開講学期 2008年度 後期
授業区分 週間授業
対象学科 公共システム工学専攻
対象学年 1
必修・選択 選択
授業方法 講義
授業科目名 自治体経営論T
単位数 2
担当教員 高井俊次
教員室番号 U302または キャリア・サポート・センター
連絡先(Tel) 5132
連絡先(E-mail) t-takai@mmm.muroran-it.ac.jp
オフィスアワー 毎週金曜日3−4時限。他、随時、出来れば事前にアポイントを取って下さい。
授業のねらい 自治体経営の新しい概念を学び、管理者に求められる組織運営能力と戦略思考を強化する。

現在、日本の自治体は大きな変革の必要に迫られている。その直接的な理由は、政府や多くの自治体が直面する財政状況の悪化にある。しかし、背景には、産業構造の転換、少子高齢化の進展などの社会構造上の変動に伴う自治体の役割自体の変化が位置している。言うまでもなく、今日の自治体変革の課題は、減量経営
のみにあるのではなく、「公」という概念が問い直されている中で、最小のコストで最大の効果をあげることにある。本講義では、それらの背景を探りつつ、模索の続く新たな行政手法(NPM、ニュー・パブリック・マネジメント)の動向を取り上げ、21世紀の自治体経営のあり方について考える。
到達度目標 1.現代の自治体の置かれた環境について、産業構造の変換を主軸に、社会状況の変化と併せて理解する。
2.民間企業の経営手法に学び、自治体への応用可能性について、認識を深める。
3.自治体のマネジメント・システム確立へ向けた課題について認識を深める。
授業計画  全体を3期に分け、現代の自治体の置かれた環境分析、民間企業に学ぶ経営手法と自治体への応用可能性、自治体経営の諸課題について検討する。

第1期 産業構造の転換と<官−民>軸から<公−私>軸への変化
 第1/2回 産業構造の転換と「失われた15年」
 第3回  産業組織論の新たな展開と社会的な資金の流れの変化
 第4回  競争力とは何か、競争力の基盤としての地域
 第5回  セーフティネットと自治体の役割の新たな考え方

第2期 民間企業に学ぶ経営手法と自治体への応用可能性
 第6回  NPMの概要
 第7回  何故、自治体に戦略が必要か?
 第8回  戦略と組織の相互浸透:自治体の組織変革へ向けて
 第9/10回  自治体の経営戦略(事例研究)

第3期 自治体経営の諸課題
 第11回 契約理論の新展開と外部委託の諸問題
 第12回 政策評価制度の導入
 第13回 人事評価手法と公務員の新キャリア・システムの可能性
 第14回 マニフェストと自治体広報
 第15回 戦略の浸透、組織風土改革と自治体におけるマネジメント・システムの確立
教科書及び教材 必要な資料をプリント配布する.

参考書 折りに触れ参考文献を指示する。 
成績評価方法 期末レポートを中心に、平常授業における授業参加状況について加味する。
履修上の注意
教員メッセージ 現在、自治体に様々な課題を提起している諸変化は、かつてのように経済的な文脈に位置するというよりも、文化、価値観、感情など人間に関する幅広い文脈に関連すると言ってよい。こうした課題に対応するため、社会学、経済学のみならず、文化人類学、認識論など幅広い関心を持ち、人間行動への想像力を働かせて授業に臨んでほしい。授業中・後の積極的な質問や教員室へおいで頂いての議論をおおいに歓迎する。
学習・教育目標との対応 本専攻の学習・教育目標の中で、マネージメント能力、公共政策の立案能力の育成に対応する
関連科目
備考