開講学期 | 2010年度 後期 |
授業区分 | 週間授業 |
対象学科 | 応用理化学系学科 |
対象学年 | 2 |
必修・選択 | 必修 |
授業方法 | 講義 |
授業科目名 | 物理化学B (バイオコース) |
単位数 | 2 |
担当教員 | 古賀俊勝 |
教員室番号 | H408 |
連絡先(Tel) | 内線5722 |
連絡先(E-mail) | koga@mmm.muroran-it.ac.jp |
オフィスアワー | 木曜日 午前10時−正午 |
授業のねらい |
熱力学と量子論は物理化学の2本の柱である。本講では、量子論について講述する。 その誕生から1世紀にも達していないにもかかわらず、今日の科学・技術を量子論を抜きにして語ることはできない。私達の日常生活においても、多くの量子論の恩恵を被っている。他方、量子論とは、難しいもの、理解し難いものという印象も持たれている。 本講では、なぜ量子論が誕生せざるを得なかったかという簡単な歴史から出発して、量子論の基本的な考え方を紹介する。簡単な力学系を利用して、直接、目で見る事のできない世界を、量子論はどの様に「見る」か、という点に重点をおいて、古典力学との対比の上で、量子論という非直感的な、それでいて先端技術を支える学問の世界への導入を行なう。 |
到達度目標 |
1.Planckの量子仮説など、量子論誕生の背景を知る。(25%) 2.一次元の箱中の粒子の問題を通して、量子論の考え方に慣れる。(25%) 3.量子論の基礎となる五つの仮説と一般原理を理解する。(25%) 4.特に、Schroedinger方程式、ハミルトン演算子、波動関数の重要性を理解する。(25%) |
授業計画 |
総授業時間数(実時間);22.5時間 第1週−第4週 量子論の夜明け(第1章) 第1週 電子の発見・黒体輻射・Planckの量子仮説 第2週 光電効果とEinsteinの光量子説・水素原子のスペクトル 第3週 Rydbergの式・de Bloglieの物質波 第4週 水素原子のBohrモデル・Heisenbergの不確定性原理 第5週−第9週 Schroedinger方程式と箱中の粒子(第3章) 第5週 時間に依存しないSchroedinger方程式・線形演算子 第6週 固有値問題・一次元の箱中の粒子の問題と波動関数の確率論的解釈 第7週 箱中の粒子のエネルギーと波動関数・波動関数の規格化 第8週 粒子の平均位置と平均運動量・位置と運動量の不確定性 第9週 三次元の箱中の粒子の問題と変数分離法 第10週−第15週 量子力学の仮説と一般原理(第4章) 第10週 波動関数 第11週 演算子 第12週 観測量と平均値 第13週 時間に依存するSchroedinger方程式 第14週 規格直交系とエルミート演算子 第15週 演算子の可換性と不確定性原理 |
教科書 |
D. A. McQuarrie and J. D. Simon著、千原秀昭・江口太郎・齋藤一弥訳、「物理化学(上)」、東京化学同人 この教科書は「量子化学」および「分子分光学」でも使用する。 |
参考書 | 一般に、「量子論」、「量子力学」、「量子化学」などと題する図書は、いずれも参考となる。 |
教科書・参考書に関する備考 | |
成績評価方法 | 定期試験により評価する。 |
履修上の注意 |
再試験は行わない。不合格者は再履修とする。 本講の内容は、「量子化学」の基礎となっている。 |
教員メッセージ | 人間の目で直接には見ることのできない世界を「見る」ための道具は数学的論理です。 |
学習・教育目標との対応 | この科目は、応用理化学系科(応用化学コース及びバイオシステムコース)の学習目標のB(専門)の達成に寄与する。 |
関連科目 | 量子化学(選択)・分子分光学(選択) |
備考 |