証する。さらにその成果をプレゼンする。
Active learning 1-2
/上記項目に係るALの度合い
50%超
Active learning 2-1
/対話的学修(グループ学習,協働,調査体験 等)
以上の設計・製作・飛行・成果発表を,3~5名のグループワークで実施する。
Active learning 2-2
/上記項目に係るALの度合い
50%超
Active learning 3-1
/深い学修(複数科目の知識の総合化や問題解決型学修 等)
空気力学,飛行力学1,飛行力学2,航空宇宙工学製図,航空宇宙工学実験,航空機設計法1,等で学んだ知識・技術を総動員して設計・製作・飛行を実施する。これによって,これらの科目の知識・技術が総合的・実践的に再構築される。
Active learning 3-2
/上記項目に係るALの度合い
50%超