開講学期 2008年度 前期
授業区分 週間授業
対象学科 全学科(環境と社会コース)
対象学年 2
必修・選択 選択
授業方法 講義
授業科目名 社会環境基礎論
単位数 2
担当教員 丸山 博、竹中 健
教員室番号 N355(非常勤講師控室)
連絡先(Tel) 070−6650−1567
連絡先(E-mail) ken@let.hokudai.ac.jp
オフィスアワー 水曜日
授業のねらい 社会環境基礎論は、環境問題を解決するうえで認識すべき環境にかかわる歴史と構造を理解し、考えられるようになることを目指すものである。
具体的には、国家権力をともなった行政と自然環境と直接向かい合ってそのなかに生きている市民とが、これまでどのように相互作用しながら「問題」を「解決」あるいは「創出」してきたのかを、個別の事例に即して考えていく。
日本においては公教育そのものが近代以降に官僚機構をつうじて上から押しつけられた経緯から、環境をめぐる様ざまな問題についても国家・行政が企業利益を保護する視点においてのみ特定の事象が「定義され」、「問題化され」、あるいは「されずに」きた。
そのような事実を正しく理解し、「市民」が自らの生活世界をどのように守り、どのように生きていくことを選び取ろうとしているのか、その営みの束(運動またはダイナミズム)の一つひとつを追うことを講義のねらいとする。
到達度目標 基本的な環境問題について理解し、市民として問題を考える姿勢を身につける。
授業計画 1.オリエンテーション
―――なぜ環境を考えるのか?/環境問題をどう捉えるのか?
2.環境「問題」を切り取る
―――誰が「問題」を切り取るのか?/なぜ切り取るのか?
3.ナショナリズムと環境問題 
―――国家は国民の生活を守ってくれる?
4.地球環境を考える
―――地球温暖化は止められる? /誰がどのように止めるのか?
5.環境問題をめぐる社会運動
6.水俣病
7.副流煙と禁煙ファシズム
8.環境正義と公共性
―――空港・新幹線・ごみ処理施設・アサイラムスの建設と反対運動
9.食の環境
―――誰が守るのか?/どのように守るのか?(毒入り餃子を考える)
10.クリーンエネルギー
―――風力・原子力・バイオエネルギーは地球を救う?
11.リサイクル
12.歴史的環境
―――重要文化財はなぜ「重要」か?
13.都市景観を考える
14.公と私

教科書及び教材 特定の教科書は使用しない。
参考書 丸山 博編著『内発的発展と地域社会の可能性』(法律文化社、2006) 
成績評価方法 毎回講義時のリアクションペーパーの総計を40点、学期末テスト60点の合計100点とし、60〜69点を可、70〜79点を良、80点以上を優とする。
履修上の注意 積極的に授業に参加されないと、単位の修得は難しいと考えてください。
教員メッセージ 理解できないことがあれば、遠慮なく授業時間内または授業前後に質問をし、ご自身のなかで納得がいくまで、それぞれのテーマに徹底的に取り組んでみてください。
みなさんがこれから自分で環境について考えていく際の思考のよりどころのひとつを本講義によって得られたなら、うれしく思います。
学習・教育目標との対応
関連科目
備考