開講学期 Course Start |
2015年度 前期 |
授業区分 Regular or Intensive |
集中講義 |
対象学科 Department |
情報電子工学系学科 情報システム学コース コンピュータ知能学コース |
対象学年 Year |
3 |
必修・選択 Mandatory or Elective |
選択 |
授業方法 Lecture or Seminar |
講義 |
授業科目名 Course Title |
人工知能 |
単位数 Number of Credits |
2 |
担当教員 Lecturer |
福多賢太郎(窓口: 工藤康生) |
教員室番号 Office |
V408 (工藤) |
連絡先(Tel) Telephone |
46-5469 (工藤) |
連絡先(E-mail) |
kudo[at]csse.muroran-it.ac.jp [at]を@に変えてください. |
オフィスアワー Office Hour |
火曜日16:30〜17:30 |
授業のねらい Learning Objectives |
人工知能は、「知的に振る舞う」システムを実現することを目標とする研究分野であり、その内容は非常に幅広い。本講義では、まず、人工知能に関わる知識情報処理を俯瞰し、「探索による問題解決」と「論理による知識表現と推論」について基礎的な概念と手法を知る。その後は、「不確実性」を伴った知識表現と推論手法に焦点を絞る。ここでは、ベイズ推定とマルコフモデルについて、その有用性や確率計算の手法を知る。そして、発展的なモデルとして、隠れマルコフモデル(HMM)とベイジアンネットワークの概念を学ぶ。特に、HMMを用いて推論を導くための手法に焦点を絞って解説する。 |
到達度目標 Outcomes Measured By: |
1. 人工知能の役割と歴史、基礎技術と応用分野について説明できる。 2. 計算機を用いた「知識表現と推論」について、そのための手法や問題点・課題などに関して説明できる。 3. 人工知能における不確実性の取り扱いの重要性に関して、人工知能の歴史や古典的な人工知能の手法と併せて、説明することができる。 4. ベイズ推定の有効性を理解し、確率計算から推論を導くことができる。 5. マルコフモデルを理解し、状態遷移図や遷移行列を作成し、確率計算から推論を導くことができる。 6. 隠れマルコフモデルを理解し、計算機による知識発見に繋がる「観測値に対応した内部状態の遷移経路」の推定を行うことができる。 |
授業計画 Course Schedule |
総授業時間数:90分×15回=1350分(集中講義のため3日間で実施) 3日間の授業計画は下記のとおりである。 1日目(1週〜5週): 人工知能とは何か?について理解を深める。人工知能に求められていることは何か。人工知能は工学的にどのように実装されて、どのような分野に使われているのかを知る。人工知能が取り扱ってきた古典的な問題である「探索問題」を通じて、問題の記述法、解決法を学ぶ。 2日目(6週〜10週): 計算機による知識表現の方法と推論の手法について学ぶ。人工知能における論理の役割を学び、命題論理を通じて推論の基礎を知る。推論システムの概念を知り、推論規則に基づいた推論の方式を学び、「格子の世界」を例として知識推論を理解する。後半では、確率論の基礎を復習し、ベイズ推論の有効性を学ぶ。その後、確率論を用いて不確実性を持つ事象を表現する確率モデルを学ぶ。人工知能には不可欠な要素である「学習」という理論についてもここで解説する。 3日目(11週〜15週): 不確実性モデリングの1手法である隠れマルコフモデル(HMM)とベイジアンネットについて学習する。2日目に学んだランダムウォークモデルをHMMに拡張する。このモデルを例に、HMMから推論を導く方法を学ぶ。ここでは、観測値から隠された内部状態系列を予測する手法を理解する。後半ではベイジアンネットワークについて紹介する。最後に人工知能の技法が活用された情報工学及び生命科学における研究紹介を行う。 1日目 1週:ガイダンス、及び、人工知能とはなにか? 2週:人工知能の発展の歴史と本質的問題を知る 3週:探索による問題解決の基礎 4週:探索アルゴリズム 5週:小テスト 2日目 6週:人工知能による知識表現と推論の基礎 7週:推論システムの概念を理解する(命題論理、推論規則、「格子の世界」) 8週:確率論を用いた不確実性領域のモデル化について 9週:確率モデル、及び、学習について 10週:小テスト 3日目 11週:隠れマルコフモデル(HMM)について 12週:HMMを用いた知識表現と推論 13週:ベイジアンネットワーク 14週:研究紹介 15週:小テスト 集中講義の各実施日に、小テストを課す。 小テストは複数の問題から構成され、各実施日に回収する。 *全ての設問に対して解答すること |
教科書 Required Text |
講義中に資料を配布する。 |
参考書 Required Materials |
講義中に配布される資料に記載する。 |
教科書・参考書に関する備考 | 講義中に配布する資料を教科書の代わりに使用する。 |
成績評価方法 Grading Guidelines |
集中講義期間中に行う3回の小テスト(それぞれ10点満点)とレポート課題(70点満点)の合計が60点以上を合格とする。 * レポートの提出期限(講義中に指示する)は厳守すること。 * レポート課題に代わる再試験は実施しない。 * 未提出の小テストやレポートがある場合は「不可」とする。 * 全ての設問に解答すること。 各到達度目標に対する評価方法は次のとおりである。 1. 1回目の小テスト及びレポート課題によって、達成度を評価する。 2. 2回目の小テスト及びレポート課題によって、達成度を評価する。 3. 3回目の小テスト及びレポート課題によって、達成度を評価する。 4. レポート課題における論述問題によって、達成度を評価する。 5. レポート課題における論述問題によって、達成度を評価する。 6. 3回目の小テストにおける論述問題によって、達成度を評価する。 *全ての小テスト及びレポート課題は論述形式である。 |
履修上の注意 Please Note |
不合格の場合は再履修すること. |
教員メッセージ Message from Lecturer |
本講義を理解する上で、2年次のコース科目である「情報数学(特にグラフ理論の理解)、確率・統計、言語処理系論(特に有限オートマトンの理解)」を修得していることが望ましい。 3日目の研究紹介の一部のトピックにおいては、1年次の学部共通の選択科目である「生物学入門」を学んでいる場合、より深い理解が可能と思われる。 |
学習・教育目標との対応 Learning and Educational Policy |
この授業科目は情報電子工学系学科の情報システム学コースとコンピュータ知能学コース の学習目標の以下の項目に対応している. [コンピュータサイエンス]情報工学の基礎知識と応用能力を身につける。 |
関連科目 Associated Courses |
・情報数学(特にグラフ理論の理解) ・確率・統計 ・言語処理系論(特に有限オートマトンの理解) |
備考 Remarks |