開講学期 | 2008年度 前期 |
授業区分 | 週間授業 |
対象学科 | 機械システム工学科 |
対象学年 | 4 |
必修・選択 | 必修 |
授業方法 | 3名程度のグループで設計・製作・飛行の実習に取り組む。 |
授業科目名 | 航空宇宙機設計法 |
単位数 | 1 |
担当教員 | 溝端一秀 |
教員室番号 | B-221 |
連絡先(Tel) |
外線からは0143-46-5368(直通)、または0143-46-5316(航空宇宙機システム研究センター、呼び出し)。 内線からは5368(直通)、または5316(航空宇宙機システム研究センター、呼び出し)。 いずれもファックス兼。 |
連絡先(E-mail) |
mizobata@parakeet.mech.muroran-it.ac.jp (常時多忙のため教員室に居ないことが多くて済みません。留守の場合はe-mailで連絡ください。) |
オフィスアワー | 毎週火曜日10:30〜12:00 |
授業のねらい | 有翼航空宇宙機(飛行機やスペースプレーン)に所要飛行性能を付与するにはどうすればよいかを学ぶ。その基礎知識に基づいて、小型模型飛行機を設計・製作し、飛行させ、その飛行性能を評価する。これらのプロセスを通して、航空宇宙機システムに関する総合的な理解を深める。「プレゼンテーション技法」の授業と連携し、設計・製作の節目ごとに構想や成果について発表・討論する。 |
到達度目標 |
1)有翼航空宇宙機(飛行機やスペースプレーン)にはどのような性能が必要か、その概略が分かるようになる。(10%) 2)模型飛行機に所要性能を付与するために、設計課題をみずから設定することができる。(10%) 3)自ら設定した設計課題を達成するために、機体の構成・形状を構想できる。(10%) 4)機体の設計・製作・性能推算に、多様な知識や技術を応用できる。(10%) 5)機体の設計・製作・性能推算に、他のグループにない独自のアイディア・工夫をこらすことができる(創造力)。(10%) 6)安全な飛行を実現するために工夫を凝らすなど、公序良俗に即した設計ができる。(10%) 7)構想した機体の構成・形状や飛行性能を、図、文章、式、プログラム、等を駆使して表現できる。(10%) 8)グループ内あるいはグループ間で、円滑なコミュニケーションを成立させることができる。(10%) 9)グループで1つのものを作り上げるためのチームワークを構築できる。(10%) 10)限られた製作期間内に模型飛行機が完成し飛行できるように、工程管理を継続的に計画・実施できる。(10%) |
授業計画 |
授業目標を達成するため、「プレゼンテーション技法」と授業時間を融通しあうことにしている。 授業はおよそ次の目安で進める予定であるが、設計・製作作業の進み具合に応じて臨機応変に対処する。 ●ガイダンスおよび班分け ●設計に必要な基礎知識の講義(2週) 翼型、空力諸公式、翼面荷重、翼設計、重心位置と縦の静安定、水平尾翼、垂直尾翼、横の制御と安定、抗力低減法、張殻構造、フラップ、降着装置、推進系の選定、飛行速度の推算、上昇・旋回性能の推算、等 ●設計とプレゼンテーション(3週) 要求性能や設計方針の設定、機体の構成・形状・諸元の計画と図面作成(CAD)、縮小模型の製作と飛行性の実証、設計内容のプレゼンテーション(1回) ●設計内容審査会(1週) ●製作実習と途中経過プレゼンテーション(8週) 機体の製作、推進器・ラジコンの組込・調整、重心合わせ、耐空性審査、無推力滑空試験、予備的試験飛行と機体調整、途中経過プレゼンテーション(2回) ●野外での試験飛行、性能評価、および成果発表(2週) 設計・製作作業のためには、授業時間だけでは足りないので、適宜時間外に作業することを求めます。 また、試験飛行は天候等の影響を大きく受けますので、天候等のコンディションの整った瞬間を狙って実施します。 |
教科書及び教材 |
●自作の参考資料を配布する。 ●模型飛行機製作に必要な基本的な工具・材料やエンジン(あるいはモーター)・ラジコン機器は貸与しますが、各自の創意により必要な機材を自己調達することを妨げません。 |
参考書 |
●L. パズマニー著、内藤子生監修、「軽飛行機の設計法」(日本航空技術協会、1971):ある軽飛行機の設計・自作プロセスを簡潔・明快に解説している。図書館と担当教員の手元にあります。 ●内藤子生、「飛行力学の実際」(日本航空技術協会, 1976):著者の長年の飛行機設計業務を通して得られた豊富な知見が凝縮されている。図書館と担当教員の手元にあります。 ●山名・中口「飛行機設計論」(養賢堂、1982):飛行機設計の古典的バイブルだが、大著なので読みこなすのは少し大変。図書館と担当教員の手元にあります。 ●”Jane’s ALL THE WORLD’S AIRCRAFT”:世界の実機の大図鑑。いろんな機体を見て美的センスを養うのに有用。図書館と担当教員の手元にあります。 ●A. Lennon, ”Basics of R/C Model Aircraft Design”(Air Age Publishing, 1996) :きちんとした航空工学に基づいた模型飛行機設計の教科書。ある一つの模型飛行機の設計プロセスをstep by stepで説明しており、読みやすい。英文読解力は必要。担当教員の手元にあります。 |
成績評価方法 |
創意工夫の内容、設計内容や出来上がった機体の完成度(デザイン性、技術性、飛行性能、等)、成果発表の内容、成因・敗因の分析内容、グループでのリーダーシップや工程管理の状況、等を総合して成績をつけます。 100点満点中60点以上を合格とします。 なお、不合格者は再履修すること。 |
履修上の注意 |
●怪我等に備えて、受講生は必ず傷害保険および賠償責任保険に加入すること。詳細は授業中に指示します。 ●航空宇宙コースに分属し、「機械製図」、「流体力学1」、「流体力学2」、「空気力学」、「推進工学」、および「航空宇宙工学演習」の単位を取得済みであることを要する。 ●連携科目として「プレゼンテーション技法」も同時に受講すること。 また、本授業で講述する内容は「飛行力学」および「軽構造工学」の講義内容と関連が深いので、この2科目も同時に受講すること。 ●旧カリキュラムの学生(平成13年度以前入学者)、および夜間主学生は、卒研着手可能で、機械設計製図IIの単位を「未取得」の者。(機械設計製図IIに単位読替しますので、機械設計製図IIの単位を取得済みの場合は単位認定できません。) |
教員メッセージ | グループで設計・製作・飛行の実習をしますので、欠席すると仲間に多大な迷惑がかかります。極力欠席しないように努力してください。就職活動等のためにどうしても欠席する必要がある場合は、作業の進捗に差し支えないよう、グループのメンバーと良く相談すること。 |
学習・教育目標との対応 |
<学科の学習・教育目標との対応> 1. 工学上の諸問題を科学的に解決するための基礎知識の修得 c. 物理学等の自然科学に関する基礎知識とそれらの応用能力 d. 機械システム工学に関する知識と、それらを問題解決に応用で きる能力 2. 実験の実施と結果の評価に必要な実験技術の修得(コンピュータ取り扱い能力を含む) 3. 工学システムをデザイン・製作する能力の涵養 4. 自発的に勉学を続けることができる能力の涵養 5. コミュニケーション能力やグループ意思決定能力の涵養 a. 日本語および英語によるコミュニケーション能力と国際性 b. グループ意思決定能力 |
関連科目 |
<科目間の連携> ●履修要件:上記「履修上の注意」に記した通り. ●この科目に関連する科目: プレゼンテーション技法、飛行力学、軽構造工学、流体力学1、流体力学2、空気力学、推進工学、航空宇宙工学演習、機械製図、機械工作法実習、エンジニアリングデザインのコア科目/サブ科目 |
備考 |