開講学期 | 2008年度 後期 |
授業区分 | 週間授業 |
対象学科 | 応用化学科 |
対象学年 | 3 |
必修・選択 | 選択 |
授業方法 | 講義による |
授業科目名 | 無機合成化学 |
単位数 | 2 |
担当教員 | 見城忠男 |
教員室番号 | U-210 |
連絡先(Tel) | 46-5721 |
連絡先(E-mail) | kenjo@mmm.muroran-it.ac.jp |
オフィスアワー | 講義の始まる15分前には教員室にいます。 |
授業のねらい | 無機化合物は構成元素の性質(イオン半径、電荷、外殻電子の対称性など)によって規則正しく変化する。その変化の規則は周期律表に集約されている。本講義では無機物質の化学的性質と構成元素の周期律表中の位置との間にある規則性を指針として、無機合成の具体的方法について述べる。さらに単結晶育成法や高温高圧合成など最新の合成技術についても触れたい 。 |
到達度目標 |
1.周期律表中の元素の位置と化学的性質との間にある規則的関係を理解すること。(30%) 2.簡単な無機化合物の合成法を習得すること。(15%) 3.イオン間静電引力が無機化合物の基本的性質を決める重要な因子であることを理解すること。(40%) 4.工業製品として実用に供されている代表的なセラミックスや無機化合物の種類や性質を知ること。(15%) |
授業計画 |
第1週.元素の周期律:元素の周期律表と原子の電子配置の関係を述べる。 第2週〜第3週.結合の様式:化学結合の種類、原子価の概念および原子半径とイオン半径の重要性を理解する。 第4週〜第5週.結晶構造:結晶構造の種類、対称性とイオン半径の関係、格子エネルギー、X線による構造解析法などを習得する。 第6週〜第7週.格子欠陥と不定比性:固体結晶といえども僅かではあるが構造欠陥と不定比性をもつ。この僅かの欠陥が機械的性質や電気的性質に著しい影響を及ぼす。 第8週〜第9週.沈殿と溶解:無機合成で最も普通に行われる沈殿法と共沈法の実際を述べる。 第10週.イオン交換:イオン交換法による分離技術の発達によって、希土類やZr,Hfなど性質の良く似た物質の分離が容易になった。 第11週〜第12週.固相反応による合成:高温にすると液層を経ずに固体同士を反応させることが出来る。 第13週.ガラス:用途に応じた各種ガラスの性質と最近のトピックスなど。 第14週.単結晶の育成:各種の単結晶育成法とハイテク技術への応用。 第15週.電気伝導性酸化物:多くの酸化物は絶縁体であるが、中には金属並、またはそれ以上の伝導性を有する酸化物があり、電極、超伝導等、様々な分野で利用されている。その合成法と性質について述べる。 第16週.定期試験 |
教科書及び教材 | テキストは用いない。必要な資料は講義の始めに配布する。 |
参考書 |
「固体化学」 L. Smart, E. Moore著 河本邦仁、 平尾一之訳 化学同人 「セラミックスの材料化学」 荒井康夫著 大日本図書 |
成績評価方法 |
期末試験によって評価する。60点以上を合格とする。 |
履修上の注意 |
無機化合物の性質を決める重要な因子であるイオン間の静電引力とイオン半径、電荷との関係をよく理解することが最も重要である。 不合格者は再履修とする。 |
教員メッセージ | ノートをしっかりとること。 |
学習・教育目標との対応 | 応用化学科の教育目標B.(専門的知識−化学)の達成に寄与する。 |
関連科目 | 無機化学、電気化学、分析化学 |
備考 | 講義の最後15分を使って毎回演習問題を課す。 |