開講学期 | 2009年度 前期 |
授業区分 | 週間授業 |
対象学科 | 全学科 |
対象学年 | 3 |
必修・選択 | 選択 |
授業方法 | 基本的に講義ですが、グループ発表等も行う予定です。 |
授業科目名 | 基本的人権論 (建設・情報・応化) |
単位数 | 2 |
担当教員 | 奥野恒久 |
教員室番号 | Q−606 |
連絡先(Tel) | 0143−46−5821 |
連絡先(E-mail) | okuno@mmm.muroran-it.ac.jp |
オフィスアワー | 月曜日17時〜18時、木曜日10時30分〜11時30分 |
授業のねらい | 近代立憲主義の成立から現代民主主義国家への変遷、そして1990年代以降推進されてきた新自由主義改革とその後。私たちは今、どのような時代・社会を生きているのでしょうか。このような問題関心のもと、刑事手続や労働、そして家族をめぐる様々な問題について、憲法論、人権論の視点から考えていきます。 |
到達度目標 |
1.犯罪や労働をめぐる現状、とりわけ問題点を知る。 2.立憲主義やリベラリズムという考え方を理解する。 3.さまざまな問題を解決するための方途を、憲法理論や裁判例、日本国憲法・刑事訴訟法・労働基準法等の 法律の解釈を通じて探る。 4.「構成要件」論や「立証責任」、「解雇権濫用の法理」といった法律学特有の議論や考え方を最低限理解す る。 5.議論や問題状況の整理と自らの主張をできるようにする。 |
授業計画 |
1.信教の自由とリベラリズム 殉職自衛官の合祀問題 2.良心の自由とリベラリズム 「日の丸・君が代」問題 3.憲法と教育 教育基本法の改定、旭川学力テスト事件 4.人権の私人間効力 三菱樹脂事件、日産自動車事件 5.平等原則と家族法T 夫婦別姓問題、女性の再婚禁止期間をめぐる問題 6.平等原則と家族法U 親子間の問題、国籍法 7.人権の享有主体 定住外国人の政治参加の権利、公務就任権 8.立憲主義と刑事権力 冤罪、志布志事件、罪刑法定主義、無罪の推定 9.刑事手続 犯罪捜査、公判手続 10.裁判員制度 被告人の利益と司法への国民参加 11.死刑制度 グループ討論を予定 12.近代憲法と現代憲法 二重の基準論、自由権と社会権、アメリカでの憲法革命 13.職に就くことと法 憲法と労働法、派遣労働 14.労働条件をめぐる問題 労働時間、賃金、マクドナルド店長事件 15.職を辞すことと法 解雇権濫用の法理 |
教科書 |
教科書というわけではありませんが、野中俊彦・江橋崇編著『憲法判例集』(有斐閣新書、2004年)950円と、『デイリー六法』(三省堂)1700円など、何でもいいですから、日本国憲法、刑事訴訟法、刑法、民法、労働基準法、労働組合法などをすぐに見ることができるようにしておいてください。 基本的に毎回、レジュメを配布します。欠席した人用に、奥野研究室前の棚に残部を置いておきますので、欠席した人は各自取りにきてください。 |
参考書 |
平野武・片山智彦・奥野恒久『増補版・基礎コース憲法』(晃洋書房、2006年) 民主主義科学者協会法律部会編 法律時報増刊号『改憲・改革と法』(日本評論社、2008年) 浜村彰ほか『ベーシック労働法』(有斐閣アルマ、2004年) 西谷敏『規制が支える自己決定』(法律文化社、2004年) 森岡孝二『働きすぎの時代』(岩波新書、2005年) 橘木俊詔『格差社会』(岩波新書、2006年) 中野麻美『労働ダンピング』(岩波新書、2006年) 二宮周平『家族と法』(岩波新書、2007年) 山口厚『刑法入門』(岩波新書、2008年) 笹山尚人『労働法はぼくらの味方!』(岩波ジュニア新書、2009年) |
教科書・参考書に関する備考 | |
成績評価方法 | 学期末試験の得点(80点)と、時折課すレポート、小テスト、個人・グループ発表(20点)とで評価し、60点以上を合格とします。方針を変更する場合は事前に連絡いたします。 |
履修上の注意 | 追試や再試は行いません。したがって、不合格者は再履修してもらうことになります。病気などやむにやまれぬ事情が生じたさいは、学期末試験の前日までに連絡をください。個別に対応します。 |
教員メッセージ |
担当者は、講義に全力投球することを約束します。どうか、受講生の皆さんも積極的に授業づくりに参画してください。2年次の「平和と憲法」以上に、受講生の発言を求めるつもりです。 担当者は月に一度、室蘭市民と「憲法を学ぶ会」、学生と「室蘭工大・憲法研究会」を開いて、一緒に勉強しています。関心のある人はご一報ください。 |
学習・教育目標との対応 |
JABEE基準 (a)地球的視点から多面的に物事を考える能力 (b)技術者が社会に対して負っている責任に関する理解 |
関連科目 | 「日本の憲法」「平和と憲法」を履修していることが望ましい。今後の関連科目は、4年次のゼミナール「市民と公共A」です。 |
備考 | 質問などのある人は、気軽に研究室に訪ねてきてください。 |