開講学期 2009年度 前期
授業区分 週間授業
対象学科 機械システム工学科
対象学年 2
必修・選択 必修
授業方法 講義
授業科目名 流体力学T
単位数 2
担当教員 杉山 弘
教員室番号 B208
連絡先(Tel) 0143-46-5364
連絡先(E-mail) sugiyama@mmm.muroran-it.ac.jp
オフィスアワー 月曜日 16:30〜17:30, 木曜日 16:30〜17:30
授業のねらい 水と空気で代表される液体と気体を総称して流体というが,流体力学は,流体の性質や動き(流れという)を理解し,ポンプ,送風機などの流体機械,航空機,高圧装置などの設計や運転に役立たせる学問である.流体力学Tでは,流れ現象の基礎,管内の1次元流れと抵抗,エネルギー損失,流れの計測などについて,理解,修得する.
到達度目標 1.静止状態にある流体の性質が理解でき,圧力の測定ができ,壁面に作用する流体の圧力による力が算出できる.(理解力,計算力)
2.流れている流体に対するベルヌーイの式が理解でき,この式の応用ができる.(理解力,応用力)
3.円管内の流れ(層流と乱流)の性質が理解でき,円管内流れの圧力損失が算出できる.(理解力,計算力)
4.流れの中にある物体に働く流体抵抗(抗力)と揚力の性質が理解でき,抗力係数と揚力係数を用い,物体に働く抗力と揚力が計算できる.(理解力,計算力)
5.流体の運動量の法則が理解でき,この法則が応用できる.(理解力,応用力)

授業計画  1週目 流体とは                                            p.1−10(教科書) 
 2週目 流れの基礎的現象(定常流と非定常流,層流と乱流,管内流と圧力損失)    p.11−14
 3週目 流れの基礎的現象(揚力と抗力,境界層と流れのはく離,渦)            p.15−21
 4週目 流体の静力学(圧力,圧力の測定) p.22−27
 5週目 流体の静力学(全圧力,圧力の中心,浮力と浮体,相対的静止)          p.28−36
 6週目 流れの基礎式(連続の式,ベルヌーイの式)                        p.37−41
 7週目 流れの相似則(レイノルズ数,フルード数)                        p.42−48
 8週目 演習問題
 9週目 管内流れ(円管流れの圧力降下と層流・乱流,十分発達した円管流れ)      p.49−53
10週目 管内流れ(円管流れの圧力降下と乱流,拡大管内の流れ)              p.54−61
11週目 物体まわりの流れ(平板上の境界層と抗力,円柱まわりの流れと抗力)      p.63−69
12週目 物体まわりの流れ(抗力の計算,翼まわりの流れと揚力・抗力)           p.69−74
13週目 運動量の法則(運動量の式の導出)                            p.75−77
14週目 運動量の法則(運動量の法則の応用)                           p.77−86
15週目 流れの計測                                           p.87−99 
      定期試験
教科書 加藤 宏編「ポイントを学ぶ 流れの力学」丸善(1986年) 定価(2400円+税)
参考書 加藤宏編 「例題で学ぶ 流れの力学」 丸善(1990年) 定価(2400円+税) (図書館に所蔵あり)#
杉山弘・遠藤剛・新井隆景著 「流体力学」 森北出版(1995年) 定価(2300円+税)(図書館に所蔵) 
教科書・参考書に関する備考 他に授業に必要な資料は適宜プリントとして配布する.
成績評価方法 定期試験で評価する.100点満点で60点以上を合格とする.
履修上の注意 (1)80%以上の出席が必要.
(2)不合格者に対しては,授業への出席状況が良好で,定期試験で一定の評価点以上を得た者に対し,再試験を行う.100点満点中,60点以上を合格とする.
(3)再試験で不合格になった者は次年度再履修すること.
教員メッセージ 流体力学は,水,空気,ガスを使う日常生活や,自動車,航空機まわりの流れ,各種の工業,および最近のエネルギーや地球環境問題,バイオ技術などと関連し,大変重要です.私たち人類は,水惑星である地球上で,大気(空気)の中で生活しています.私たちの体の中では,血液・酸素などの流体が常に流れています.これらのことに目を向ければ,流体の流れは身近にある物理現象であることがわかります.流体力学は,初学者にとって分かり難いと言われていますが,復習をよくし,理解に努めてください.
学習・教育目標との対応 この授業の単位修得は,JABEE基準1(1)の(d):該当する分野の専門技術に関する知識とそれらを問題解決に応用できる能力,および
学科の学習・教育目標(A)−4:機械システム工学に関する知識とそれらを問題解決に応用できる能力,に対応している.
関連科目 この科目の履修に当たっては,解析T,U,物理学Aを履修しておくことが望ましい.
この科目は,2年前期に同時に開講している流体力学演習Tと密接に関連している.
また,この科目は,2年後期開講の流体力学U,流体力学演習U,3年後期開講の
空気力学,推進工学,4年前期開講の飛行力学などと密接に関連している.
備考