授業情報/Course information

開講学期/Course Start 2019年度/Academic Year  後期/Second
開講曜限/Class period 金/Fri 7,金/Fri 8
授業区分/Regular or Intensive 週間授業
対象学科/Department 機械航空創造系学科航空宇宙システム工学コース/Department of Mechanical Aerospace and Materials Engineering航空宇宙システム工学コース
対象学年/Year 2年,3年,4年
授業科目区分/Category 教育課程 主専門教育科目
必修・選択/Mandatory or Elective 選択
授業方法/Lecture or Seminar 講義科目
授業科目名/Course Title 飛行力学Ⅱ/Airplane Flight Mechanics Ⅱ
単位数/Number of Credits 2.0
担当教員名/Lecturer 溝端一秀,高久 雄一 
時間割コード/Registration Code C2625
連絡先/Contact 溝端一秀(教員室: S304
電話: 外線からは0143-46-5368(直通)、または0143-46-5316(航空宇宙機システム研究センター、呼び出し)。
内線からは5368(直通)、または5316(航空宇宙機システム研究センター、呼び出し)。
いずれもファックス兼。
e-mail: mizobata(at)mmm.muroran-it.ac.jp
(教員室が留守の場合はe-mailで連絡ください。) )
高久 雄一(B203
外線からは0143-46-5319(直通)、内線からは5319(直通)。
y.takaku@mmm.muroran-it.ac.jp)
オフィスアワー/Office hours 溝端一秀(毎週木曜日13:30~14:30)
高久 雄一(毎週水曜日14:30~16:30)
実務経験/Work experience 溝端一秀(宇宙航空開発事業を扱う研究所において極超音速飛行実験機の概念設計に携わった在職経験を有する)
更新日/Date of renewal 2019/02/15
授業のねらい
/Learning Objectives
飛行機の運動は、一般的な物体(剛体)の運動と同様に、重心の並進運動と重心周りの回転運動に分解することができる。ただし、他の物体と異なって飛行機の場合は、空気力を活用して回転運動(姿勢変化運動)を引き起こし、その結果として空気力が変化して並進運動が変化する、というふうに空気力を介して回転運動と並進運動が密接に関わっている。そして回転運動を制御することによって並進運動を制御することができ、これが飛行機の最も一般的な操縦方法となっている。
また、乗り物にはその姿勢が釣り合い位置からずれた時には自然に釣り合い状態に戻ろうとする「静安定性」を備える必要があり、飛行機にも静安定性を備えるための種々の工夫が施されている。
本授業の前半では、これら飛行機の回転運動(姿勢変化運動)の制御方法、およびその静安定を実現する方法の概略を学ぶ。
後半では、これら飛行機の並進・回転運動を詳細かつ定量的に記述する手法を学び、それを用いて飛行機の固有運動モードを理解する。
到達度目標
/Outcomes Measured By:
前半
1.翼にはたらく空気力の性質の概略を理解する。
2.舵面による姿勢制御の仕組みを理解する。
3.偏揺れの釣り合いと静安定の実現方法を理解する。
4.横揺れの釣り合いと静安定の実現方法を理解する。
5.縦揺れの釣り合いと静安定の実現方法、および重心位置の重要性を定量的に理解する。
後半
6.動座標系でのベクトル表記を理解し、それに基づき航空機の6自由度運動方程式が導出できる。
7.空力安定微係数の意味を把握し、安定に大きく影響する係数を説明できる。
8.航空機特有の運動モードを理解する。
授業計画
/Course Schedule
総授業時間数: 21時間(試験を除く実時間)

前半(担当:溝端)
第1週 翼型の空気力学的特性
第2週 三次元翼の空気力学的特性
第3週 舵面による姿勢変化運動(縦揺れ、横揺れ、偏揺れ)
第4週 縦揺れ、横揺れ、偏揺れの静安定の定性的取り扱い
第5週 縦揺れの静安定の定量的取り扱い(主翼の効果)
第6週 縦揺れの静安定の定量的取り扱い(尾翼の効果)
第7週 縦揺れの静安定の問題演習
第8週 中間試験
単元毎に「まとめのクイズ」を配布するので、これを活用して良く復習すること。

後半(担当:高久)
第9週 剛体の運動方程式
第10週 動座標系の導入
第11週 航空機の運動方程式
第12週 小テスト、擾乱方程式
第13週 擾乱方程式の線形化
第14週 操舵応答と運動モード
第15週 縦の安定
第16週 学期末試験
数回、講義の補足資料を配布します.必ず一度は自らの手で計算過程を確認し、小テストや学期末試験に備えること。
参考書等
/Required Materials
J. D. Anderson, Introduction to Flight, 8th edition, McGraw-Hill Education (Asia)(ISBN:9814636185)
航空機力学入門(加藤寛一郎,、大屋昭男,、柄沢研治著、東京大学出版会 1982)(ISBN:4130610430)
航空機の飛行力学と制御(片柳亮二著、森北出版、2007)(ISBN:9784627690813)
宇宙システム入門 : ロケット・人工衛星の運動(冨田信之著、東京大学出版会 1993(ISBN:4130611518)
Dynamics of flight : stability and control(Bernard Etkin、Lloyd Duff Reid、 Wiley 1996)(ISBN:0471034185)
Introduction to space dynamics(William Tyrrell Thomson、Dover 1986)(ISBN:0486651134)
教科書・参考書に関する備考 自作資料を適宜配布します。
成績評価方法
/Grading Guidelines
前半:
前半の最終回の授業で試験を実施する。100点満点中60点以上の得点をもって合格とします。
各到達度目標の評価方法は、以下の通りである。
目標1~4: 第8週の中間試験において穴埋めまたは論述問題を出題し、達成度を評価する。
目標5: 第8週の中間試験において論述問題または実在の飛行機に関する計算問題を出題し、達成度を評価する。

後半:
式の導出力の習得と知識の定着を目的として、小テスト(40点×1回)と学期末試験(60点)にて評価。合計100点満点中60点以上を合格とする。小テストは式の導出問題、学期末試験は座標系の理解を問う計算問題,基本原理・しくみについて説明を求める文章問題を予定。

前半・後半の成績の平均をもって、本授業科目の成績とする。
履修上の注意
/Notices
単位取得・高成績獲得の早道は「真面目に出席」する事ですので留意ください。
原則として追試・再試は実施しませんので、不合格となった場合は翌年度に再履修すること。(その覚悟でしっかり勉強してください。)
節目で自宅学習用の課題・演習を配布しますので、必ず自宅で取り組むこと。
教員メッセージ
/Message from Lecturer
前半: 飛行機の飛行メカニズムのうち最も重要な事項を扱う授業科目であり、「航空機設計法Ⅰ」「同Ⅱ」での模型飛行機の設計および飛行のために必須の知識が得られる。
選択科目ではあるが、奮って受講してください。
後半: 航空宇宙の制御を目指す場合、運動方程式が自分で導けることが必須。そのために必要な手法・知識について、航空機を対象に多くの数式を紹介。それらの数式の意味をまず理解し、次に自分でも同様に導出・確認をすることが必須。
学習・教育目標との対応
/Learning and Educational Policy
航空宇宙システム工学コースの学習目標のうち,「B)航空宇宙システム工学分野に必要な様々な知識,技術の習得」に対応する。
関連科目
/Related course
●この科目を必要とする科目:
航空機設計法Ⅰ、同Ⅱ、航空宇宙制御工学Ⅱ
●この科目の基礎となる科目:
航空宇宙機械力学、飛行力学Ⅰ
No. 回(日時)
/Time (date and time)
主題と位置付け(担当)
/Subjects and instructor's position
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
該当するデータはありません
Active learning 1-1
/主体的学修(反転授業,小テスト,振り返り 等)
前半では、単元毎に「まとめのクイズ」を示しますので、これを使ってしっかり復習しましょう。
後半では小テストを1回実施する。
Active learning 1-2
/上記項目に係るALの度合い
15%未満
Active learning 2-1
/対話的学修(グループ学習,協働,調査体験 等)
Active learning 2-2
/上記項目に係るALの度合い
該当なし
Active learning 3-1
/深い学修(複数科目の知識の総合化や問題解決型学修 等)
航空宇宙機械力学で学んだ一般法則を飛行機に適用し深く理解する。
Active learning 3-2
/上記項目に係るALの度合い
15%~50%