開講学期 Course Start |
2012年度 前期 |
授業区分 Regular or Intensive |
週間授業 |
対象学科 Department |
機械航空創造系学科 材料工学コース |
対象学年 Year |
3 |
必修・選択 Mandatory or Elective |
選択 |
授業方法 Lecture or Seminar |
講義 |
授業科目名 Course Title |
材料電気化学 |
単位数 Number of Credits |
2 |
担当教員 Lecturer |
佐伯 功 |
教員室番号 Office |
K505 |
連絡先(Tel) Telephone |
0143-46-5634 |
連絡先(E-mail) |
isaos@mmm.muroran-it.ac.jp |
オフィスアワー Office Hour |
火曜日15:00-17:00 |
授業のねらい Learning Objectives |
電気化学は化学エネルギーと電気エネルギー間の直接相互変換に関連した学問であり、電気から化学への変換例としては電気分解やめっきが、逆の例としては電池、センサー、腐食があげられる。本講義ではこれら変換が起こる「溶液」、「電極」における電子やイオンの振る舞いと、電気化学反応を制御している種々の因子を基礎的に理解することを第一の目的とする。また、講義の後半では電気化学の応用分野に関して電池・燃料電池・腐食と防食・めっき・工業電解について取り扱い、電気化学が材料分野でどのように利用されているかを総合的な理解を促す。 |
到達度目標 Outcomes Measured By: |
1.溶液中の酸化還元反応を理解し、反応式を自由に書くことができる(基礎能力) 2.熱力学の知見に基づき電位の概念を理解し熱力学データを用い電気化学反応を予測することができる(基礎能力) 3.電極反応が起こる際の溶液中のイオンの振る舞いを理解し、電気化学反応実験データの解析ができる(応用力) 4.電気化学が実社会でどのように応用されているか理解し、近未来の技術開発に対して電気化学がどのように寄与できるかを考えることができる(総合理解とデザイン能力) |
授業計画 Course Schedule |
総授業時間数(実時間): 22.5 時間 1週目 シラバスの説明、本講義の概要、電気化学序論 電気化学系の姿 (1章 p.1-11) 2週目 溶液論 電解質 (1章 p.11-36) 3週目 電極平衡論(1) 起電力と電極電位 (1章 p.36-43) 4週目 電極平衡論(2) 起電力と電極電位 (1章 p.36-43) 5週目 化学反応速度論(1)律速過程と活性化エネルギー (資料電子媒体配布) 6週目 化学反応速度論(2)一次反応速度式 (資料電子媒体配布) 7週目 化学反応速度論(3)二次反応速度式 (資料電子媒体配布) 8週目 電極速度論(1) 電極反応 (1章 p.43-54) 9週目 電極速度論(2) 電極反応 (1章 p.43-54) 10週目 電極速度論(3) 電気化学測定法 (1章 p.54-65) 11週目 電気化学の応用(1) 電池 (2章 p.67-104) 12週目 電気化学の応用(2) 電池 (2章 p.67-104) 13週目 電気化学の応用(3) 燃料電池 (2章 p.104-116) 14週目 電気化学の応用(4) 腐食と防食 (2章 p.116-124) 15週目 電気化学の応用(5) めっき・電解とその他の電気化学の応用 (2章 p.124-135) |
教科書 Required Text |
金村聖志著「電気化学 基礎と応用」化学同人,定価2200円+税 |
参考書 Required Materials |
田村、松田「現代電気化学」培風館#、 喜多、魚崎「電気化学の基礎」技報堂出版# など |
教科書・参考書に関する備考 |
・教科書は開講までに購入しておくこと。また、指数・対数が計算できる電卓、定規が必要なので持参すること。 ・参考書はどちらも図書館に配本してあるが、大変内容の良い書物なので参照されたい。 |
成績評価方法 Grading Guidelines |
100点満点で評価する。各回の講義内容の復習課題を課し,期日までに提出された場合に3点満点X15=45点満点で評価する。期末試験は55点満点で採点する。これらの合計が60点に達した場合合格とする。 |
履修上の注意 Please Note |
1 定期試験に対して再試験を1回だけ実施する。例外はない。 2 授業中の質問は歓迎。オフィスアワーなどでの質問も適宜受け付ける 。 3 資料の配布、授業の変更や緊急時の連絡はすべてE-learning system Moodleで行う。 4 不合格の場合再履修しても良い。その場合、過去の出席状況や成績など一切の履歴は参照しない。 |
教員メッセージ Message from Lecturer |
電気化学は熱力学(物理化学)の応用分野である。熱力学や物理化学が主に概念の理解に重心を置いていたのに対し,電気化学では電位や電流という外乱に対する系の応答を解析的に結びつけることに力点がおかれている。従って,教科書に現れる数式のすべてが正しく理解され数値を用いて正確な解答を導く能力が求められる。個々の例題などを講義時間中に解答するのは時間的に不可能であり,これらはすべて提出課題として自ら取り組んでもらうようにすることとしたい。コンスタントに短時間の復習を繰り返すことにより,継続的学習能力を身につけてもらいたい。 |
学習・教育目標との対応 Learning and Educational Policy |
[材料工学コース]この授業の単位修得は学科の学習・教育目標の、 (D):材料工学の専門能力、に対応している。またJABEE基準1(1)の(d)(2):材料のプロセスに関する基本の理解、に対応している。 [応用物理コース(過年度)]この授業の単位修得は学科の学習・教育目標の、 (F):応用物理専門能力に対応している。またJABEE基準1(1)の(d)(1b)に対応している。 |
関連科目 Associated Courses |
[コース共通]この科目の履修にあたっては、1学年開講の熱力学の内容を理解していることが前提となる。 [材料工学コース]2学年次開講の物理化学A,Bの内容を理解していることが前提となる。関連科目は、3学年に開講の材料精製学である。 [応用物理コース(過年度)]2学年次に材料工学コースで開講の物理化学Bの内容を理解していることが前提となるため、修得を目指す学生は同科目の内容を自習して理解する必要がある。これはなかなか困難なことと思われるので注意されたい。 |
備考 Remarks |
[他学科履修について]応用化学コースの学生諸君は類似内容の講義が応用化学コースで開講されていますのでご遠慮願います。その他学科からの履修を歓迎します。そのさい、上記関連科目の知識があることを前提に講義を進め、成績評価は学生の所属によらず同じ基準で行いますので、その点理解の上講義に参加してください。 [出席要件について]身内のご不幸など、やむなき事情にて出席できないことがありうることを考慮して書いたものであり、理由なく欠席することを容認しているわけでは無いことを理解されたい。教務課に欠席届を提出しても、出席にはカウントしませんのでご注意ください。 |