開講学期 | 2009年度 後期 |
授業区分 | 週間授業 |
対象学科 | 情報工学科 |
対象学年 | 3 |
必修・選択 | 選択 |
授業方法 | 講義 |
授業科目名 | 認識と学習 |
単位数 | 2 |
担当教員 | 渡部 修 |
教員室番号 | V503 |
連絡先(Tel) | |
連絡先(E-mail) | watanabe@csse.muroran-it.ac.jp |
オフィスアワー | 火曜日16:30-17:30(R308にて実施) |
授業のねらい | 情報関連技術の高度化と普及に伴い,現在の情報科学で扱う情報は多様化・複雑化が急速に進んでいる.しかし,計算機の処理能力が向上しても,あらゆる状況に対し適切な処理を行うシステムの構築は簡単ではない.なぜなら,様々な状況を事前に想定し,その処理方法を逐一プログラムするには限界があるためである.このため,現在の情報処理システムは,単なる計算機ではなく,現在の状況を「認識」し自ら「学習」することで適応的な処理を行う,知的なシステムであることが求められている.本講義では,情報処理システムの「認識」と「学習」に関する基礎的な理論を理解し,アルゴリズム化できる能力を習得する. |
到達度目標 |
1.パターン認識と学習に関する基礎的な理論を理解する(理解力,50%). 2.認識と学習で学んだアルゴリズムのふるまいを,具体的な例題を用いて検証できる(計算力,50%). |
授業計画 |
1週目 認識と学習概論(講義のねらいと内容についての説明) 2週目 特徴空間と最近傍決定則(NN法)(教科書第1章) 3週目 最近傍決定則(NN法)の定式化(教科書4.1〜4.2節) 4週目 パーセプトロン学習(教科書4.3節) 5週目 最近傍決定則(NN法)の拡張(教科書4.4節) 6週目 誤差評価に基づく学習(教科書第5章) 7週目 中間試験 8週目 中間試験の解答 9週目 サポートベクトルマシン(SVM)(1)(教科書6.1節) 10週目 サポートベクトルマシン(SVM)(2)(教科書6.1節) 11週目 誤差逆伝播学習法(BP)(1)(教科書6.2節) 12週目 誤差逆伝播学習法(BP)(2)(教科書6.2節) 13週目 データの統計的性質(1)(教科書7.1節) 14週目 データの統計的性質(2)(教科書7.2節) 15週目 認識性能の評価(教科書第8節) |
教科書 | ・荒木雅弘,「フリーソフトでつくる音声認識システム」,森北出版(3,400円+税) |
参考書 | ・石井健一郎,上田修功,前田英作,村瀬洋,「わかりやすいパターン認識」,オーム社(2,800円+税) |
教科書・参考書に関する備考 | 上記の参考書では,教科書に記載されている内容が,特に理論的事項を中心に詳しく説明されています.併読を薦めます. |
成績評価方法 |
・定期試験(70点)と中間テスト(30点)の結果によって評価する. ・上記の合計点が,100点満点中60点以上の場合合格とする. |
履修上の注意 | 不合格者は再履修すること. |
教員メッセージ |
・基礎として線形代数と初歩の確率論が必要になる.講義中に必要最小限の説明は行うが,各自で必要な知識を復習しておくことが望ましい. ・「認識と学習」で学ぶ柔軟で適応的な情報処理技術は,情報科学のあらゆる場面で必要とされるものである.本講で扱う内容は,現在も新たな知見が続々と集積されつつある進展中の分野であり,将来研究開発の一線に立つ諸君に,今後様々な応用が見込まれるこの分野に対応できるよう,その基礎理論と考え方について理解を深めるものである. |
学習・教育目標との対応 |
この授業科目は情報工学科の学習目標の以下の項目に対応している. ・情報技術者[コンピュータサイエンス]情報工学の基礎知識と応用能力を身につける. |
関連科目 |
・履修の必須要件となる科目はないが,1年次開講の「線形代数」,2年次開講の「確率・統計」,3年次開講の「視覚情報処理」の内容を修得していると理解しやすい. ・講義「認識と学習応用演習」では,本講義で学ぶ内容を実習を通して習得する. |
備考 |