開講学期 2008年度 後期
授業区分 週間授業
対象学科 材料物性工学科 応用物理コース3年
対象学年 3
必修・選択 選択
授業方法 講義
授業科目名 材料電気化学
単位数 2
担当教員 佐伯 功
教員室番号 K505
連絡先(Tel) 0143-46-5634
連絡先(E-mail) isaos@mmm.muroran-it.ac.jp
オフィスアワー 月曜日 13:00〜16:00
授業のねらい  電気化学は化学エネルギーと電気エネルギー間の直接相互変換に関連した学問であり、電気から化学への変換例としては電気分解やめっきが、逆の例としては電池、センサー、腐食があげられる。本講義ではこれら変換が起こる「溶液」、「電極」における電子やイオンの振る舞いと、電気化学反応を制御している種々の因子を基礎的に理解することを第一の目的とする。また、講義の最後2週では材料工学における電気化学の応用「電析とめっき」、「金属の腐食と防食」を学ぶことを第二の目的とする。
到達度目標 1.溶液中の酸化還元反応を理解し、反応式を自由に書くことができる(基礎能力)
2.熱力学の知見に基づき電位の概念を理解し熱力学データを用い電気化学反応を予測することができる(基礎能力)
3.電極反応が起こる際の溶液中のイオンの振る舞いを理解し、電気化学反応実験データの解析ができる(応用力)
4.電気化学と材料工学の接点を理解し、材料開発において電気化学がどのように寄与できるかを考えることができる(総合理解とデザイン能力)
授業計画 1週目 シラバスの説明、本講義の概要、
    電気化学序論(1)物理化学から電気化学へ、理解度テスト プリント配布
2週目 電気化学的な系と現象(1)化学反応と電気 テキスト第1章
3週目 電気化学的な系と現象(2)電池の放電と充電 テキスト第1章
4週目 電気化学的な系と現象(3)電極反応と電極電位 テキスト第1章
5週目 電気化学的な系と現象(4)水の電気分解 テキスト第1章
6週目 電極反応(1) 電極反応速度と電流 テキスト第2章
7週目 電極反応(2) 電極反応速度定数の電極電位依存性 テキスト第2章
8週目 電極反応(3) 電気二重層と電極反応機構 テキスト第2章
9週目 電極反応(4) 電極反応の解析 テキスト第2章
10週目起電力と平衡電極電位(1)電池の起電力 テキスト第3章
11週目 起電力と平衡電極電位(2)平衡電極電位 テキスト第3章
12週目 起電力と平衡電極電位(3)溶液内反応の平衡と起電力 テキスト第3章
13週目 起電力と平衡電極電位(4)種々の電極の平衡電極電位 テキスト第3章
14週目 電気化学の応用(1)めっきと表面処理 プリント配布
15週目 電気化学の応用(2)金属材料の腐食 プリント配布
教科書及び教材 玉虫伶太、橋勝緒共著「エッセンシャル電気化学」東京化学同人、定価1800+税を用いて行うので、開講までに購入しておくこと。また、指数・対数が計算できる電卓、定規が必要なので持参すること。
参考書 渡辺、金村、益田、渡辺共著「電気化学」丸善、 田村、松田「現代電気化学」培風館、 喜多、魚崎「電気化学の基礎」技報堂出版 など 
成績評価方法 100点満点で総得点60点以上の場合合格とする。満点の内訳は以下の通り
(1)2〜14週に行う小テストを1回5点満点で採点し13回の合計が65点
(2)定期試験を35点満点で採点
履修上の注意 0 第1週の授業に正当な理由なく出席しなかった場合、履修登録は認めません(拒否します)。 
1 授業15回のうち5回以上欠席すると単位取得の可能性が失われます。
2 理由のいかんに関わらず、いずれのテストも再試験、追試験は行いません(出来ません)。
3 質問があればしてください(当たり前ですが)。
4 授業の変更や緊急時の連絡は授業中またはK棟1階の掲示板で通知をする。
5 不合格の場合再履修しても良い。その場合、過去の出席状況や成績など一切の履歴は参照しない。
教員メッセージ  一度に広い範囲をテストするよりも、狭い範囲で学習をまとめ、1歩1歩確かに前進してもらうために第2週以降毎回の授業の始めに小テストを行うことにしました。このような進め方のため、追試験・再試験は実行不可能です。確実な理解を重ねて、優れた成績を残せるようにがんばってください。
学習・教育目標との対応 [材料工学コース]この授業の単位修得は学科の学習・教育目標の、 (D):材料工学の専門能力 、(E):デザイン能力、に対応している。またJABEE基準1(1)の(d)(2):材料のプロセスに関する基本の理解、(e):種々の科学、技術および情報を利用して社会の要求を解決するためのデザイン能力、に対応している。
[応用物理コース]この授業の単位修得は学科の学習・教育目標の、 (F):応用物理専門能力に対応している。またJABEE基準1(1)の(d)(1b)に対応している。
関連科目 [コース共通]この科目の履修にあたっては、1学年開講の熱力学と物理化学Aの内容を理解していることが前提となる。
[材料工学コース]2学年次開講の物理化学Bの内容を理解していることが前提となる。関連科目は、3学年に開講の材料精製学である。
[応用物理コース]2学年次に材料工学コースで開講の物理化学Bの内容を理解していることが前提となるため、修得を目指す学生は同科目の内容を自習する必要があるかもしれない。
備考 [他学科履修について]応用化学科の学生諸君は類似内容の講義が応用化学科で開講されていますのでご遠慮願います。その他学科からの履修を歓迎します。そのさい、上記関連科目の知識があることを前提に講義を進め、成績評価は学生の所属によらず同じ基準で行いますので、その点理解の上講義に参加してください。
[出席要件について]身内のご不幸など、やむなき事情にて出席できないことがありうることを考慮して書いたものであり、理由なく欠席することを容認しているわけでは無いことを理解されたい。教務課に欠席届を提出しても、出席には繰り入れません。他の教員と解釈が異なるかもしれませんが、そのように取り扱います。