開講学期 2010年度 前期
授業区分 週間授業
対象学科
対象学年 1
必修・選択 必修
授業方法 講義
授業科目名 物理化学A
単位数 2
担当教員 平井伸治
教員室番号 K-204
連絡先(Tel) 46-5636
連絡先(E-mail) hirai@mmm.muroran-it.ac.jp
オフィスアワー 水曜日 9:30〜12:00, 木曜日 9:30〜12:00
授業のねらい 1)エントロピーを用い物理的・化学的な変化の自発性起源の理解する。2)平衡定数に対する温度と圧力の影響を論じるときに役立つギブスエネルギーを理解する。
到達度目標 私達の世界では自然に起こる現象もあるし、そうでないものもある。熱い物体は周囲の温度まで冷えるし、化学反応はある方向に進むが他の方向には進まない。この現象は我々の世界の何かが自発的な変化の方向を規定している。自発的変化の方向を決めるのは、熱力学の第二法則に基礎を置いている。
本講義では、最初に熱力学第一法則の基礎的概念および方法論について復習する。次に、熱力学第二法則の基礎的概念および方法論について講義するとともに、私達の世界で身近な純物質・混合物の物理化学的変化の原理について簡単に触れる。
授業計画 総授業時間数(実時間): 22.5 時間
第1週から第6週までは、教科書「アトキンス 物理化学 上(第8版)」の第1章「気体の性質」と第2章「第一法則」、第6週から第11週までは、第3章の「第二法則」、第13週から第15週までは第4章の「純物質の物理的な変態」と第5章「単純な混合物、混合物の熱力学的な記述」に沿って講義を進める。
 第1週 気体の性質(圧力の単位、ドルトンの法則、ファンデルワールスの式)
 第2週 内部エネルギー、膨張の仕事
 第3週 エンタルピーの定義とエンタルピー変化の測定 
 第4週 熱化学(標準エンタルピー変化、キルヒホフの法則)
 第5週 定容熱容量と定圧熱容量
 第6週 断熱膨張(ジュール-トムソン効果)
 第7週 自発変化の方向とエントロピー(系と外界のエントロピー)
 第8週 トルートンの規則、熱力学第3法則
 第9週 ヘルムホルツエネルギーとギブスエネルギー
第10週 第一法則と第二法則の結合
 第11週 ギブズエネルギーの性質、フガシティーの概念
 第12週 水と二酸化炭素の相図
 第13週 化学ポテンシャル(混合物の熱力学的な記述) 
 第14週 相の安定性と相転移
 第15週 本講義の総括とまとめ   
教科書 教科書:P.W.Atkins著 千原秀昭・中村亘男訳
「アトキンス 物理化学 上(第8版)」(東京化学同人)
(第1章〜第4章、第5章の混合物の熱力学的な記述)
参考書 (1)P.W.Atkins著 千原秀昭・中村亘男訳
「アトキンス 物理化学要論(第3版)」(東京化学同人)
(2)G.M.Barrow著 大門 寛、堂免一成訳
「バーロー物理化学(上)(第6版)」(東京化学同人)  
教科書・参考書に関する備考
成績評価方法 毎回、演習を課して理解度を評価しながら講義を進める。また、成績は毎回の演習(15点)と定期試験(100点)を合計し、100点満点で60点以上を合格とする。
履修上の注意 偏導関数は、「熱力学演習」において修得したものとして、講義を進める。
試験:毎回の演習の他、定期試験を行う。
教員メッセージ 積み重ねの学問であり、1年前期の「熱力学」が基礎になっている。。最近のトピックスに触れながら平易な講義に努める。理解不足の場合は質問してほしい。
学習・教育目標との対応 材料物性工学科応用物理コースのJABEE基準(c),(d)-(1a),学習・教育目標の(F)に対応
材料工学コースの学習・教育目標の(C)(D)に対応
JABEE基準1(1)の(c),(d)-1に対応 
関連科目 1年前期の「熱力学」(必修)と1年後期の「熱力学演習」(必修)、今後、関連する科目は2年前期の「物理化学B」(必修)、3年前期の「材料精製学」(必修)
備考