開講学期 2008年度 後期
授業区分 週間授業
対象学科 公共システム工学専攻
対象学年 博士前期課程1年
必修・選択 選択
授業方法
授業科目名 憲法と公共システム
単位数 2
担当教員 奥野恒久
教員室番号 V−408(半年間の仮移転先です)
連絡先(Tel) 0143−46−5821
連絡先(E-mail) okuno@mmm.muroran-it.ac.jp
オフィスアワー 月曜日:20時30分〜21時30分
木曜日:10時〜11時
授業のねらい  現在、日本の政治制度も、教育・福祉、そして平和のあり方も、いわば我々を取り巻くシステム自体が揺れ動いている。憲法とは、いうまでもなく国家の最高法であり、国民によって支えられるべく法である。改憲論も主張される中で、改めて日本国憲法がどのようなシステムを構想しているのかを考察し、現代社会との関連を検討する。
到達度目標 1.近代立憲主義をはじめ、憲法理論を支える基本原理を理解する。
2.近代から現代への歴史発展の中で、憲法イメージの変遷を理解する。
3.基本的な憲法理論、学説、判例を理解する。
4.リベラリズムをはじめとする憲法感覚や人権感覚を身につける。
5.現在の行政や市民社会に対する日本国憲法の可能性を検討する。
6.民主主義のありようについて、現在の日本社会と照らしつつ検討する。
7.民主主義論・憲法理論にかかわる古典を読む力をつける。
授業計画 1.ガイダンス
 憲法と立憲主義、芦部信喜『憲法』3頁〜7頁
2.平和的生存権@
 日本の違憲審査制度、付随的審査制と抽象的審査制
3.平和的生存権A
 長沼訴訟
4.平和的生存権B
 平和的生存権をめぐる学説、百里基地訴訟最高裁
5.平和的生存権C
 自衛隊イラク派遣違憲訴訟、名古屋高裁判決
6.アイヌ民族の文化享有権@
 二風谷ダム訴訟の事件の概要
7.アイヌ民族の文化享有権A
 権利論としての「集団の権利」の可能性
8.アイヌ民族の文化享有権B
 札幌地裁判決の民主主義観
9.外国人の人権@
 学説の整理
10.外国人の人権A
 定住外国人の参政権
11.外国人の人権B
 東京都職員事件
12.教育現場における信教の自由
  「エホバの証人」の信者による剣道拒否事件
13.教育行政と憲法@
  旭川学力テスト事件
14.教育行政と憲法A
  「日の丸・君が代」強制拒否事件
15.自治体による平和行政
教科書及び教材 毎回の講義にて、配布・紹介する。
ケルゼン著/西島芳二訳『デモクラシーの本質と価値』(岩波文庫、1948)か、マックス・ヴェーバー著/脇圭平訳『職業としての政治』(岩波文庫、1980)を、輪読したい。
参考書 民主主義科学者協会法律部会編 法律時報増刊号『改憲・改革と法』
浦部法穂『憲法学教室(全訂第2版)』(日本評論社、2006年)
辻村みよ子『憲法(第3版)』(日本評論社、2008年)
芦部信喜(高橋和之補訂)『憲法(第4版)』(岩波書店、2007年)
高橋和之、長谷部恭男、石川健治編 ジュリスト『憲法判例百選』T・U(有斐閣、2007年)
上田勝美『立憲平和主義と人権』(法律文化社、2005年)
山内敏弘『平和憲法の理論』(日本評論社、1992年)
小林武『平和的生存権の弁証』(日本評論社、2006年)
長谷部恭男編著『リーディングズ・現代の憲法』(日本評論社、1995年)
紙谷雅子編著『日本国憲法を読み直す』(日本経済新聞社、2000年) 
成績評価方法 テストは行わない。毎回、事前に課題をこなしていただき、授業中に報告(40点)してもらう。
数回、レポートを提出してもらう(60点)。
計100点満点で評価し、60点以上を合格とする。
履修上の注意 不合格者は再度履修していただく。
教員メッセージ 毎回それなりの課題をこなしていただきことになります。
ただ、履修者の希望など、状況に応じて変更することもあります。
学習・教育目標との対応 JABEE基準
(a)地球的視点から多面的に物事を考える能力
(b)技術者が社会に対して負っている責任に関する理解
関連科目 地方行政論T、地方行政論U
備考 特になし