開講学期
Course Start
2014年度 後期
授業区分
Regular or Intensive
週間授業
対象学科
Department
機械航空創造系学科
航空宇宙システム工学コース
対象学年
Year
3
必修・選択
Mandatory or Elective
必修
授業方法
Lecture or Seminar
受講者各自が設計・製作・飛行の実習に取り組む。
授業科目名
Course Title
航空宇宙機設計及び製作T
授業科目名(英語)
Course Title
[授業科目名(英語)]
単位数
Number of Credits
1
担当教員
Lecturer
溝端一秀
教員室番号
Office
S304
連絡先(Tel)
Telephone
外線からは0143-46-5368(直通)、または0143-46-5316(航空宇宙機システム研究センター、呼び出し)。
内線からは5368(直通)、または5316(航空宇宙機システム研究センター、呼び出し)。
いずれもファックス兼。
連絡先(E-mail)
E-mail
mizobata@mmm.muroran-it.ac.jp
(教員室が留守の場合はe-mailで連絡ください。)
オフィスアワー
Office Hour
毎週木曜日13:30〜14:30
授業のねらい
Learning Objectives
●「空気力学」、「飛行力学」、「姿勢安定」等の専門的基礎知識や「機械工作法」「製図」等の設計製作知識・技能を総合して、所要の機能を持つ航空機システムにまとめる素養を培います。
●特に、空気の力を活用して安定に滑空できる機体形状を実現する考え方を習得します。
(空気力を適切に利用するという観点の設計なので「空力設計」と呼びます。)
到達度目標
Outcomes Measured By:
飛行機の機体の構成要素それぞれの役割と、飛行機の飛行メカニズムの概略を理解する。
これを元にして、飛行機の簡単な空力形状を設計できる。
授業計画
Course Schedule
4年次の「航空宇宙機設計及び製作U」で3〜5名のグループで模型飛行機1機を設計・製作し、試験飛行する予定です。その機体設計を先取りして、一人一機ずつ模型飛行機を概略設計します。
授業はおよそ次の目安で進める予定ですが、設計・製作作業の進み具合に応じて臨機応変に対処します。

総授業時間数(実時間)24時間
●設計に必要な基礎知識の講義(3週)
 機体の構成・形状、主翼の形状と特性、舵面制御と安定、
 主翼取付角、水平尾翼取付角、脚配置、機体の大きさ・質量と旋回性能、等
●各自の設計と講評(9週)
 要求性能や設計方針の設定、機体の構成・形状・諸元の計画、立体図・三面図の作成(3D-CAD)、
 講評、および設計内容の修正
●縮小模型の設計・製作、およびその試験飛行を通した設計の妥当性検証(3週)
●まとめ(1週)

設計・製作作業のためには、授業時間だけでは足りないので、適宜放課後や空き時間に作業することが必須です。
教科書
Required Text
参考書
Required Materials
1)片柳亮二、「飛行機設計入門 −飛行機はどのように設計するのか」(日刊工業新聞社、2009、 ISBN-10: 4526063177, ISBN-13: 978-4526063176
#2)L. パズマニー著、内藤子生監修、「軽飛行機の設計法」(日本航空整備協会、1971)、ISBN 4930858232
#3)内藤子生、「飛行力学の実際」(再増補版)(日本航空技術協会、 1998)、ISBN 4930858267
#4)”Jane’s ALL THE WORLD’S AIRCRAFT”
#5)山名正夫・中口博、「飛行機設計論」(養賢堂、1968) 
教科書・参考書に関する備考 教科書はなし。授業では自作資料を適宜配付します。

上記参考書の補足説明:
1)空気力学・姿勢安定・飛行性能の観点から例題形式で飛行機設計の要点を解説している好著。日本語で書かれた飛行機設計の入門書としては、この文献が現時点でベストと思われます。
2)ある軽飛行機の設計・自作プロセスを簡潔・明快に解説しており、初めて飛行機を設計する際におおいに参考になります。図書館と担当教員の手元にあります。残念ながら絶版。
3)著者の長年の飛行機設計業務を通して得られた豊富な知見が凝縮されている。図書館と担当教員の手元にあります。
4)その年に世界で生産されている航空機(飛行機、ヘリ、等)について詳しく掲載しているバイブル的大図鑑(年鑑)。いろんな機体を見て美的センスを養うとともに、飛行機設計の参考とする目的で極めて有用。最新版ではありませんが図書館と担当教員の手元にあります。
5)飛行機設計の古典的バイブル。大著なので辞書的に読みこなすことが必要。図書館と担当教員の手元にあります。残念ながら絶版のようです。
成績評価方法
Grading Guidelines
以下の6点の提出物について、以下の通りの配点で採点します。
合計点について、100点満点中60点以上をもって合格とします。
1.「設計諸元申告表」において、機体諸元が適切に設定されているかどうか(15点)
2.「補足説明文書」において、主要な機体諸元や飛行性能が適切に計算されているか(15点)
3.「機体の立体図・三面図(CAD図面)」において、機体諸元が適切に表現されているか(25点)
4.「縮小模型の設計図」において、縮小機体の諸元や製作手順が適切に表現されているか(10点)
5.「縮小模型の実物」において、設計通りの縮小模型が製作されているか(15点)
6.「縮小模型の滑空状況を記録した映像ファイル」において、滑空性能および姿勢安定が確認されるか(20点)

なにをもって「適切」と判定するかについては、授業中に説明します。
履修上の注意
Please Note
不合格の場合は、翌年度再履修すること。
教員メッセージ
Message from Lecturer
この授業での設計内容を元にして、4年次の「航空宇宙機設及び製作U」で実際に模型飛行機(無線操縦、推進器付き)を作って飛ばす予定です。そのつもりでしっかりと設計すること。
最低限の予備知識は、この講義で説明しますが、それだけでは必ずしも十分でないので、飛行力学や飛行機設計法の参考書を自発的に勉強することを推奨します。
既存の飛行機や模型飛行機を観察したりネットで調べたりして、参考にすることも有用です。
学習・教育目標との対応
Learning and Educational
Policy
航空宇宙システム工学コースの学習目標のうち以下の項目に対応している。
(B) 航空宇宙システムエ学分野に必要な様々な知識、技術の習得
(C) 多様な要素を統合して、高度なものづくりを目指すシステム指向の工学的センスと、新たな問題点を見つけ、研究の目的、計画、遂行、評価を的確に行うための応用力、問題解決能力を修得
関連科目
Associated Courses
「飛行力学」および「航空機姿勢安定論」で学んだ知識や、「航空宇宙工学実験」で学んだペーパークラフト飛行機の製作・飛行方法を活用します。
また、本授業での設計内容を元にして、4年次の「航空宇宙機設及び製作U」で実際に模型飛行機(無線操縦、推進器付き)を作って試験飛行し、設計の妥当性を検証します。
本授業で使用する3D-CADの使い方は、同学期開講の「航空宇宙工学製図」で学びます。
備考
Remarks