授業情報/Course information

開講学期/Course Start 2017年度/Academic Year  後期/Second
開講曜限/Class period 火 /Tue  1 , 火 /Tue  2
授業区分/Regular or Intensive 週間授業
対象学科/Department 機械航空創造系学科航空宇宙システム工学コース
対象学年/Year 3年
授業科目区分/Category 教育課程 主専門教育科目
必修・選択/Mandatory or Elective 必修
授業方法/Lecture or Seminar 講義
授業科目名/Course Title 航空宇宙機設計法Ⅰ /Aerospace Vehicle Design Project I
単位数/Number of Credits 2.0
担当教員名/Lecturer 溝端一秀(機械航空創造系学科航空宇宙システム工学コース)
時間割コード/Registration Code C2722
連絡先/Contact 溝端一秀(教員室: S304
電話: 外線からは0143-46-5368(直通)、または0143-46-5316(航空宇宙機システム研究センター、呼び出し)。
内線からは5368(直通)、または5316(航空宇宙機システム研究センター、呼び出し)。
いずれもファックス兼。
e-mail: mizobata(at)mmm.muroran-it.ac.jp
(教員室が留守の場合はe-mailで連絡ください。) )
オフィスアワー/Office hours 溝端一秀(毎週木曜日13:30~14:30)
更新日/Date of renewal 2017/09/22
授業のねらい
/Learning Objectives
●「空気力学」、「飛行力学」、「姿勢安定」等の専門的基礎知識や「機械工作法」「製図」等の設計製作知識・技能を総合して、所要の機能を持つ航空機システムにまとめる素養を培います。
●特に、空気の力を活用して安定に滑空できる機体形状を実現する考え方を習得します。
(空気力を適切に利用するという観点の設計なので「空力設計」と呼びます。)
到達度目標
/Outcomes Measured By:
1.飛行機の機体の構成要素それぞれの役割と、飛行機の飛行メカニズムの概略を理解したうえで、機体諸元を適切に設定できるようになる。
2.さらに、主要な機体諸元や飛行性能を適切に推算できるようになる。
3.設定・推算した機体諸元を立体図・三面図(CAD図面)に適切に表現できるようになる。
4.以上の機体設計に基づいて、縮小模型の諸元や製作手順を適切に計画・表現できるようになる。
5.設計通りの縮小模型を製作できるようになる。
6.設計・製作した縮小機体を用いて、滑空性能および姿勢安定を検証できるようになる。
授業計画
/Course Schedule
4年次の「航空宇宙機設計法Ⅱ」で3~5名のグループで模型飛行機1機を設計・製作し、試験飛行する予定です。そこで、その機体設計を先取りして、この授業では一人一機ずつ模型飛行機を概略設計します。
授業はおよそ次の目安で進める予定ですが、設計・製作作業の進み具合に応じて臨機応変に対処します。

総授業時間数(実時間)24時間
●設計に必要な基礎知識の講義(3週)
機体の構成・形状、主翼の形状と特性、舵面制御と安定、
主翼取付角、水平尾翼取付角、脚配置、機体の大きさ・質量と旋回性能、等
●各自の設計と講評(9週)
要求性能や設計方針の設定、機体の構成・形状・諸元の計画、立体図・三面図の作成(3D-CAD)、
講評、および設計内容の修正
●縮小模型の設計・製作、およびその試験飛行を通した設計の妥当性検証(3週)
●まとめ(1週)

設計・製作作業のためには、授業時間だけでは足りないので、適宜放課後や空き時間に作業することが必須です。
参考書等
/Required Materials
片柳亮二,「飛行機設計入門 -飛行機はどのように設計するのか」,日刊工業新聞社,2009(ISBN:4526063177)
L. パズマニー著,内藤子生監修,「軽飛行機の設計法」,日本航空整備協会,1971(ISBN:4930858232)
内藤子生,「飛行力学の実際」(再増補版),日本航空技術協会,1976(ISBN:4930858267)
Jane’s ALL THE WORLD’S AIRCRAFT
山名正夫・中口博,「飛行機設計論」,養賢堂,1968
教科書・参考書に関する備考 教科書はなし。授業では自作資料を適宜配付します。

上記参考書の補足説明:
1)空気力学・姿勢安定・飛行性能の観点から例題形式で飛行機設計の要点を解説している好著。日本語で書かれた飛行機設計の入門書としては、この文献が現時点でベストと思われます。
2)ある軽飛行機の設計・自作プロセスを簡潔・明快に解説しており、初めて飛行機を設計する際におおいに参考になります。図書館と担当教員の手元にあります。残念ながら絶版。
3)著者の長年の飛行機設計業務を通して得られた豊富な知見が凝縮されている。図書館と担当教員の手元にあります。
4)その年に世界で生産されている航空機(飛行機、ヘリ、等)について詳しく掲載しているバイブル的大図鑑(年鑑)。いろんな機体を見て美的センスを養うとともに、飛行機設計の参考とする目的で極めて有用。最新版ではありませんが図書館と担当教員の手元にあります。
5)飛行機設計の古典的バイブル。大著なので辞書的に読みこなすことが必要。図書館と担当教員の手元にあります。残念ながら絶版のようです。
成績評価方法
/Grading Guidelines
以下の6点の提出物について、以下の通りの配点で採点します。
合計点について、100点満点中60点以上をもって合格とします。
1.「設計諸元申告表」において、機体諸元が適切に設定されているかどうか(15点)
2.「補足説明文書」において、主要な機体諸元や飛行性能が適切に計算されているか(15点)
3.「機体の立体図・三面図(CAD図面)」において、機体諸元が適切に表現されているか(25点)
4.「縮小模型の設計図・組み立て説明書」において、縮小模型の諸元や製作手順が適切に表現されているか(10点)
5.「縮小模型の実物」において、設計通りの縮小模型が製作されているか(15点)
6.「縮小模型の滑空状況を記録した映像ファイル」において、滑空性能および姿勢安定が確認されるか(20点)

なにをもって「適切」と判定するかについては、授業中の「講評」において具体的に説明します。
履修上の注意
/Notices
不合格の場合は、翌年度再履修すること。
教員メッセージ
/Message from Lecturer
この授業での設計内容を元にして、4年次の「航空宇宙機設計法Ⅱ」で実際に模型飛行機(無線操縦式、推進器付き)を作って飛ばす予定です。そのつもりでしっかりと設計すること。
最低限の予備知識は、この講義で説明しますが、それだけでは必ずしも十分でないので、飛行力学や飛行機設計法の参考書を自発的に勉強することを推奨します。
既存の飛行機や模型飛行機を観察したりネットで調べたりして、参考にすることも有用です。
学習・教育目標との対応
/Learning and Educational Policy
航空宇宙システム工学コースの学習目標のうち以下の項目に対応している。
(B) 航空宇宙システムエ学分野に必要な様々な知識、技術の習得
(C) 多様な要素を統合して、高度なものづくりを目指すシステム指向の工学的センスと、新たな問題点を見つけ、研究の目的、計画、遂行、評価を的確に行うための応用力、問題解決能力を修得
関連科目
/Related course
「飛行力学Ⅰ」および「飛行力学Ⅱ」で学んだ知識や、「航空宇宙工学実験」で学んだペーパークラフト飛行機の製作・飛行方法を活用します。
また、本授業での設計内容を元にして、4年次の「航空宇宙機設計法Ⅱ」で実際に模型飛行機(無線操縦、推進器付き)を作って試験飛行し、設計の妥当性を検証します。
本授業で使用する3D-CADの使い方は、同学期開講の「航空宇宙工学製図」で学びます。
No. 回(日時)
/Time (date and time)
主題と位置付け(担当)
/Subjects and instructor's position
学習方法と内容
/Methods and contents
備考
/Notes
該当するデータはありません
Active learning 1-1
/主体的学修(予復習,反転授業,小テスト,振り返り 等)
Active learning 1-2
/上記項目に係るALの度合い
該当なし
Active learning 2-1
/対話的学修(グループ学習,協働,調査体験 等)
Active learning 2-2
/上記項目に係るALの度合い
該当なし
Active learning 3-1
/深い学修(複数科目の知識の総合化や問題解決型学修 等)
これまでに修得した「飛行力学Ⅰ」および「飛行力学Ⅱ」の知識、「航空宇宙工学実験」のペーパークラフト飛行機の製作・飛行方法、「機械製図」「航空宇宙工学製図」の製図方法、「機械工作法」の設計製作知識・技能、「四力制御」の基礎知識、および広範な工学基礎知識を総合して活用する。
空気の力を活用して安定に滑空できる機体形状を実現する考え方を、設計・製作・飛行実習を通して修得する。
Active learning 3-2
/上記項目に係るALの度合い
50%超