開講学期 Course Start |
2014年度 後期 |
授業区分 Regular or Intensive |
週間授業 |
対象学科 Department |
情報電子 |
対象学年 Year |
1 |
必修・選択 Mandatory or Elective |
選択 |
授業方法 Lecture or Seminar |
講義 |
授業科目名 Course Title |
線形空間入門 (情電) |
授業科目名(英語) Course Title |
[授業科目名(英語)] |
単位数 Number of Credits |
2 |
担当教員 Lecturer |
森田英章 |
教員室番号 Office |
Q410 |
連絡先(Tel) Telephone |
(緊急連絡はE-mailを利用のこと。) |
連絡先(E-mail) |
moritaアットmmm.muroran‐it.ac.jp ※緊急連絡に限る。件名に必ず学籍番号・氏名を記すこと。 |
オフィスアワー Office Hour |
2014年度後期:水曜10:30-11:30 |
授業のねらい Learning Objectives |
学部1年前期の線型代数では、行列の取り扱い方を学んだことと思うが、続編にあたるこの講義では、「そもそも行列とは何か」という問題を数学的見地から取り扱う予定である。すなわち、「線型空間」から「線型空間」への「線型写像」に対して、「線型空間」に「基底」をさだめることにより、考えている「線型写像」を具体的に取り扱うための道具として、行列は理解されることになる。そこでは、前期で導入した行列の和や積が、「線型写像」の「和」と「合成」に対応していることが理解されるし、同次連立一次方程式の解全体が、係数行列に対応する「線型写像」の「核」となることが理解されるであろう。その他モロモロ、前期で学んだ事柄が、抽象的な「線型空間」の枠組みのなかに昇華していく様を目の当たりにすることになる。 ただし、前期のように具体的な計算「のみ」で議論を進める事は、もはや不可能な段階に入る。ある程度抽象的な、あるいは代数的な議論にも触れざるを得ない。可能限り具体的な計算に基づき講義を進めていく予定ではあるが、大学入学後の早い段階で本格的な抽象論にもなじむことが、この講義のねらいでもある。 前期での線型代数を乗り越え、かつ抽象的な議論にも興味を持つ学生諸君は、受講されてみられればよろしいと思う。前期の線型代数が不合格であった諸君は、前期の線型代数を再履修し単位取得の後に、来年度受講されることを勧める。この講義の内容を理解するのに必要とされる能力は、行列の演算、連立一次方程式を解く、行列式の計算、逆行列の計算、以上を自信をもって行うことができることである。加えて、抽象論への「憧れ」をお持ちであれば、なおのこと望ましい。 |
到達度目標 Outcomes Measured By: |
(1)線型空間の議論、特に基底の概念をよく理解し、与えられた条件から部分空間の基底を求めることができる。 (2) 線型空間に基底が与えられているとき、線形写像を行列で表すことができ、また像や核を求めることができる。 (3) 線形変換の固有値・固有ベクトルを求めることができる。 (4) 行列の対角化ができる。 |
授業計画 Course Schedule |
総授業時間数(実時間):24時間 以下の各項を1〜3回かけて講義する。これは教科書の第4章と第5章の内容である。 1. 数ベクトル空間 2. 線型空間の公理 3. 線型空間の基底 4. 線形写像とその行列 5. 固有値と固有ベクトル 6. 対角化 |
教科書 Required Text |
線形代数 桂田・竹ヶ原・千吉良・長谷川・山崎 共著 (学術図書出版社/本体2000円) |
参考書 Required Materials |
1.入門線形代数 三宅敏恒 著 (培風館/本体1450円) # 2.線形写像と固有値 石川・上見・泉屋・三波・陳・西森 共著 (共立図書出版社/本体1600円) # 3. 齋藤正彦著「線形代数入門」東京大学出版会 基礎数学1、 定価1,995円(税込) 図書館に10冊所蔵あり |
教科書・参考書に関する備考 |
教科書欄の本は1年次前期科目「線形代数」で使用したものと同じ。 参考書は図書館にあり。 |
成績評価方法 Grading Guidelines |
成績評価には中間試験・定期試験・演習を用いる。 中間試験30%、定期試験50%、演習点20%で評価し、100点満点中60点以上を合格とする。再試験等は一切行わない。合格のための必要条件は、中間と定期の両方の試験を受験すること。および、演習を10回ほど行うが、そのうち 8 回以上提出すること。以上の2点である。到達度目標の評価は履修上の注意に示す方法で行う。 |
履修上の注意 Please Note |
この授業では講義のあとに演習がつく。話を聞いて理解することと、自分で実際にそれを実行することの間には壁がある。この壁を乗り越えることが、演習の主な目的である。それ以外に、講義では拾いきれない細かい話題や、後に出てくる話題の動機付けも演習の中で扱われる。 以下、演習についての注意点を挙げておく: ・演習問題は大別して I, II, III の三種類の問題群が用意されている。それを各自解答を作成して提出する。I, II, III それぞれいくつかの小問で構成されている。 ・I の問題群は、講義中に取り扱われた例題に準じた問題である。ノートを見ながらやれば、確実に解答できる。 ・ II の問題群は、I の問題群に計算的側面で若干の負荷をかけたもの、および話の流れの都合、あるいは時間的制約で授業中には扱えなかった諸事実を問題の形で提示したものが並ぶ。 ・ III の問題群は、理論的側面に重点をおいた問題や、将来の展開に対する動機付けを与える問題などが並ぶ。 ・ I の問題群を完全に解決していない答案、および日付欄に出題日が記載されていない答案は、提出物として認めない。 ・提出期限は原則としてその次の授業までである。より完成度を高めたい場合に限り、提出期限の延長を認める。その際は、私に一言断る事。 ・各提出物には、内容により S, A, B, C の評価が与えられる. S は3点、A は2点、B は1点、C は0点に換算され、その合計が演習点となる。ただし、20点をもって演習点の上限と定める。 ・I の問題群を完全に解決している提出物は, B 評価を得る資格を有する。ただし、その内容によっては評価が下がる場合がある。 ・II の問題群を完全に解決している提出物は, A 評価を得る資格を有する。ただし、その内容によっては評価が下がる場合がある。 ・III の問題群を完全に解決している提出物は, S 評価を得る資格を有する。ただし、その内容によっては評価が下がる場合がある。 ・提出期限を過ぎた提出物は、評価が下がる場合がある。 ・提出物は該当教室以外では受け取らない。 |
教員メッセージ Message from Lecturer |
分からないことがあれば質問すること。また、周囲の友人にも質問してみよ。学生同士の議論の方がむしろ効果的である場合が多い。断じて避けるべきは、わからない箇所に遭遇した際、自閉的にひたすら孤独の中で固まり続けることである。 |
学習・教育目標との対応 Learning and Educational Policy |
工学を学ぶための最も基礎的な科目の一つである。 電気電子工学コース・情報通信システム工学コースにおいては、 「(A)自然現象を理解するための基礎となる数学・物理学の知識を習得する」に対応する。 情報システム学コース・コンピュータ知能学コースの学習・教育到達目標においては、 「[情報基礎]数学と自然科学の基礎知識を身につける。」に対応する。 |
関連科目 Associated Courses |
線形代数(1年次前期必修科目) |
備考 Remarks |