開講学期 2010年度 後期
授業区分 週間授業
対象学科 <思考と数理>コース
対象学年 2
必修・選択 選択
授業方法 講義
授業科目名 認識の哲学
単位数 2
担当教員 二宮公太郎
教員室番号 Q612
連絡先(Tel) 0143−46−5822
連絡先(E-mail) ninom@mmm.muroran-it.ac.jp
オフィスアワー 水曜7・8時限
授業のねらい 哲学的なものの考え方のモデルとして、近世哲学を拓いたデカルトの主著『省察』から、その形而上学認識論を講義する。 また、これと対比する意味で、現代の認識論を代表するフッサールの現象学について、その基本的な骨格を講義する。
到達度目標 1.デカルトの『省察』から、論理の展開の仕方を学ぶ。
2.フッサールの現象学から、認識の基本的な構造を知る。
3.両者を通じて、哲学的なものの考え方を追体験し、それに馴染む。
授業計画 初回 授業全体の概要
     *
デカルトの『省察』【10回程度】
○「方法的懐疑」
○「私は考える。ゆえに私は存在する。」
○ 神の存在(第一証明・第二証明)
○ 神の誠実(明晰・判明性の規則)
○ 存在証明に対する批判(循環論証、フォイエルバッハ、カント)
○ 判断の構造 ○ 誤謬の原因
○ 数学的真理の存在
○ 神の存在(第三証明) ○ 存在証明に対する批判(カント)
○ 心身の実在的区別 ○物体(身体)の存在 ○心身の結合
○[時間があれば]デカルト哲学の構造
     *
フッサールの現象学【4回程度】
○ 入門―――知覚の場面で
○ 発生的現象学―――「射影」と「地平」、時間意識と「生きた現在」、身体性と「キネステーゼ」
○ <ノエシス−ノエマ>分析―――「統握」と「意味の核」、「定立」と存在、真理と明証
○ 作用性格と「基づけ」関係―――表象・感情・意志・表現 
○ 現象学の方法―――「還元」
総授業時間=22.5時間
教科書 二宮著『《私》の哲学史――近世アプリオリズムの認識論・倫理学入門――』第一章分冊、 コピー配布
二宮著「フッサール哲学早分り」(『室蘭工業大学紀要』第52号抜刷)、コピー配布
参考書 [バイト数が本欄の規定最大値を超えるため、平成19年度シラバス {http://sopen.cc.muroran-it.ac.jp/2007/HTML/196912112.html} の該当箇所を御覧ください。]  
教科書・参考書に関する備考
成績評価方法 学期末のレポートによる。 デカルトないしフッサールに関して、授業をまとめ、さらに自分の考えを論ずる、ということを課題とする。 ポイントをよく把握しているか、どれだけ自分の頭で考えているか、によって評価する。
100点満点の60点以上が合格。
履修上の注意 成績が「不可」だったひとは再履修。
教員メッセージ 哲学から人間の認識を考察するとき、<我々は常に意識の内に生きている>ということの洞察が出発点となる。学生諸君には、何よりもこのことを実感してもらいたい。
学習・教育目標との対応 JABEE基準1(1)「(a):地球的視点から多面的に物事を考える能力とその素養」に対応。
関連科目 哲学入門A、哲学入門B、自己理解のサイエンス、ゼミナール思考と数理A
備考