開講学期
Course Start
2011年度 前期
授業区分
Regular or Intensive
週間授業
対象学科
Department
全学科
対象学年
Year
1
必修・選択
Mandatory or Elective
選択
授業方法
Lecture or Seminar
講義
授業科目名
Course Title
日本近現代史A
単位数
Number of Credits
2
担当教員
Lecturer
丸山博、一瀬啓恵
教員室番号
Office
Q301非常勤講師室
連絡先(Tel)
Telephone
5648
連絡先(E-mail)
E-mail
CZE15657@nifty.com
オフィスアワー
Office Hour
毎週水曜日
授業のねらい
Learning Objectives
 この講義では、明治維新から日清戦争後に至るまでの時期を中心に、明治国家がどのように形成されていったか、またその時代を生きた中江兆民がどのような思想を育み行動していったのかについてお話しします。ある時代について学ぶとき、われわれはついついその時代に生きていた人々を「一色」でとらえてしまいがちですが、実際はどのような時代であっても「いろいろな考えをもつ」人々がおり、年齢や性別、本人を取り巻く環境や思想信条により、その時代におこった出来事に対して深く関与する場合もあれば、全く無関心である場合もあるはずです。そこで今回の講義では、明治国家の形成過程について解説するとともに、江戸幕府が滅亡し明治新政府が発足したときちょうど20才だった中江兆民が、その後起ったさまざまな出来事の何に関わり、明治という時代をどのように生きたのかについて明らかにしていきたいと思います。
到達度目標
Outcomes Measured By:
(1)明治維新から日清戦争後にいたるまでの明治国家の形成について理解する。
(2)中江兆民を題材として、明治維新から日清戦争にいたるまでの激動の時代に、日本人がどのように生き、 どのような考え方を育んだかを理解する。
(3)中江兆民の著書『三酔人経綸問答』を読み、その内容を考察する。
授業計画
Course Schedule
第1回 ガイダンス
第2回 幕末の土佐藩と中江兆民
第3回 岩倉使節団の派遣と兆民の留学
第4回 自由民権運動の展開と帰国後の兆民
第5回 東洋自由新聞の発行と明治14年の政変
第6回 『民約訳解』と民権運動の再結集
第7回 『三酔人経綸問答』を読む(1)
第8回 『三酔人経綸問答』を読む(2)
第9回 『三酔人経綸問答』を読む(3)
第10回 『三酔人経綸問答』を読む(4)
第11回 『三酔人経綸問答』を読む(5)
第12回 第一議会と兆民
第13回 日清戦争前後の兆民
第14回 立憲政友会の成立
第15回 兆民の死

総時間22時間30分
教科書
Required Text
桑原武夫・島田虔次訳・校注『中江兆民・三酔人経綸問答』(岩波文庫、1965年、756円)
参考書
Required Materials
 井上勝生『シリーズ日本近現代史@ 幕末・維新』(岩波新書、2006年)
 牧原憲夫『シリーズ日本近現代史A 民権と憲法』(岩波新書、2006年)
 原田敬一『シリーズ日本近現代史B 日清・日露戦争』(岩波新書、2007年)
 鈴木淳『日本の歴史20 維新の構想と展開』(講談社、2002年)
 松本健一『日本の近代1 開国・維新』(中央公論社、1998年)
 坂本多加雄『日本の近代2 明治国家の建設』(中央公論社、1998年)
 飛鳥井雅道『人物叢書 中江兆民』(吉川弘文館、1999年)
 
教科書・参考書に関する備考 第6回の講義までは、レジュメを配布し、それにそって講義する。
第7回から第11回の講義では、『三酔人経綸問答』を使用するので購入しておくこと。
第12回から第15回の講義は、再びレジュメにそって講義する。

 
成績評価方法
Grading Guidelines
 講義中に書いてもらう意見・感想を3割、定期試験を7割として総合的に評価する。
 100点満点中60点以上で合格とする。
履修上の注意
Please Note
 受講者には、毎回講義中に5〜10分程度の時間を使って、講義で紹介する史料や講義内容そのものに対して意見や感想を書いてもらい、毎回提出してもらう。これらは講義の第8回と最終回に評価をして返却するが、この評価は全体の成績評価にも加えるので、講義に出席していても、「自分なりの意見」が持てない場合は、必然的に成績評価も下がることになる。
 定期試験は2000字程度で、与えられたテーマを論じる。
 不合格者に対する再試験は行わない。
教員メッセージ
Message from Lecturer
 講義で扱う時期は1868年〜1900年ごろまでの比較的短い時期だが、明治維新という変革や、明治国家という「近代国家の誕生」について、また自由民権運動や憲法について、あるいは外交について興味のある学生に受講をすすめたい。講義のなかでは、高等学校程度の日本史の知識がなくても修得が可能なように、基礎的な事項にも解説を加えるつもりである。
学習・教育目標との対応
Learning and Educational
Policy
JABEE基準 (a)多面的に物事を考える能力 の達成に寄与する。
関連科目
Associated Courses
2011年度 日本近現代史B
備考
Remarks