開講学期 Course Start |
2011年度 後期 |
授業区分 Regular or Intensive |
週間授業 |
対象学科 Department |
公共システム工学専攻 |
対象学年 Year |
1 |
必修・選択 Mandatory or Elective |
選択 |
授業方法 Lecture or Seminar |
講義 |
授業科目名 Course Title |
憲法と公共システム |
単位数 Number of Credits |
2 |
担当教員 Lecturer |
奥野恒久 |
教員室番号 Office |
Q−606 |
連絡先(Tel) Telephone |
0143−46−5821 |
連絡先(E-mail) |
okuno@mmm.muroran-it.ac.jp |
オフィスアワー Office Hour |
月曜日:16時30分〜17時30分 水曜日:12時〜13時 会議等が入る可能性がありますので、あらかじめメール等でご連絡いただけると助かります。 |
授業のねらい Learning Objectives |
現在、日本の政治制度も、教育・福祉、そして平和のあり方も、いわば我々を取り巻くシステム自体が揺れ動いている。憲法とは、いうまでもなく国家の最高法であり、国民によって支えられるべく法である。改憲論も主張される中で、改めて日本国憲法がどのようなシステムを構想しているのかを考察し、現代社会との関連を検討する。 |
到達度目標 Outcomes Measured By: |
1.近代立憲主義をはじめ、憲法理論を支える基本原理を理解する。 2.近代から現代への歴史発展の中で、憲法イメージの変遷を理解する。 3.基本的な憲法理論、学説、判例を理解する。 4.リベラリズムをはじめとする憲法感覚や人権感覚を身につける。 5.現在の行政や市民社会に対する日本国憲法の可能性を検討する。 6.民主主義のありようについて、現在の日本社会と照らしつつ検討する。 7.民主主義論・憲法理論にかかわる古典を読む力をつける。 8.憲法学の基本事項や憲法問題について、自分の意見を述べれる力を身につける。 |
授業計画 Course Schedule |
総授業時間:45分/60分×2×15=22.5時間 1.ガイダンス 「憲法とはどんな法か、立憲主義とはどのような考え方か説明しなさい」 憲法と立憲主義、芦部信喜『憲法』3頁〜7頁 2.チラシ配布と表現の自由@ 「表現の自由の意義について述べなさい」 表現の自由の優越的地位、二重の基準論、萎縮効果論 3.チラシ配布と表現の自由A 「チラシ配布をめぐる昨今の判決を検討しなさい」 立川テント村事件、葛飾事件 4.刑事手続と憲法@ 「無罪の推定原則について述べなさい」 足利事件、刑事手続 5.刑事手続と憲法A 「公訴時効を廃止したことの是非」 日本の刑罰、時効制度 6.アイヌ民族の文化享有権@ 「二風谷ダム訴訟の概要について述べなさい」 二風谷ダム訴訟の概要 7.アイヌ民族の文化享有権A 「文化享有権について説明しなし」 権利論としての「集団の権利」の可能性 8.アイヌ民族の文化享有権B 「価値対立に対するリベラリズムの対応について検討しなさい」 リベラリズムと共同体主義、二風谷ダム訴訟札幌地裁判決の民主主義観 9.平和的生存権@ 「日本の違憲審査制の特質について述べなさい」 日本の違憲審査制度、付随的審査制と抽象的審査制 10.平和的生存権A 「長沼訴訟1審・2審、そして最高裁判決について比較しなさい」 長沼訴訟 11.平和的生存権B 「平和的生存権をめぐる学説について整理しなさい」 平和的生存権をめぐる学説、百里基地訴訟最高裁 12.平和的生存権C 「憲法9条の実現は、裁判所によってか民主的プロセスによってか、意見を述べなさい」 自衛隊イラク派遣違憲訴訟、名古屋高裁判決 13.選挙をめぐる諸問題@ 「『一票の格差』をめぐる判例を整理しなさい」 法の下の平等、一人一票の原則の射程 14.選挙をめぐる諸問題A 「小選挙区制と比例代表制の違いについて述べなさい」 日本の選挙制度 15.選挙をめぐる諸問題B「定住外国人の参政権について、意見を述べなさい」 定住外国人の参政権 |
教科書 Required Text |
毎回の講義にて、配布・紹介する。 ハンナ・アレント著/志水速雄訳『人間の条件』を輪読したい。 場合によっては、政治理論の概説書として評判の高い Kymlicka,Contemporary Political Philosophy,Second Edition, Oxford University Press(2002) を原書で読むことも考えたい。 |
参考書 Required Materials |
平野武、片山智彦、奥野恒久『増補版・基礎コース憲法』(晃洋書房、2008年) ♯ 民主主義科学者協会法律部会編 法律時報増刊号『改憲・改革と法』(日本評論社、2008年) ♯ 浦部法穂『憲法学教室(全訂第2版)』(日本評論社、2006年) ♯ 辻村みよ子『憲法(第3版)』(日本評論社、2008年) ♯ 芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法(第4版)』(岩波書店、2007年) ♯ 高橋和之、長谷部恭男、石川健治編 ジュリスト『憲法判例百選』T・U(有斐閣、2007年) ♯ 上田勝美『立憲平和主義と人権』(法律文化社、2005年) ♯ 山内敏弘『平和憲法の理論』(日本評論社、1992年) ♯ 小林武『平和的生存権の弁証』(日本評論社、2006年) ♯ 長谷部恭男編著『リーディングズ・現代の憲法』(日本評論社、1995年) ♯ 紙谷雅子編著『日本国憲法を読み直す』(日本経済新聞社、2000年) ♯ |
教科書・参考書に関する備考 | |
成績評価方法 Grading Guidelines |
テストは行わない。毎回、事前に課題をこなしていただき、授業中に報告(40点)してもらう。 数回、レポートを提出してもらう(60点)。 計100点満点で評価し、60点以上を合格とする。 |
履修上の注意 Please Note |
不合格者は再度履修していただく。 |
教員メッセージ Message from Lecturer |
毎回それなりの課題をこなしていただきことになります。 ただ、履修者の希望など、状況に応じて変更することもあります。 |
学習・教育目標との対応 Learning and Educational Policy |
公共システム工学専攻学習・教育目標 (1)分析・解決能力 (3)コミュニケーション能力 に対応する |
関連科目 Associated Courses |
地方行政論T、地方行政論U |
備考 Remarks |
特になし |