開講学期 2008年度 後期
授業区分 週間授業
対象学科 電気電子工学科
対象学年 3
必修・選択 選択
授業方法 講義
授業科目名 高電圧工学
単位数 2
担当教員 佐藤孝紀
教員室番号 F309-1
連絡先(Tel) 0143-46-5506
連絡先(E-mail) ksatoh@mmm.muroran-it.ac.jp
オフィスアワー 水曜日12:00〜12:40、金曜日12:10〜12:40
※都合により変更となる場合は教員室ドアの掲示板に表示します。
授業のねらい  電力需要の増大に伴い、高効率電力輸送のために高電圧送電が用いられ、高度な絶縁技術が必要であるとともに、高電圧により発生する様々な現象について調査が必要となっている。また、最近、プラズマテレビやプラズマ空気清浄機にように、気体放電プラズマを利用した機器が盛んに利用されるようになっている。
 この授業では、気体放電などの高電圧現象を基礎から理解するとともに、絶縁破壊(放電発生)のメカニズム、高電圧発生技術、高電圧試験などについて学ぶ。また、プラズマプロセシングによる微細加工、放電プラズマによる汚染ガス浄化など、気体放電現象を利用した最新技術についても解説する。
到達度目標 1.高電圧現象の基礎となる粒子の微視的な挙動を理解している。(知識力および計算力 30%)
2.気体、液体の絶縁破壊を理解している。(知識力および計算力 30%)
3.高電圧発生回路・方法を理解している。(知識力 20%)
4.雷現象、高電圧応用を理解している。(知識力 20%)
授業計画 第1週 イントロダクション(高電圧工学の意義、産業における高電圧応用等)
第2週 高電圧現象の基礎(熱運動、電界下の電子の運動、Boltzmann方程式、換算電界と相似則)
第3週 高電圧現象の基礎(粒子の衝突、弾性衝突と非弾性衝突、フランクコンドンの原理)
第4週 高電圧現象の基礎(気体中の導電I:電子の作用と電離増倍)
第5週 高電圧現象の基礎(気体中の導電II:二次電子放出作用、Townsendの電流成長式)
第6週 気体の絶縁破壊(絶縁破壊理論I:Townsend理論、Paschenの法則)
第7週 気体の絶縁破壊(絶縁破壊理論II:ストリーマ理論、コロナ放電)
第8週 気体の絶縁破壊(絶縁破壊理論II:コロナ放電と極性効果)
第9週 気体の絶縁破壊(直流グロー放電I:放電発生・自続条件、電流−電圧特性、放電構造)
第10週 気体の絶縁破壊(直流グロー放電の応用、アーク放電)
第11週 気体の絶縁破壊(大気圧放電、衝撃電圧破壊、絶縁性ガス)
第12週 液体・液体の絶縁破壊(導電現象、絶縁破壊理論)
第13週 絶縁設計・高電圧発生装置(半波整流回路、全波整流回路、倍電圧回路、コッククロフトの回路)
第14週 高電圧発生装置(バンデグラーフ発電機、衝撃電圧発生回路)、高電圧測定
第15週 雷現象、新しい高電圧応用(プラズマプロセシング、汚染ガス浄化技術等)
教科書及び教材 坂本 三郎,田頭 博昭 著「新高電圧工学」朝倉書店 定価(4800円)[附属図書館所蔵]
必要な資料を授業中に適宜配布する。
参考書 大江 一行、菅井 秀郎 著「プラズマエレクトロニクス」 定価(2300円)[附属図書館所蔵]
真壁 利明 著「プラズマエレクトロニクス」培風館 定価(3800円)[附属図書館所蔵]  
成績評価方法 定期試験および4回の小テスト(あるいはレポート)の結果を総合し、100点満点中60点以上を合格とする。なお、定期試験と小テストの割合は、それぞれ60%および40%である。再試験は行わない。

各到達度目標の評価方法は,次のように行う.
目標1.小テスト,定期試験において計算・論述問題を出題し評価する.
目標2.小テスト,定期試験において計算・論述問題を出題し評価する.
目標3.小テスト,定期試験において論述問題を出題し評価する.
目標4.定期試験において論述問題を出題し評価する.
履修上の注意
教員メッセージ 電気主任技術者の資格に関係する科目であるので、予習と復習を十分に行って理解を深めるよう心がけて頂きたい。
学習・教育目標との対応 「電気電子工学科の学習目標」との関連(◎:密接に関与、○:付随的に関与)
 A.自然現象を理解するための基礎となる数学・物理学の知識を習得する
○B.電気電子工学分野の技術の基礎となる知識を習得する
 C.習得した知識を種々の問題に適用し、その結果を検討・評価する能力を修得する
 D.与えられた問題を解決するための実験を計画・遂行する能力を修得する
 E.自分の意見を論理的に整理し、他者に説明する能力を修得する
 F.他者と議論・協力して目標を達成する能力を修得する
 G.物事を自主的・継続的に学習する能力を修得する
 H.電気電子工学分野の技術が社会や環境に与える影響を考える能力を修得する
関連科目 この授業の履修にあたって、基礎電磁気学、電磁気学I、電子物性、電気電子材料を履修していることが望ましい。
備考